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ニホンリス

2026 5/01
リス科
2026年5月1日
ニホンリス
©2016 Ken Ishigaki : clipped from the original
目次

ニホンリスの基本情報

英名:Japanese Squirrel
学名:Sciurus lis
分類:齧歯目 リス型亜目 リス科 リス属
生息地:日本
保全状況:LC〈軽度懸念〉

ニホンリス
Photo credit: Ken Ishigaki

参考文献

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貯食と種子散布

リス科は現在300種ほどが知られていますが、樹上で生活する樹上性リス、地上で生活する地上性リス、滑空する滑空性リスに大きく分けることができます。

我が国日本には、外来種を除いても、すべてのグループのリスが生息しています。

滑空性リスで言うと、タイリクモモンガの亜種エゾモモンガ、ニホンモモンガ、ムササビ、地上性リスではシマリスの亜種エゾシマリス、そして地上性リスである、キタリスの亜種エゾリス、ニホンリスです。


ニホンリスは、ニホンモモンガ、ムササビと並び日本の固有種で、本州と四国に生息します。

九州には不在ですが、ニホンリスが九州にいたのかどうかは、未だ明確な証拠が出てきておらず、わかっていません。

ニホンリスはキタリスから分岐したとされ、遺伝子分析によるとそれは520万~400万年前のこととされています。両種とも染色体数は2n=40と同数です。


さて、リスと言えばドングリのイメージがありますが、実はニホンリス、ドングリはそれほど食べません。

なぜなら、ドングリとはブナ科の果実のことですが、日本のコナラやミズナラ、カシ類のドングリは非常に渋いからです。

植物は自分の子供であるドングリが動物に食べられることは避けたいので、タンニンという物質によってドングリを渋くしています。

タンニンはタンパク質と結合する性質をもっているため、過剰に摂取すると消化管や臓器に損傷を受けます。

これに加え、日本のドングリは脂質やタンパク質含有量がそれほど多くありません。

タンニン含有量が高く、エネルギーが小さい。

エサとしてはそれほど魅力がないため、イメージに反し、リスはドングリを好んで食べないのです。


それでは彼らは何を食べているか。

ニホンリスはクルミとマツを主食としています。

クルミ科のオニグルミは彼らの大好物です。

硬い殻を縫合線に沿ってかじり、てこの原理を使って真っ二つに割って中身を食べます。

このようにクルミを真っ二つにできるのはリス属では彼らとキタリスだけです。

また、針葉樹の球果であるマツボックリも大好きです。

マツボックリの鱗片を一枚ずつはがし、中に含まれる小さい種子を食べるため、食べ残しはその形からエビフライと呼ばれます。

ちなみに、針葉樹もマツボックリを動物に食べられないよう、ヤニの粘着やテルペン類のにおいという防御手段を持っています。

しかし、ニホンリスはこうした針葉樹の防御手段に対して耐性があるらしいことがわかっています。


ところで、ニホンリスは、こうしたエサを木の又や地中に隠すことが知られています。

これは貯食と言い、冬眠をしない彼らが冬を越すための重要な習性として知られています。

中でもオニグルミは硬い殻を持つため、他の動物に食べられる危険性があまりありません。

また時間がたっても腐らないため、貯食にはもってこいのエサです。

ニホンリスは、大きなオニグルミを貯食する傾向にあるようです。

ニホンリスは冬になるとこうして隠しておいたエサを見つけて食べますが、当然忘れてしまうこともあります。

こうして放置された種子からは芽が出て、いずれ大木に成長するものも出てくるでしょう。

ニホンリスは、森林にとって種子を散布してくれる種子散布者として、生態系の中で重要な役割を果たしています。

発芽したオニグルミ
発芽したオニグルミ | Photo credit: Aomorikuma

ニホンリスの生態

生息地

ニホンリスは、日本の本州と四国に生息します。

低地から亜高山地帯まで、混交林やマツ林などの森林に生息します。

樹高5m以下の林や疎林は避ける傾向にあります。

形態

体長は16~22㎝、体重は250~310g、尾長は13~17㎝で、体サイズに性差はありません。

目の周りの白い毛や白い腹部が特徴的で、背中は夏には赤みがかり、冬には褐色になります。

キタリスほどではありませんが、冬には耳に房毛が生えます。

他のリス同様、犬歯はなく、前肢には5本、後肢には4本ずつの指が生えています。

ニホンリス
Photo credit: super overdrive

食性

クルミやマツなどの種子を主食としますが、そのほかには花や果実、新芽、昆虫、鳥類の卵、キノコ類も食べます。

捕食者にはイタチ科のテンやキツネの他、カラス、タカ、フクロウなどの鳥類が知られています。

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行動・社会

昼行性で薄明薄暮時に最も活発になります。

単独性ですが、特に冬には巣で複数みられることもあります。

オスは3~25ha、メスは1~17haという大きな行動圏を持ち、オス同士、異性同士で重複します。

繁殖期になるとオスは行動圏を拡大し、重複したメスを追いかけ交尾を迫ります。

樹上に球状の巣を作ったり、木の洞に巣を作ったりします。

6月から9月にかけては、寄生虫を避けるために頻繁に巣を替えます。

繁殖

繁殖は2月ごろから始まり、3月から5月にかけて出産が見られます。

メスは複数のオスに追いかけられ、複数のオスと交尾しますが、体の大きな優位なオスが交尾の大半を独占し、劣位のオスを追い払おうとします。

メスは39~40日の妊娠期間の後、2~6匹、通常は3~4匹の赤ちゃんを巣に産みます。

育児は母親によって行われ、子供は生後2.5カ月ほどで離乳します。

ニホンリス
Photo credit: temaki

人間とニホンリス

絶滅リスク・保全

日本に広く分布しているニホンリスは、今のところ絶滅は懸念されておらず、IUCNのレッドリストでは軽度懸念の評価です。

ただ、マツノザイセンチュウによる松枯れに伴う生息環境の減少は懸念事項で、クリハラリスやキタリスなどの外来種の存在の影響も憂慮されています。

 Japanese Squirrel | The IUCN Red List of Threatened Species

動物園

ニホンリスには、各地の動物園で見ることができます。

触れ合いができるところもあるようですので、ぜひ足を運んでみてください。

野生では捕獲が原則禁止されているため、遠くからそっと観察してください。

ニホンリス
Photo credit: Ken Ishigaki
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