マルオジリスの基本情報
英名:Round-tailed Ground Squirrel
学名:Xerospermophilus tereticaudus
分類:齧歯目 リス型亜目 リス科 マルオジリス属
生息地:メキシコ、アメリカ合衆国
保全状況:LC〈軽度懸念〉

参考文献
砂漠のリス
アメリカ南西部に広がるモハーヴェ砂漠とアメリカのアリゾナ州、カリフォルニア州、そしてメキシコはソノラ州に広がるソノラ砂漠。
最も暑い時期は40℃を超え、北米でも屈指の暑く乾燥した砂漠であるこれらの砂漠に生息するリスがいます。
それがギリシャ語で「乾燥した」という意味の”Xero”をその属名”Xerospermophilus”に持つマルオジリスです。
マルオジリスは地上で暮らす地上性リスの一種で巣を掘るため、砂漠と言ってもサラサラの砂が広がるような砂漠ではなく、巣が掘れる程度の土壌がある砂漠に彼らは暮らします。
シマリスやマーモットなどにも見られるように、地上性リスの多くは寒い冬に冬眠をして過ごします。
冬眠の仕方はさまざまですが、彼らと同じくマルオジリスも冬眠をします。
砂漠と言っても冬の夜は10度を下回るくらい寒く、エサも少ないのです。
ただ、冬眠と言っても体温や心拍数、呼吸を激減させるような深い冬眠ではなく、彼らが見せるのはトーパーと呼ばれる一時的な冬眠状態です。
体温は真の深い冬眠程は下がらず、覚醒を挟み、活動することすらあります。
マルオジリスは早ければ8月から不活発になり1月ごろから活動するようになります。
オスの方が早くに巣を出て活発になり、その2~4週間後にメスが活動を再開させます。
ちなみに、マルオジリスは社会性を持ちますが、巣を共有することはあまりありません。
しかし、この冬を越すトーパーのときは巣の共有が見られます。


最後に名前のお話を。
ラテン語でリスを意味する”Sciurus”が、「影」と「尾」という意味の古代ギリシャ語の組み合わせからできていることからもわかるように、リスと言えばふさふさの大きなしっぽが特徴的です。
しかし、暑い環境に生息するマルオジリスのしっぽはふさふさではありません。
それよりも丸みを帯びていることから、マルオジリスはそう呼ばれています。
学名のうち種小名の”tereticaudus”もラテン語でこの丸みを帯びた尾を指しています。
属名の”Xerospermophilus”のうち”Xero”以外の部分はギリシャ語で「種を愛する」を意味します。
ただ、マルオジリスの主食は植物の葉や茎など緑の部分で、特に夏にはそれらがエサのほとんどを占めます。
乾燥地帯で生活する彼らにとっては、水分量の多い植物の緑の部分が非常に重要なのです。
彼らが食べるエサの水分含有量は平均で80%にもなります。
Xerospermophilus tereticaudus (Baird, 1858) | GBIF

マルオジリスの生態
生息地
砂漠地帯に生息しますが、岩場は避けます。
公園など人家の近くにも姿を見せます。
形態
体長は20.4~27.8㎝、体重は110~170g、尾長は6~11.2㎝で、モノトーンな体色をしています。
年に2回、春と秋に換毛します。

食性
植物の緑の部分を主食とし、種子やアリ、シロアリ、バッタなどの昆虫も食べます。
行動・社会
薄明薄暮時に最も活発になります。
活動時間の半分は採餌に充てられます。
活動は地上で行われますが、木にも登ります。
オスは成長すると6月頃分散する一方、メスは生まれたところに留まります。
繁殖
冬が終わり、活動が再開すると繁殖が始まります。
妊娠したメスは3月から6月に見られます。
妊娠期間は25~35日で、一度の出産で6匹前後、最大13匹が生まれます。
赤ちゃんは3~4gほどで目と耳は閉じ、無毛の状態で生まれます。
生後25日には走り回るようになり、生後5週で離乳します。
その1~2週間後オスは分散していきます。
性成熟には生後10~11ヵ月で達します。
寿命は飼育下で最大9年です。
人間とマルオジリス
絶滅リスク・保全
分布域が広く、個体数も安定しているとされ、大きな脅威もありません。
IUCNのレッドリストでは軽度懸念の評価です。
Xerospermophilus tereticaudus | The IUCN Red List of Threatened Species
動物園
日本でマルオジリスに会うことはできません。


