書籍情報
書名:新しい霊長類学 人を深く知るための100問100答
編著者:京都大学霊長類研究所
発行年:2009年
価格:1,180円(+税)
ページ数:362ページ
■目次
第1章 霊長類研究の夜明け
第2章 進化と形態について
第3章 生活と社会
第4章 人間との関わり
第5章 認知と思考
第6章 生理と病気
第7章 遺伝とゲノム
第8章 霊長類研究所
プロ集団が答えます!
本書は、霊長類(人間を含めたサルの仲間)に関する様々な疑問に、京都大学霊長類研究所の研究者たちが詳しく、分かりやすく答えたものです。
章は全部で8章、問いは合わせて100個あり、かなりのボリュームになっています。
質問はどれもユニークで面白いですが、今を生きる霊長類を知ることで人間とは何かを探求する霊長類学の本ということもあり、これらの質問には人間に繋がるものも少なくありません。
例えば、
「人類はどこで起源したの?」
「サルは文化を持っていますか?」
「サルは泣いたり笑ったりしますか?」
「サルもウソをつきますか?」などの質問は、
私たち人間について考える上でも重要な問いでしょう。
質問はこの他にも私たちの興味をそそるものばかりです。
「チンパンジーやヒトに尻尾がないのはなぜ?」
「ヒトの体には、なぜ毛が生えていない?」
「トイレの場所は決まっていますか?」
「サルは薬を使いますか?」
「サルの視力はどれくらいですか?」
「サルにはリズム感覚はありますか?」
「メタボのサルはいますか?」
「サルにも花粉症はあるの?」
「ヒトとチンパンジーの違いは何に由来するの?」
「サルの毛色の違いはどうして起きるの?」などなど、
皆さんもきっと知りたいことばかりなのではないでしょうか。
これらの質問に対しては、霊長類研究のプロたちが詳しく答えます。
解答は一問につき3~7ページにもわたり、写真や図も用いられるのでとても分かりやすいです。
文体もです・ます調で読みやすくなっています。
しかし、さすがはプロ、その内容はかなり濃く、専門用語もしばしば登場します。
もちろん専門用語はきちんと解説されるので、知らないまま読み進めるということはありません。
また、問いは相互に関連しているものの、独立しているのでどこから読んでも理解することができます。
あいた時間にちょこっとという読み方にも適していると思います。
本書を読むだけでも、霊長類に関してかなりのことを知ることができます。
皆さんも是非手に取って、読後には内容を友人に披露してみてください。