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カナダカワウソ

2026 5/16
イタチ科
2026年5月16日
水面で顔を出す濡れ毛のカナダカワウソ
©2019 USFWS Mountain-Prairie: clipped from the original
目次

カナダカワウソの基本情報

英名:North American River Otter
学名:Lontra canadensis
分類:食肉目 イタチ科 カナダカワウソ属
生息地:カナダ, アメリカ合衆国
保全状況:LC〈軽度懸念〉

カナダカワウソ 生息地マップ 在来個体群
水面で頭を出すカナダカワウソの3頭の家族
Photo credit: USFWS Mountain-Prairie

集団を作る

多くのイタチ科の動物は単独で行動しますが、カナダカワウソは群れを作ることもあります。

群れは母親とその子供で作られることが多く、そこに血縁関係のない成獣や亜成獣がヘルパーとしていることもあります。

他にも、オスとメスのペアやオスだけの群れなど群れにはいくつかバリエーションが見られます。

群れのメンバーは、一緒に移動し、一緒に狩りをします。

また、同じ巣穴を使い、排泄も同じところで行います。

こうした社会生活にはコミュニケーションが欠かせませんが、彼らはにおいや音声、グルーミングでコミュニケーションをとります。

カナダカワウソは他のイタチのなかまと同様、しっぽの付け根に臭腺を持っているので、そこから出る分泌物や糞尿を木などに付けることで、自分の情報を他個体に伝えます。

また、彼らはアラーム音や唸り声、シューという吠え声など様々な音声を持っており、これらもコミュニケーションに使われます。

さらに、特にコドモはレスリングをしたり雪の上を滑ったりとよく遊びます。

このような多用なコミュニケーション手段の他に、彼らの賢さも彼らの社会性を示しているかもしれません。

下の動画でも見ることができますが、お手をしたり物を取って来たりと、カナダカワウソは芸を覚えることができます。

集団で生活するには他者の発する情報を正しく理解する賢さが必要です。

人間もそうでしょうが、カナダカワウソの賢さも、集団生活の中で大いに育まれてきたに違いありません。

カナダカワウソの生態

生息地

カナダカワウソは、カナダとアメリカ合衆国の海岸や湖など、水辺とえさがある所に広く生息します。

ビーバーなど他の動物が掘った穴や、木の洞など自然にできた穴などを巣として使い、中でも子育て中の巣穴には、葉や苔などで敷き詰められたトンネルが繋ぐ水中の入り口があります。

行動圏はオスの方がメスよりも広く、また、オスの行動圏は複数のメスの行動圏と重複します。

カナダカワウソは夜行性ないし薄明性ですが、特に冬は日中に活動することもあります。

食性

食物の大半は魚で、その捕らえやすさから動きの遅い魚をよく食べます。

その他、哺乳類や鳥類、卵などを食べることもあります。

一方彼らを食べる捕食者には、ハイイロオオカミやコヨーテ、ボブキャットやワニなどがいます。

形態

体長は66~107㎝、肩高は25~30㎝、体重はオスが11㎏前後、メスが8㎏前後、しっぽの長さは30~50㎝で、性的二型が見られます。

カナダカワウソの体は水中生活に非常に適応しています。

びっしり生えた毛は油分が多く、上毛は長くてつややかです。

足には水かきがあり、体は流線形。この体で、彼らは最大時速11kmで泳ぐことができます。

また、最長8分まで潜っていることができ、水深20mまで潜ることができます。

ただ、浅い所で短時間の潜水が通常のようです。

繁殖

繁殖には季節性が見られ、11月~5月にかけて交尾が行われます。

妊娠期間は約2カ月ですが、赤ちゃんが産まれてくるのは交尾から約1年後です。

これは、受精から着床まで、少なくとも8カ月は受精卵が子宮内を浮遊しているからです。

これは遅延着床と呼ばれるもので、クマやカンガルー、コウモリなどにも見られます。

ちなみに、遅延着床は同じカワウソであるユーラシアカワウソには見られません。

分娩は3~8時間かけて行われ、2~3頭(最大6頭)の赤ちゃんが産まれます。

育児は巣穴で、もっぱら母親により行われます。

生まれたばかりの赤ちゃんは毛に覆われてはいるものの、目は見えません。

生後30~38日で目は見えるようになり、生後6~8週間で遊び始めます。

生後2カ月がたち、毛もしっかり生えてきたところで母親に泳ぎ方を教わるようになります。

生後9~10週で固形物を食べ始め生後12週で離乳します。

生後6~12カ月で独り立ちし、2~3歳の時に性成熟に達します。

寿命は野生で10年以下、飼育下では最長21年です。

カナダカワウソの黒肉球と水かきの足裏
Photo credit: USFWS Mountain-Prairie

人間とカナダカワウソ

絶滅リスク・保全

1900年代初頭、規制のない狩猟や、石炭や石油、ガス、木材などの資源を得るために生息地が破壊されたことなどにより、カナダカワウソは個体数を激減させ、10以上の州で絶滅したと言われていました。

カナダカワウソは、工場から排出された油や酸性物質などで水が汚染された地域には棲みつきません。

人間は毛皮のために狩猟したり、生息地を破壊したりするだけでなく、その周辺の地域からもカナダカワウソを追い出してしまったのです。

しかし、1970年代、カナダカワウソの更なる個体数減少への懸念が高まるとともに、天然資源のマネジメントの改善やカワウソの保全活動も活発になり、1976年以降、4000頭以上のカナダカワウソが21州に再導入されています。

また、かつては5万頭にも及んだ狩猟数も、現在では持続可能な程度にまで減少しています。

このような取り組みの結果、現在カナダカワウソの個体数は安定しており、レッドリストでも絶滅の危機に関して軽度懸念とされています。

 North American River Otter | The IUCN Red List of Threatened Species

動物園

そんなカナダカワウソですが、日本でも会うことができます。

北海道の釧路市動物園、岩手県の盛岡市動物公園の他、水族館では茨城県のアクアワールドがこの種を飼育、展示しています。

彼らにどれほど社会性があるのか、ぜひ直接観察してみてください。

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イタチ科
食肉目 イヌ型亜目 イタチ科 カナダカワウソ属 軽度懸念 北米 アメリカ合衆国 カナダ 釧路市動物園 盛岡市動物公園
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