アザラヨザルの基本情報
英名:Azara’s Night Monkey
学名:Aotus azarae
分類:オマキザル科 ヨザル属
生息地:アルゼンチン, ボリビア, ブラジル, パラグアイ, ペルー
保全状況:LC〈軽度懸念〉
薄暮性のサル
ヨザルのなかまは、真猿類(真猿下目に分類されるサル)では唯一の夜行性のサルです。
このサルが夜に活動するということは、英名の“Night Monkey”、和名のヨザル(夜猿)を見ても分かります。
しかしこのヨザルは、アイアイやガラゴ、ロリスなど夜行性の原猿とは違い、タペータムを持ちません。
その代わりに、メガネザルのように大きな目を持っています。
この大きな目によって、暗闇の中でも動き回ることができているのです。
夜に適応したヨザルですが、その中でもこのアザラヨザルは日中にも活動することが知られています。
アザラヨザルは夕暮れ時に目を覚まし、活動を開始します。
夜冷える季節になると、この生活は顕著になります。
もちろん、他のヨザルのように夜も活動します。
特に明かりのある満月の夜には最も活発に動くようです。
しかし、全く明かりがない時は活動の一部を日中に行います。
つまり、アザラヨザルは夜行性であるが、薄暮性でもあるサルだと言えるでしょう。
アザラヨザルの生態
生息地
アザラヨザルは、南米のアマゾン川流域にある標高2,000mまでの熱帯雨林や浸水林などに生息します。
食性
主に果実を食べ、その他にも昆虫や花蜜、種子などを食べます。
形態
体長は24~37㎝、体重は0.6~1㎏、しっぽの長さは30~40㎝で、体格において性差はありません。
ヨザルのあごの下あたりには喉袋があります。これによりヨザルは声をより響かせることができます。
行動
アザラヨザルは、1対のオスとメス、そしてその子供から成る2~5匹ほどの小さな群れを作ります。
子供は成長したら群れを離れ、しばらくは単独で生活することになります。
そして伴侶を見つければ、その相手と一生を過ごします。
ヨザルは、父親が育児に積極的です。
生後2週目から、父親は子供を運ぶようになり、3週目からは父親が必ず子供を股間や背中にしがみつかせます。
そうして育った赤ちゃんは5~12カ月で離乳し、2年で性的に成熟します。
人間とアザラヨザル
絶滅リスク・保全
アザラヨザルは、農地開拓のための森林破壊などの影響を受け、個体数を減らしています。
しかし、絶滅が危惧されるほどではなく、レッドリストでは軽度懸念の種と評価されています。
動物園
そんなアザラヨザルですが、日本で会えるかについてはよく分かりません。
というのも、現在10種類以上いると言われているヨザルは、かつてヨザルという1種にまとめられていました。
そのため、ほとんどの動物園がヨザルとしか表記していないのです。
そのため、ここではヨザルと表記されたサルを飼育する動物園を紹介します。
ヨザルは、岩手県の岩手サファリパーク、東京都の上野動物園、神奈川県横浜市の野毛山動物園、静岡県の伊豆シャボテン動物公園、愛知県の東山動物園、日本モンキーセンター、和歌山県の和歌山城公園動物園で飼育されています。
機会がある方は是非訪れてみてください。