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ニルギリラングール

2026 5/13
オナガザル科
2026年5月13日
長い毛と黒い顔のニルギリラングール
©2019 UdayKiran28: clipped from the original
目次

ニルギリラングールの基本情報

英名:Nilgiri Langur
学名:Trachypithecus johnii
分類:オナガザル科 ラングール属
生息地:インド
保全状況:VU〈絶滅危惧Ⅱ類〉

樹枝で長尾を垂らす橙頭のニルギリラングール
Photo credit: Ashokkumar S T

前胃発酵動物

ニルギリラングールは、オナガザル科 コロブス亜科に分類されるサルです。

コロブス亜科のサルは、葉を主食としますが、葉に含まれるセルロースという食物繊維を分解するセルラーゼという酵素を彼らは持ちません。

そこで、彼らは胃を3つか4つにくびらせて、その前半の胃の胃酸を弱めて大量のバクテリアを共生させています。

このバクテリアが葉を発酵してくれることで、彼らは葉からエネルギーを得ることができているのです。

このように、コロブス亜科のサルは、葉の発酵を前胃で行っているため、前胃発酵動物と呼ばれています。

これに対し、葉を食物の一部としているサルや類人猿、人間は後腸で発酵を行うことから後腸発酵動物と呼ばれています。

他の動物の例を挙げると、前胃発酵動物にはウシやヒツジ、後腸発酵動物にはウマやウサギ、ゾウなどがいます。

ニルギリラングールは、当然葉を主食としていますが、好き嫌いもあるようです。

彼らは繊維とタンニンが少ない葉を選んで食べているという報告があります。

タンニンとはセルラーゼの働きを邪魔する消化阻害物質のことです。

いくら消化しにくいものを主食としていると言っても、その中でできるだけ消化しやすいものを選ぶのは当たり前ですかね。

葉間で食葉する橙頭のニルギリラングールの顔
Photo credit: Krisrajvi

ニルギリラングールの生態

生息地

ニルギリラングールは、インド南西部に位置する、標高2,500mまでの湿潤落葉林などに生息します。

食性

昼行性で、主に葉を食べます。

他には果実や種子、花、昆虫、土などを食べることもあるようです。

形態

体長はオスが約80㎝、メスが約60㎝、体重はオスが9~15㎏、メスが10~12㎏、しっぽは0.7~1mで、オスがメスの約1.2倍大きくなります。

行動

ニルギリラングールは、約15頭から成る単雄複雌の群れを基本的に作ります。

しかし、複雄複雌の群れや、オスだけの群れ、1匹で行動するオスも見られることがあります。

群れにはオス、メスそれぞれに序列があります。

序列はオス内でより重要ですが、競合はそれほど激しくないようです。

ニルギリラングールには、群れを乗っ取ったオスによる子殺しが観察されています。

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繁殖

ニルギリラングールの繁殖は1年中行われるようですが、食料の多寡に依存していると考えられています。

メスは、140~220日の妊娠期間を終え、1匹の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは約1歳で離乳し、3~5歳で性的に成熟します。

また、赤ちゃんは子供のいない群れの他のメスによっても世話されることがあるようです。

このようなメスは、最大3頭の母親の育児に関わることがあると言われています。

ニルギリラングールの飼育下での寿命は約30年です。

人間とニルギリラングール

絶滅リスク・保全

ニルギリラングールは、生息地の縮小や、肉、毛皮、薬目的の狩猟などにより、個体数を減らし続けています。

生存数は2万頭以下と推定されており、レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

 Nilgiri Langur | The IUCN Red List of Threatened Species

動物園

そんなニルギリラングールですが、日本の動物園では会うことができません。

葉っぱをもりもり食べているところを見たいのに、残念です。

オナガザル科
霊長目 直鼻亜目 真猿下目 狭鼻小目 オナガザル上科 オナガザル科 コロブス亜科 ラングール属 絶滅危惧Ⅱ類 アジア 南アジア インド
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