ナンシーヨザル

ナンシーヨザル
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ナンシーヨザルの基本情報

ナンシーヨザル


英名:Nancy Ma’s Night Monkey
学名:Aotus nancymaae
分類:オマキザル科 ヨザル属
生息地:ブラジル, コロンビア, ペルー
保全状況:VU〈絶滅危惧Ⅱ類〉

ナンシーヨザル

Photo credit: MarSaCi

お父さんっ子

ヨザルは、真猿類で唯一の夜行性のサルです。

しかし、アイアイやロリスなど夜行性の原猿類とは違い、目にタペータムを持ちません。

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そのため、完全な夜行性ではなく、夕暮れや明け方にも活動します。

また、ヨザルはマラリアに感染しても発症しないというすごい特徴を持っています。

 

そんなヨザルの1種、ナンシーヨザルはお父さんっ子です

それは育児にお父さんがよく関わっているということでもあります。

当然、お乳をあげられるのはお母さんだけなので、育児にはお母さんも関わりますが、生後1週間を過ぎると、それ以外の世話はほとんど父親によって担われることになります。

また、子供が一人で行動できるようになるとお母さんとの関係は希薄になっていきますが、完全に独り立ちするまでお父さんとの関係はグルーミングなどを通して続くようです。

ヨザルはペア型の群れを作るので、群れに生まれる子供は皆お父さんの子供です。

だからこそお父さんは子供に十分な世話を与えますし、子供もお父さんとの関係が強いのです。

ナンシーヨザルの生態

ナンシーヨザルは、ペルーコロンビア南部ブラジル北西部熱帯雨林などに生息します。

 

夜行性、または薄暮性で、果実昆虫を食べます。

先述のようにヨザルはタペータムを持ちませんが、代わりに大きな目と発達した視神経を持っています。

体長は30㎝前後、体重は0.7~1㎏で、オスの方がやや大きくなります

 

ナンシーヨザルは、数頭から成るペア型の群れを作ります。

群れはそれぞれなわばりを持ち、音声やにおいでアピールします。

なわばりは特に果実のなる木で重複しますが、基本的に群れ同士は敵対的です。

 

ナンシーヨザルは1年中繁殖できるようですが、出産には12月から3月にかけての雨季にピークがあるようです。

メスは約130日の妊娠期間の後、1匹の赤ちゃんを産みます。

双子や三つ子が生まれることもありますが、非常に稀です。

1~3週で離乳し、3週も経てば一人で行動できるようになります。

群れには2歳まで留まり、群れを出た後、生後40カ月で性成熟に達します。

メスの性的休止期間は9~11カ月です。

ナンシーヨザルに会える動物園

ナンシーヨザルは、人間による生息地の破壊やペット目的の狩猟などのために個体数を減らし続けています

また、医学研究のための利用による影響も指摘されています。

レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、さらなる個体数の減少が懸念されています。

 

そんなナンシーヨザルですが、日本で会えるかについてはよく分かりません。

というのも、現在10種類以上いると言われているヨザルは、かつてヨザルという1種にまとめられていました

そのため、ほとんどの動物園がヨザルとしか表記していないのです。

そのため、ここではヨザルと表記されたサルを飼育する動物園を紹介します。

ヨザルは、岩手県の岩手サファリパーク、東京都の上野動物園、神奈川県横浜市の野毛山動物園、静岡県の伊豆シャボテン動物公園、愛知県の東山動物園日本モンキーセンター、和歌山県の和歌山城公園動物園で飼育されています。

 

機会がある方は是非訪れてみてください。

父子の仲の良さを観察できるかもしれません。

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