ダスキーティティの基本情報
英名:Red-bellied Titi
学名:Callicebus moloch (Plecturocebus moloch)
分類:サキ科 ティティ属
生息地:ブラジル
保全状況:LC〈軽度懸念〉
歌うファミリー
ダスキーティティは3,4匹からなるペア型の社会を作ります。
つまり大人のオスとメス、彼らの子供から成る群れです。
家族の絆は強く、グルーミングしたり長いしっぽを絡ませたりして仲を深めます。
このしっぽを絡ませる行為は特に大人のオスとメスに見られ、夫婦のラブラブぶりがうかがえます。
この夫婦は一生を添い遂げるというので、うらやむ人もいるのではないでしょうか。
また、ダスキーティティの父親はイクメンです。
子供の運搬などは父親がよく担います。
これまたうらやむ人がいるのではないでしょうか。
そんなダスキーティティですが、それぞれの家族はそれぞれのなわばりを持ちます。
それは我々人間の家族がそれぞれ家を持つのとほとんど同じです。
人間の場合、この家があることでそれがある家族の場所だということが分かりますが、自然界にそのようなものはありません。
そのため、なわばりを持つ動物たちは何らかの方法で自分の家がそこにあることをアピールする必要があります。
ダスキーティティは、声を使ってそれを行います。
下の動画ではまさにその様子を見ることができるので是非ご覧ください。
自分たちの家を持つことは種を問わず大変なのですね。
ダスキーティティの生態
生息地
ダスキーティティは、ブラジル中央部、北東部の熱帯雨林に生息します。
森林の下層で生活しますが、地上にはほとんど下りてきません。
昼行性で、寝るときは家族でまとまって寝ます。
また同じ木で寝ることが多いようです。
食性
食性についての詳しいデータは乏しいですが、果実や葉、昆虫、種子などを食べると言われています。
形態
体長は約30㎝、体重は約800gで、しっぽは体長よりも長く、太いです。
繁殖
ダスキーティティは、野生下での研究があまり進んでいません。
そのため繁殖についてもよく分かっていません。
データは乏しいものの、ダスキーティティは1度に1匹の赤ちゃんを産み、子供は2~3年で性成熟に達するようです。
寿命に関しては、飼育下のダスキーティティが25年生きた例があります。
人間とダスキーティティ
絶滅リスク・保全
ダスキーティティは、トランスアマゾンハイウェイによる生息地の分断や農地開拓などの影響を受けていると考えられますが、個体数に関してはよく分かっていません。
絶滅の危機に関しても、レッドリストでは軽度懸念に留まっています。
動物園
そんなダスキーティティですが、日本の動物園では会うことができません。
ダスキーティティの仲良し家族を見られないのは何とも残念です。