ドウイロティティの基本情報
英名:Coppery Titi (Coppery Titi Monkey)
学名:Callicebus cupreus (Plecturocebus cupreus)
分類:サキ科 ティティ属
生息地:ブラジル, ペルー
保全状況:LC〈軽度懸念〉
天気のサル
ドウイロティティはペア型(オスとメス1匹ずつ、一夫一妻)のサルです。
基本的にはこのペアとその子供から成る、多くて5匹ほどの非常に小さな群れで暮らします。
そんなドウイロティティの面白い特徴として、デュエットをすることが挙げられます。
オスとメスは明け方、まるでデュエットをしているかのように歌うのです。
歌は自分たちのなわばりの境界線付近で歌われ、そのなわばりを他の群れにアピールするために歌われます。
このデュエットは5分ほど続き、周りにいる群れが反応することもあるようです。
デュエットは、2匹が出会ったその日から行われます。
人間がそうであるように、このサルのデュエットもはじめのうちは探り探りで行われ、使われる音や歌の時間などにはばらつきがあるようです。
そして、面白いことにこのデュエットは天気によって左右されます。
どういうことかというと、曇りの日は晴れの日よりもデュエットに気合が入ります。
そして、雨の日にはこのデュエットは行われません。
なぜこのようにデュエットが天気に左右されるのかは分かりませんが、ドウイロティティも雨の日には何もしたくないのだなということは皆さんが思う所なのではないでしょうか。
ドウイロティティの生態
生息地
ドウイロティティは、ブラジルとペルーの熱帯雨林に生息します。
樹上性が高く、ほとんど地上には降りてきません。
食性
昼行性のこのサルのえさは、7割以上を果実が占めます。
そのほかには葉や花、昆虫なども食べます。
形態
体長は35㎝前後、体重は約1キロと比較的小さいサルになります。
1年に1度、11-5月の間に1匹の赤ちゃんを産みます。
そして赤ちゃんの運搬はパパが担います。
下の動画には赤ちゃんの姿が出てくるので、ぜひ癒されてください。
行動
前述のように小さな群れを作るドウイロティティは、グルーミングやしっぽを絡ませ合うなどして、互いのきずなを深めます。
匂いによるコミュニケーションも重要です。
初めて見る個体に遭遇すると、互いの顔を嗅ぎ合います。
また交尾の前には、オスは相手の陰部を嗅ぎます。
一方、自分から匂いを出すこともします。
このサルは胸のあたりに臭腺を持っており、それを枝にこすりつけることでなわばりをマーキングするのです。
人間とドウイロティティ
絶滅リスク・保全
ドウイロティティは、絶滅の危機に関しては軽度懸念とされていますが、個体数についてはよく分かっておらず、最新の研究が俟たれます。
動物園
そんなドウイロティティですが、日本では会うことができません。かれらのデュエットを聞いてみたいのに、とても残念です。