ヒゲサキの基本情報
英名:Bearded Saki
学名:Chiropotes chiropotes
分類:サキ科 ヒゲサキ属
生息地:ブラジル, フランス領ギアナ, ガイアナ, スリナム, ベネズエラ
保全状況:LC〈軽度懸念〉
ヒゲと謎に包まれたサル
ヒゲサキの特徴はなんと言ってもそのヒゲ。
名前に付けられるほど立派なヒゲを蓄えています。
このひげはオスだけでなく、メスにもあります。
そして頭も特徴的です。
頭はお尻のように割れていて癖のある顔を作り出しています。
もさもさしたヒゲに包まれたヒゲサキですが、謎にも包まれています。
繁殖や個体数、子育てなどよく分かっていないことも多く「南米で最も謎多きサル」と言われることもあります。
そんなヒゲサキのよく分かっていない習性について、その学名は示唆的です。
学名を構成する二つの単語、属名と種小名にはどちらも“chiropotes”という言葉が使われています。
これは、ギリシア語で手を意味する“kheir”と飲み物を意味する“potes”が組み合わさってできた単語です。
ヒゲサキが水を飲むときに、手を水の中に浸すことからこの名前が付けられたそうです。
動物を楽しむとき、名前や学名に注目してみるのも面白いかもしれません。
ヒゲサキの生態
生息地
ヒゲサキは、ブラジル、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、フランス領ギアナにかけて、熱帯湿潤林などに生息します。
食性
種子を好み、硬いからでもかみ砕いてむしゃむしゃ食べます。
種子以外にも、花や果実、昆虫などを食べます。
毛でびっしり覆われた体は茶色をしており、性器はピンク色です。
形態
体長は約40㎝、体重は約3㎏で、体長と同じくらい長くて大きなしっぽを持ちます。
このしっぽには把握性がありません。
つまり、ものをつかめないのですが、赤ちゃんの時のしっぽにはこの把握性があります。
人間の赤ちゃんも、生まれたばかりの時はものすごい握力を持っていますが、あれと似ているのかもしれません。
行動
ヒゲサキは複雄複雌の群れを作り、その数は30-40頭になることもあるようです。
また、南米に住む他のオマキザルのなかまと混群を作ることがあります。
人間とヒゲサキ
絶滅リスク・保全
ヒゲサキは、絶滅の危機に関しては軽度懸念とされていますが、生息地の減少や狩猟などによる個体数の減少が心配されます。
動物園
そんなヒゲサキですが、日本の動物園でも会うことができます。
愛知県の日本モンキーセンターと、静岡県の日本平動物園が、ヒゲサキを飼育しています。
サル界一のヒゲを持つヒゲサキを一目見たい方、飼育する動物園は少ないですが、是非足を運んでみてください。