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コロンビアクロクモザル

2026 5/07
オマキザル科
2026年5月7日
黒い顔で見つめるコロンビアクロクモザル
©2008 frank wouters: clipped from the original
目次

コロンビアクロクモザルの基本情報

英名:Brown-headed Spider Monkey
学名:Ateles fusciceps
分類:クモザル科 クモザル属
生息地:コロンビア, エクアドル, パナマ
保全状況:CR〈絶滅危惧ⅠA類〉

コロンビアクロクモザル
Photo credit: Patrick Muller

森の管理人

コロンビアクロクモザルは、南米の熱帯雨林に暮らす新世界ザルです。

彼らは果実を好み、摂取するものの8割以上を熟した果実が占めます。

残りの2割は若葉や花などが占めますが、これらは果実の少ない乾季に食べるものなので、このサルは完全な果実食と言えそうです。

そんな彼らは森を維持する管理人としての役割を果たしています。

これはつまり、種子の散布者であるということです。

木は繁殖のために種子を作ります。

しかし種子を作ってもそれが自分の足元に落ちるようでは成長する見込みがありません。

そのため誰かに運んでもらう必要があります。

そこで木は種子の周りに甘い果肉をつけ、生き物を引き寄せます。

そうして甘い果実に魅せられた生き物の一つがこのコロンビアクロクモザルです。

彼らは多くの種子を消化せずそのまま排出します。

排出する場所はその種子を含む果実を食べた場所とは異なるので、種子を遠くに運んでほしい木の戦略は成功です。

ある研究では、コロンビアクロクモザルは少なくとも130種以上の植物の種子を散布していることが分かっています。

このサルは森の維持にとっては欠かせない生き物なのです。

コロンビアクロクモザル
Photo credit: Petruss

コロンビアクロクモザルの生態

生息地

コロンビアクロクモザルは、コロンビア、パナマ、エクアドルの熱帯雨林に生息します。

昼行性で、樹冠部分を好みます。

彼らの体は樹上移動に適しており、しっぽは長く把握力があります。

しっぽの先には毛がなく尾紋があり、これがグリップ力を高めています。

また、親指はほとんど存在せず、これも手をフックのようにして枝に引っ掛けて移動するのに役立っています。

ちなみに属名の“Ateles”はギリシャ語で「不完全な」を意味しており、これはほとんどない親指のことを表しています。

形態

体長は40~55㎝、体重は約9㎏、しっぽの長さは70~85㎝にもなります。

行動

コロンビアクロクモザルは、20~30頭から成る複雄複雌の群れを作ります。

しかし、群れで過ごすことは少なく、普段は数匹程度の小さい群れで行動します。

これは葉ほど密集していない果実を食べる彼らなりの戦略だと考えられます。

繁殖

コロンビアクロクモザルに関しては分かっていないことが多いですが、繁殖には季節性があると考えられています。

メスの月経周期は約26日で、2~3日の間で交尾をします。

そして7~8カ月もの長い妊娠期間を終えて1匹の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは約20カ月で離乳し、4~5年で性成熟に達します。

そして成熟しきる前に、メスは生まれた群れを離れます。

コロンビアクロクモザルの寿命は約20年と言われています。

人間とコロンビアクロクモザル

絶滅リスク・保全

コロンビアクロクモザルは、森林の縮小、分断や狩猟などの影響で個体数を減らし続けています。

レッドリストでは絶滅危惧ⅠA類に指定され、絶滅に極めて近い種とされています。

 Brown-headed Spider Monkey | The IUCN Red List of Threatened Species

動物園

そんなコロンビアクロクモザルですが、残念ながら日本の動物園では会うことができません。

そんなことより、森の管理人としての彼らがこれ以上少なくならないことを祈るばかりです。

彼らの生死は森の生死、地球の生死に関わっているのですから。

オマキザル科
霊長目 直鼻亜目 真猿下目 広鼻小目 オマキザル上科 クモザル科 クモザル亜科 クモザル属 絶滅危惧ⅠA類 南米 エクアドル コロンビア パナマ
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