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『ヒト 異端のサルの1億年』

ヒト―異端のサルの1億年 (中公新書) 新書 – 2016/8/18 島 泰三 (著)
目次

書籍情報

書名:ヒト 異端のサルの1億年
著者:島泰三
発行年:2016
価格:920円(+税)
ページ数:290ページ

■目次
第1章 起源はレムリア
第2章 歌うオランウータン
第3章 笑うゴリラ
第4章 類人猿第三世代のチンパンジーとアルディピテクス
第5章 類人猿第四世代、鮮新世のアウストラロピテクス
第6章 ホモ・エレクトゥスとハンドアックスの謎
第7章 格闘者ネアンデルタール
第8章 ホモ・サピエンスの起源
第9章 最後の漁撈採集民、日本人
終章  ほほえみの力

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ヒトというサルの歴史

本書は、ヒトを1種の大型類人猿と捉え、その歴史を素直にたどっていきます。

目次を見ると、20万年前に誕生した我々ホモ・サピエンスに至るまで、なんと7章も使われています。

これはサルの歴史を考えるとむしろ少ないくらいかもしれませんが、それでも目次を見るだけで我々現代人の背後にある時間と空間の広がりを感じます。

第1章では霊長類の起源について論じられます。

霊長類は一体いつ、どこで生まれたのでしょうか。

また、この章ではマダガスカルになぜこれほどまで多様な原猿が生息しているのかについても検討されます。

そして第2章より、2000万年の大型類人猿の歴史に突入していきます。

本書では現生するオランウータンやゴリラなど大型類人猿の観察を通してもその歴史が語られます。

ちなみに、本書の著者は、かつて『親指はなぜ太いのか』という主食がサルの手と口の形を決定しているという内容の本を出版しています

この本は本書ともリンクしているので是非事前に呼んでいただきたいのですが、この本の中でオランウータンについては主食のデータ不足であまり触れられていませんでした。

しかし著者はその後、実際にオランウータンに会うことでそのデータを得、本章においてオランウータンを通して類人猿の歴史を追うだけでなく、『親指はなぜ太いのか』で唱えられる主張を強化しています。

第8章では、いよいよ我々ホモ・サピエンスにスポットライトが当たります。

ホモ・サピエンスはそれまでの類人猿の中でも異様な特徴を持ちます。

毛がなく裸である、大きな脳容量、華奢な骨格。

このような例外的な類人猿がいつどこで生まれ、どうやって生き延びてきたのか。

私たちのことだけに興味が尽きません。

第9章では、さらに焦点が絞られ、まさに私たち日本人について語られます。

もちろん日本人に関する話は面白いのですが、ここでは言語について面白い見解に触れることができます。

著者は、言語の発達は○○の存在があったからと言います。

この○○には我々に非常に近い動物が入るのですが、なんだと思いますか?

そしてなぜこの動物が人間の言語の発達に関係あると思いますか?

少しでも気になった方は是非本書を読んで確認してみてください。

ヒトというサルの壮大な物語。

本書はあなたにとって、その長い長い物語を知るための入り口になってくれることでしょう。

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