ショウハナジログエノンの基本情報
英名:Lesser Spot Nosed Monkey (Spot-nosed Monkey)
学名:Cercopithecus petaurista
分類:オナガザル科 オナガザル属
生息地:コートジボワール, ガーナ, ギニア, リベリア, シエラレオネ, トーゴ
保全状況:LC〈軽度懸念〉
ハートでコミュニケーション
このサルの特徴はなんと言っても鼻に付いている白いハートマーク。
ハートが顔にあるだけで、これほどまでかわいくなるのですね。
かわいらしいこの顔とハートは一度見たら忘れることができません。
ところで、なぜこのようなハートの形をしたマークが顔に付いているのでしょう。
ある研究者は、このハートマークを含めた顔がコミュニケーションに使われていることを明らかにしました。
上半身やハートのついた顔を独特なやり方で揺らすことで、ある種のシグナルを送っているというのです。
このようなコミュニケーションを、ヘッドフラッギング(head flagging)といいます。
これは頭を旗のように振るという意味です。
我々人間は旗を挙げたり下げたり降ったりすることで、遠くの相手とコミュニケーションできますが、このサルの場合、その旗の役割を顔面が担います。
このコミュニケーションは、ショウハナジログエノンだけでなく、似たような容貌をしているクチヒゲグエノンなどにも見られます。
ショウハナジログエノンの生態
生息地
ショウハナジログエノンは、西アフリカの大西洋沿岸に広く分布します。
食性
河辺林やプランテーションなどにも生息し、葉や果実、花、昆虫などを食べて暮らします。
行動
樹上性がとても高いこのサルは、10頭前後の小さな群れを作ります。
上記のように顔を使ったコミュニケーションをしますが、毛づくろいなど群れのきずなを深めるような社会的なコミュニケーションはあまり観察されていません。
ショウハナジログエノンの最も印象的な部分は、鼻の白いハートマークですが、これは子どもの頃からあります。
また、同じように鼻にハートマークをもつサルは実は他にもいます。
それがアカオザルです。
ぱっと見よく似ていますが、ひげやしっぽの色などを見てみると、違いがあることが分かります。
といってもどちらもかわいいことには間違いありません。
ハート効果おそるべしです。
人間とショウハナジログエノン
絶滅リスク・保全
ショウハナジログエノンがどれくらい生息しているのかは、あまりよくわかっていません。
広範囲に生息しているためか、絶滅の危機に関しては軽度懸念にとどまりますが、その査定は2008年が最後になっています。
最新の研究結果が待たれます。
動物園
そんなショウハナジログエノンですが、残念ながら日本で会うことはできません。
ただ、見た目の似たアカオザルや、クチヒゲグエノンには、愛知県の日本モンキーセンターで会うことができます。
そっちでもいっかという方は是非ハートマークを見に、こちらを訪れてみてください。