アルナーチャルマカク

アルナーチャルマカク
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アルナーチャルマカクの基本情報

アルナーチャルマカク


英名:Arunachal Macaque
学名:Macaca munzala
分類:オナガザル科 マカク属
生息地:インド
保全状況:EN〈絶滅危惧ⅠB類〉

アルナーチャルマカク

Photo credit: Padmalatha Ravi: clipped from the footage on YouTube

アルナーチャル

アルナーチャルマカクのアルナーチャルは、ヒマラヤ山脈東部に位置するインド北東部の州、アルナーチャル・プラデーシュ州に由来しています。

アルナーチャル・プラデーシュとは「太陽が昇る土地」の意で、実際、インドの最も東にあり、ブータンや中国、ミャンマーと接しています。

アルナーチャルマカク

Photo credit: Nichalp

 

アルナーチャル・プラデーシュ州はインドの中心地から遠く離れているため、文化も全く違います

ここにはいくつもの部族が生活しており、多くのインド人が信仰するヒンドゥー教も主流ではありません。

下の動画では、ここに住む人々の暮らしを見ることができるので、サルには関係ありませんが興味のある方はご覧ください。

 

アルナーチャル・プラデーシュ州は中国とインドの係争地でもあります。

中国はここ周辺を蔵南地区と呼んでいるようです。

現在はこの問題は棚上げされているようで、観光客も訪れることができるようになっています。

 

このように特殊な場所の名前を冠するアルナーチャルマカクですが、彼らが新種として登録されたのは21世紀に入ってからです

そのため、彼らの生態については分かっていないことがほとんどです。

ちなみに、種小名の“munzala”は、チベット仏教を信仰するモンパ族の言葉で「深い森のサル」という意味らしいです。

アルナーチャルマカクの生態

アルナーチャルマカクは、ヒマラヤ山脈東部の標高2000~3500mの森林に生息します。

地上性が強く、人間が住むところにも現れるようです。

 

昼行性で、樹皮などを食べます。

 

体長は55㎝前後、体重はオスが15㎏、しっぽの長さは25㎝前後で、他のマカク同様、メスの方が小さいと思われます。

 

アルナーチャルマカクは、5~60頭から成る複雄複雌の群れを作ります。

この群れには序列がありますが、比較的に平和なようです。

群れは広い行動域を持ち、エサを探して日々歩き回ります。

しかし、冬のえさが少ない時期になると、エネルギーの節約のために動く範囲も狭まります。

 

繁殖に関しても、ほとんど分かっていませんが、他のマカクから推測して考えられます。

メスは、150~190日の妊娠期間の後、通常1匹の赤ちゃんを産みます。

そして次また妊娠できるようになるには、約2年必要だと言われています。

赤ちゃんは基本的に母親によって育てられますが、他のメスから世話される可能性も指摘されています。

アルナーチャルマカクに会える動物園

アルナーチャルマカクは、畑荒らしのために現地の人から殺されることがあるようです。

しかし、現地の人たちはこのサルを食べるわけではありません。

その一方、現地の人以外による肉目的の狩猟も行われているようです。

これらの影響で、彼らは数を減らし続け、レッドリストでは絶滅危惧ⅠB類に指定されています。

未だ研究は進んでいないものの、現段階での生存数は数百頭と言われています。

 

そんなアルナーチャルマカクには、残念ながら日本では会うことができません

どうしても会いたいという方は、是非現地を訪れてみてください。

観光も楽しめるはずです。

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