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チャクマヒヒ

2026 5/15
オナガザル科
2026年5月15日
灰色の毛並みのチャクマヒヒの横顔
©2006 Graham: clipped from the original
目次

チャクマヒヒの基本情報

英名:Chacma Baboon
学名:Papio ursinus
分類:オナガザル科 ヒヒ属
生息地:アンゴラ, ボツワナ, エスワティニ, レソト, モザンビーク, ナミビア, 南アフリカ共和国, ザンビア, ジンバブエ
保全状況:LC〈軽度懸念〉

路上で毛繕いするチャクマヒヒの家族
Photo credit: Bernard DUPONT

南限のサル

人間を除いて最も北に棲むサルは皆さんもご存知かと思います。

そう、ニホンザルです。

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しかし、最も南に棲むサルはご存知でしょうか。

実はこのチャクマヒヒとベルベットモンキーが、そのサルになります。

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南アフリカの喜望峰がサルの南限で、南緯34度になります。

アフリカ南部にはサバンナや乾燥林が広がりますが、チャクマヒヒはそういった環境にも適応しています。

しかし、特にサバンナにはライオンやヒョウなどの大型肉食獣も生息しています。

チャクマヒヒは、これら捕食者に対し、集団で対抗します。

チャクマヒヒはサルの中でも大きく、オスの犬歯は大きく鋭いです。

いくら大きな捕食者と言えど、チャクマヒヒの集団は中々襲えないようです。

下の動画では、チャクマヒヒたちがチーターを追い払う様子を見ることができます。

けっこう怖いです。

とはいえ、捕食者にとってチャクマヒヒは重要な食料です。

特にメスや子供が狙って襲われるようです。

https://www.youtube.com/watch?v=zEMrX2vzkj8

天才ジャック

チャクマヒヒは、道具使用も確認されるほど非常に賢い動物です。

それを最も示しているエピソードがチャクマヒヒのジャックのお話です。

10年間、南アフリカの鉄道会社(the Cape Government Railways)で働いていたジェームズは、よく走る電車に飛び乗ったり飛び降りたりしていました。

しかし、ある時それに失敗し、両足を失ってしまいます。

それでもジェームズは会社で働くことを望み、駅(the Uitenhage station)の信号手として勤めることを許されます。

信号手の仕事は座ってもできる仕事でしたが、運転手に鍵を渡すときには立ち上がらなければなりませんでした。

また、駅から家までの道のりも移動しなければなりません。

移動にトロリーを使ってもなおジェームズには辛いものがありました。

そんなある日、駅の地元の市場である動物が荷車を引いているのを目撃します。

この動物こそがチャクマヒヒのジャックでした。

ジェームズはさっそくジャックを主人から買い取り、自分の助手とすることにしました。

ジャックは非常に賢いサルでした。手始めに教えられたトロリーの押し方、引き方はもちろん、レールから外したり戻したりすることもすぐに覚えました。

またある日には、さらに驚くべきことが起きます。

運転手はジェームズから鍵をもらうために4度笛を吹くのですが、なんとジャックがジェームズより先に鍵を掴んで運転手に渡したのです。

これ以降、ジャックはレバーを引くなど信号手のあらゆる仕事を覚えました。

また、信号手としての仕事以外にも、ごみの片づけや不法侵入の監視など駅全体の仕事にも関わりました。

この結果、ジャックは会社から正社員として認められることとなり、日に20セントと配給、そして土曜日には瓶半分のビールがジャックに与えられました。

酒はジェームズのもとに来る前から飲んでいたようで、ジャックはビールを幸せそうに飲んでいたと言います。

こうして9年間、信号手として立派に勤め上げたジャックは(一度もミスはなかったと言います)、残念ながら1890年に亡くなってしまいました。

チャクマヒヒのポテンシャル、おそるべしです。

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Not Found
駅員と信号を扱うチャクマヒヒの古写真

チャクマヒヒの生態

生息地

チャクマヒヒは、アフリカ南部のサバンナなどに生息します。

食性

昼行性で、果実や葉、昆虫、卵、花、種子など何でも食べる雑食性です。

形態

体長は0.5~1.2m、体重はオスが26~21㎏、メスが15㎏前後、しっぽの長さが60㎝前後で、オスの方が随分と大きくなります。

また、体格だけでなく犬歯もオスの方が大きく、鋭くなります。

行動

チャクマヒヒは、20~60頭から成る複雄複雌の群れを作りますが、単雄複雌の小さな集団(ワンメイルユニット)で行動する様子も観察されます。

また、この群れはオスが生まれた群れを離れる母系集団です。

オスには序列がありますが、アヌビスヒヒなどのようにオス同士が連合して優位のオスに対抗している可能性が指摘されています。

繁殖

繁殖に季節性は見られず、メスは発情時に性皮を腫脹させます。

メスは約半年の妊娠期間を終え、1匹の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは母親以外からのメスに世話されることもあるようです。

子供は3~5年で性成熟に達し、オスは大人になる前に群れを出ていきます。

性的休止期間は1.5~2年、寿命は飼育下で25~45年です。

大きな犬歯を見せるチャクマヒヒの頭骨
Photo credit: Klaus Rassinger and Gerhard Cammerer, Museum Wiesbaden

人間とチャクマヒヒ

絶滅リスク・保全

チャクマヒヒは現地で狩猟の対象となっているようですが、狩猟は個体数にはそれほど影響しておらず、絶滅の危機に関しても軽度懸念に留まっています。

 Chacma Baboon | The IUCN Red List of Threatened Species

動物園

そんなチャクマヒヒですが、残念ながら日本の動物園では見ることができません。

しかし、ここにも登場した近縁のアヌビスヒヒには、北海道の円山動物園、長野県の飯田市立動物園、静岡県の浜松市動物園、愛知県の日本モンキーセンター、広島県の安佐動物園で会うことができます。

似ていればいいやという方はこれらの動物園に足を運んでみてください。

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霊長目 直鼻亜目 真猿下目 狭鼻小目 オナガザル上科 オナガザル科 オナガザル亜科 ヒヒ族 ヒヒ属 軽度懸念 アフリカ アンゴラ エスワティニ ザンビア ジンバブエ ナミビア ボツワナ 南アフリカ共和国 モザンビーク レソト
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