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ヨーロッパケナガイタチ

2026 5/15
イタチ科
2026年5月15日
白い顔模様のヨーロッパケナガイタチ
©2011 Peter Trimming: clipped from the original
目次

ヨーロッパケナガイタチの基本情報

英名:European Polecat
学名:Mustela putorius
分類:イタチ科 イタチ属
生息地:アルバニア、アンドラ、オーストリア、ベラルーシ、ベルギー、ボスニアヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、モルドバ、モンテネグロ、オランダ、北マケドニア、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、セルビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、ウクライナ、イギリス
保全状況:LC〈軽度懸念〉

草地で見つめる黒褐色のヨーロッパケナガイタチ
Photo credit: Peter Trimming

フェレット

日本でもペットとして飼われているのをたまに見かける、イタチのような細長い動物、フェレット。

実は、このフェレットはヨーロッパケナガイタチを家畜化したものです。

ヨーロッパケナガイタチの亜種とされることもあり、その場合、学名はMustela putorius furoとなります。

ヨーロッパケナガイタチが家畜化されたのは少なくとも2000年以上前で、紀元前450年、アリストファネス(アテネの喜劇作家)が既にフェレットについて言及しています。

また、紀元前350年にはあのアリストテレスもフェレットについて触れています。

当初、フェレットは主に狩りに用いられていました。

ウサギやネズミなどの穴に入り、彼らに追いかけられて穴から出てきたところを猟師が捕獲するのです。

現在でもフェレットを狩りに用いるところもあるようですが、それよりもペットとして飼育するのが一般的になっています。

日本でも販売されており、価格帯は数万円から10万円以上と幅があります。

どうやら価格には毛色の珍しさなどが関係しているようです。

そんなフェレットと先祖であるヨーロッパケナガイタチにはどんな違いがあるのでしょう。

例えば、フェレットの方が脳が小さく、動くのが遅いです。

また、ケナガイタチよりも繁殖力が強く、1年に2度以上出産することもあります。

更に、フェレットはしっぽの付け根にある1対の肛門腺を使用することがほとんどありません。

もっとも、販売されているフェレットの多くは去勢され、さらに強烈なにおいを放つ肛門腺は除去されていることが多いです。

黄背景に立つ家畜フェレットの全身
フェレット photo credit: Alfredo Gutierrez

ヨーロッパケナガイタチの生態

生息地

ヨーロッパケナガイタチは、ロシア西部までのヨーロッパ一帯の森林や草原、湿地など、様々な環境に生息します。

食性

肉食の彼らは、主にウサギやネズミ、鳥類を食べ、他にもカエルやヘビ、昆虫、果実を食べることもあります。

下の動画では水際でヘビを狩ろうとする姿を見ることができます。

形態

体長は29~46㎝、体重はオスが1~1.5㎏、メスが0.6~0.9㎏、しっぽの長さは約15㎝でオスの方が大きくなります。

毛色は季節によって変わり、冬は黒っぽく、夏はクリーム色になります。

顔のマスク模様は1年を通して見られます。

行動

ヨーロッパケナガイタチは主に夜行性で、単独性です。

100haほどの行動圏を持ち、その中にある、ヨーロッパアナグマやアカギツネなどが掘った複数の巣穴を利用します。

行動圏はメスよりもオスの方が広く、同性間での重複も見られます。

また、他のイタチの仲間と比べると、定住性が高いようです。

ヨーロッパケナガイタチは視力が弱いですが、聴覚と嗅覚が発達しています。

そのため、コミュニケーションには音声(他のイタチのなかまと同様静かではある)や臭腺からでるにおいが用いられます。

繁殖

繁殖には季節性が見られ、メスは冬の暮れに発情します。

オスもメスも複数の相手と交尾し、交尾は約1時間続きます。

妊娠期間は40~43日で、5月~6月にかけて、3~10匹、通常約7匹の赤ちゃんが産まれます。

赤ちゃんの体長は約6㎝、体重は約10gで、目は見えず耳も聞こえません。

育児はもっぱら母親の役目です。

離乳は3週齢ごろから始まり、生後2~3カ月でオトナと同じ大きさになり、独り立ちします。

性成熟には生後半年~1年で達し、寿命は野生下でせいぜい10年、飼育下では14年の記録があります。

人間とヨーロッパケナガイタチ

絶滅リスク・保全

ヨーロッパケナガイタチは、生息地の破壊や病気、エサの減少(特に地中海沿岸におけるウサギの減少)、交通事故、アライグマやアメリカミンク、マルテンなどの外来種との競争といった脅威にさらされています。

また、彼らは農夫などから家禽を襲う害獣と見なされることもあり、狩りの対象となっています。

一方、毛皮目的の狩猟は、彼らの毛皮の値段がアメリカミンクの半分以下、マルテンの20%以下と低いため、それほど激しくありません。

このような脅威にさらされつつも、個体数は多く、絶滅の危機もありません。

レッドリストでも軽度懸念に分類されています。

かつて、イギリスのスコットランドやイングランドの大部分では絶滅状態にありましたが、脅威が小さくなったことから今では再び侵入しています。

 European Polecat | The IUCN Red List of Threatened Species

動物園

そんなヨーロッパケナガイタチですが、残念ながら日本では見ることができません。

ですが、先ほども出てきた家畜化されたヨーロッパケナガイタチ、つまりフェレットには栃木県の宇都宮動物園などで会うことができます。

もしくは、お近くのペットショップでもお目にかかることができるかもしれませんね。

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