アレンモンキーの基本情報
英名:Allen’s Swamp Monkey
学名:Allenopithecus nigroviridis
分類:オナガザル科 アレンモンキー属
生息地:中央アフリカ共和国, コンゴ共和国, コンゴ民主共和国, カメルーン
保全状況:LC〈軽度懸念〉
スイマー
アレンモンキーはサルには珍しく、水を怖がりません。
怖がらないどころか、進んで水につかり、見事に泳ぎます。
身に危険が迫ると、水に潜って逃げることもあるようです。
下の動画では、アレンモンキーがプールに入る様子を見ることができます。
そんな水が大好きなアレンモンキーですが、他のオナガザルのなかまと比べると体ががっしりしており、手足も短いです。
また、面白いことに、指の間に水かき状の構造がわずかに見られます。
アレンモンキーの体のつくりは、水辺での暮らしに役立っているのかもしれません。
そんなサル界のスイマー・アレンモンキーは、沼沢林や浸水林に生息します。
泳げる場所が沢山ある森林は、アレンモンキーたちにとっては暮らしやすいでしょうが、人間にとっては足の踏み入れにくい領域です。
そのため、野生のアレンモンキーに関しては、分かっていないことがまだまだ沢山あるようです。
アレンモンキーの生態
生息地
アレンモンキーは、コンゴ民主共和国北西部、コンゴ共和国北東部の湿潤林に生息します。
食性
昼行性で、主に果実や無脊椎動物を食べます。
その他にも魚や種子、花や蜜などを食べるようです。
通常は樹上で暮らしますが、採食の時は地上に降りることもあります。
形態
体長は約45㎝、体重はオスが約6㎏、メスが約3.5㎏とオスの方が大きくなります。
しっぽは体長よりも長く、48㎝にもなります。
行動
アレンモンキーは、40頭までの複雄複雌の群れを作ると考えられています。
この群れは採食の時は小さな群れに分かれることもあるようです。
コミュニケーションには、他のオナガザル同様、音声やグルーミングなどが用いられます。
繁殖
繁殖に関しても分かっていないことが多いですが、アレンモンキーのメスは5~6カ月の妊娠期間を終え、1~2匹の赤ちゃんを産みます。
繁殖に季節性はなく、1年中赤ちゃんが生まれるようです。
赤ちゃんは3ヶ月ほどで離乳し、活発に動き始めます。
野生での寿命は約20年と言われており、飼育下では30年近く生きる個体もいるようです。
人間とアレンモンキー
絶滅リスク・保全
アレンモンキーの現在の個体数に関してはよく分かっていません。
ただ、絶滅の危機には瀕していないようで、レッドリストでは軽度懸念(LC)に留まっています。
個体数に影響する人間による行為には狩猟が挙げられますが、森林破壊に関しては確たる証拠はいまだないようです。
動物園
そんなアレンモンキーですが、日本の動物園ではお目にかかることができません。
サル界随一のスイマーに会えないとは残念です。