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ヒメミユビトビネズミ

2026 5/01
トビネズミ科
2026年5月1日
ヒメミユビトビネズミ
©2023 Broobas : clipped from the original
目次

ヒメミユビトビネズミの基本情報

英名:Lesser Egyptian Jerboa
学名:Jaculus jaculus
分類:齧歯目 ネズミ形亜目 トビネズミ科 ミユビトビネズミ属
生息地:アルジェリア、ブルキナファソ、エジプト、エリトリア、イラン、イスラエル、クウェート、ヨルダン、リビア、マリ、モーリタニア、モロッコ、ニジェール、ナイジェリア、オマーン、カタール、サウジアラビア、セネガル、ソマリア、スーダン、シリア、チュニジア、アラブ首長国連邦、西サハラ、イエメン
保全状況:LC〈軽度懸念〉

ヒメミユビトビネズミ
Photo credit: Elias Neideck

跳びネズミ

中東やアフリカ北部の乾燥地帯に生息するヒメミユビトビネズミ。

乾燥に適応している彼らは、餌から水分をとるため、水を飲む必要がありません。

また、暑さに対処するため、彼らは厳格な夜行性で、日中は地中に自ら掘った巣の中で休息します。

暑すぎるときや寒すぎるときは巣の中で冬眠状態になる個体が観察されていることでも知られています。

こうした特性もさることながら、彼らの特徴と言えば、なんといってもその後肢です。

彼らの頭からお尻の長さは10㎝程度ですが、後肢の長さはなんと5㎝以上にもなります。

「トビネズミ(跳び鼠)」という名前が付けられているように、カンガルーのごとくその長い後肢だけでぴょんぴょんと跳ねる姿は、私たちが想像する齧歯類のそれではありません。

ちなみに、しっぽの長さは体長よりも長く、これもカンガルーのようにジャンプの際バランスをとる役割を果たしています。

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彼らの後肢の特徴は、その長さだけではありません。

例えばその足の裏は毛でびっしり覆われ、足が砂に沈みにくいようになっています。

また、ヒメミユビトビネズミの後肢には、名前にもそうあるように、指が3本しかありません。

こうした彼らの後肢に見られる特徴は、まさに進化の賜物です。

彼らの生息環境である砂丘などの環境では餌が沢山あるわけではありません。

そのため、餌を十分に得るには広い範囲を行動する必要があります。

このような環境で生き抜いていくためには、彼らの特殊な足が必要だったのです。

実際、彼らはこの足を使って巣から数㎞離れたところでも採餌をするという、小さい齧歯類の体からは考えられない広範囲を日常的に移動していることで知られています。



ちなみに、このような足の進化はウマでも見られます。

最初のウマとして知られるエオヒップス(ヒラコテリウム)は、4本の指(すでに5本から1本減っていた)を持つキツネ程度の大きさの動物だったとされていますが、現在のウマはその指を1本にまで減らし、足を長くすることで動物界でも類まれなる脚力を手に入れています。

また、同じ齧歯類にも彼らと同じような姿をするに至った動物がいます。

北米に生息するその名もカンガルーネズミはトビネズミとよく似ています。

ただ、カンガルーネズミがビーバー形亜目なのに対し、トビネズミはネズミ形亜目。

つまり同じ齧歯類と言えど、彼らは分類上離れているのです。

遺伝的に近くない動物たちが同じような進化をするというのは非常に興味深いですね。

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ヒメミユビトビネズミ
Photo credit: Broobas

ヒメミユビトビネズミの生態

生息地

標高1,500mまでの砂や石が広がる砂漠や半砂漠に生息します。

通常、近くに植生がある環境で暮らします。

形態

体長は9.5~11㎝、体重は43~73g、尾長は12.8~20㎝、後肢は5~7.5㎝で、メスの方がオスよりも大きくなります。

3月から7月にかけて換毛します。

食性

根や草、種子、昆虫などを食べます。

特に水分量が多い餌を選んで食べます。

捕食者にはオグロスナギツネなどのキツネ類やイタチ類、猛禽類、ヘビ類が知られています。

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行動・社会

夜行性で単独性のヒメミユビトビネズミは、巣を中心として生活します。

巣は植物の根元あたりにいくつか出入り口を持ちます。

深さは1~2mにもなり、最下層に休息する部屋があります。

彼らはあまり鳴きませんが、捕食者の存在は主に耳で感知しているとされています。

このほかにおいがコミュニケーション手段となっているようです。

繁殖

繁殖期は8月~9月、10月~12月で、メスは年に2~3回出産します。

妊娠期間は約25日で、一度に通常3~4匹の赤ちゃんが生まれます。

赤ちゃんは体長2.5㎝、体重2g、尾長1.6㎝で目や耳は閉じた状態で生まれます。

生後6週には離乳し、生後8~10週で独立、生後8~12ヵ月で性成熟に達します。

寿命は野生で2~4年、飼育下では最長6年です。

人間とヒメミユビトビネズミ

絶滅リスク・保全

分布域が広いヒメミユビトビネズミは、その個体数の詳細は知られていませんが、現在のところ絶滅の心配はないとされています。

IUCNのレッドリストでは軽度懸念の評価です。

ヨルダンやシリアでは鷹狩りの餌として狩られたり、食用として狩られたりしていますが、個体数に与える影響は大きくないとされています。

 Jaculus jaculus | The IUCN Red List of Threatened Species

動物園

日本でヒメミユビトビネズミを見ることはできません。

トビネズミ科
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