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パタスモンキー

パタスモンキー
©2010 Lisa Williams: clipped from the original
目次

パタスモンキーの基本情報

英名:Patas Monkey
学名:Erythrocebus patas
分類:オナガザル科 パタスモンキー属
生息地:ベナン, ブルキナファソ, カメルーン, 中央アフリカ共和国, チャド, コンゴ民主共和国, コートジボワール, エチオピア, ガンビア, ガーナ, ギニア, ギニアビサウ, ケニア, マリ, モーリタニア, ニジェール, ナイジェリア, セネガル, シエラレオネ, 南スーダン, スーダン, タンザニア, トーゴ, ウガンダ
保全状況:LC〈軽度懸念〉

パタスモンキー
Photo credit: alec roberts

霊長類最速

霊長類最強と言えばレスリングの吉田沙保里ですが、霊長類最速ならばこのパタスモンキー。

人類最速のウサイン・ボルトもこのサルの本気には追いつけません。

そんなパタスモンキーは、なんと最高時速55キロで走ることができます。

これはライオンやクマなどと同じ速さです。

人類最速のボルトでも時速約37キロなので、このサルがどれだけ早いかがよくわかると思います。

しかも彼らは同じ速さで走るライオンなどとは体格が全く違います。

どれだけのスピード感で走っているのか気になりますね。

この速さを生み出しているのが、パタスモンキーの体型です。

とてもすらっとしていて手足も長いですよね。

細かい所を見ると、指が短かったり、手のひらが平べったかったりします。

これら身体的特徴のおかげでここまで速く走ることができるのです。

下の動画でもこのサルが走る様子を見ることができます(ただ、恐らく本気の走りではない)が、背中をしならせて走る姿はサルではなく、もはや犬のようですね。

パタスモンキーの生態

生息地

パタスモンキーは、アフリカサハラ砂漠以南のサバンナに広く生息します。

地上性が非常に高く、昼行性です。

食性

果実種子若葉樹脂昆虫小動物など何でも食べます。

畑の作物を食い荒らすこともあるようです。

形態

体長は50~70㎝、体重は7~13㎏,しっぽの長さは50~75㎝でオスの方が大きくなります。

体の大きさだけでなく、鮮やかなブルーの陰嚢(玉袋)もオスの特徴です。

ちなみに、パタスとは「赤い」という意味で、そんなの通り赤みがかった背中側の毛が印象的です。

行動

パタスモンキーは、約15頭から成る単雄複雌の群れを作ります。

移動速度が速いので、一日に何キロも移動し、えさを探します。

また、彼らの社会は母系社会で、メスが生まれた群れに一生留まる一方、オスは成熟すると群れを離れ、オスだけの群れに加わるか一人で放浪します。

繁殖

交尾期である雨季になると、自分の群れを持たないオスが流入し、乱婚的に交尾します(これを複雄複雌の配偶システムとも言います)。

つまり、オスメスともに複数の相手と交尾をするというわけです。

このような流入してくるオスに対し、群れのオスは非常に攻撃的です。

出産は、霊長類では珍しく乾季に行われます。

これは乾季でもアカシアの豆など質の高い食物をその移動能力で手に入れられるからだと考えられています。

メスは170日の妊娠期間の後、通常1匹の赤ちゃんを産みます。

生まれた赤ちゃんは、母親だけでなく、群れのメスからも世話を受けますアロマザリング行動)。

そしてメスは約3歳、オスは4~4.5歳で性成熟に達します。

出産間隔は短く約1年で、寿命は飼育下で20~25年です。

パタスモンキー
Photo credit: transpixt

人間とパタスモンキー

絶滅リスク・保全

パタスモンキーは広範囲に分布していますが、食用目的の狩猟や、砂漠化などの影響によって個体数を減らしています。特に東アフリカでは顕著であるようです。

かつて彼らはIUCNのレッドリストにおいて絶滅リスクは軽度懸念とされていましたが、2020年には準絶滅危惧に格上げされています。

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動物園

そんなパタスモンキーには、日本の動物園でも会うことができます。

千葉市動物公園、愛知県の豊橋動物園(のんほいパーク)日本モンキーセンター、山口県のときわ動物園、愛媛県のとべ動物園、鹿児島県の平川動物公園がパタスモンキーを飼育しています。

霊長類最速を間近で見れるかもしれないので、是非これらの動物園に足を運んでみてください。

千葉市
パタスザル 千葉市動物公園 動物図鑑のページです。
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