モホールガラゴの基本情報
英名:Southern Lesser Galago
学名:Galago moholi
分類:ガラゴ科 ショウガラゴ属
生息地:アンゴラ, ボツワナ, コンゴ民主共和国, モザンビーク, ナミビア, 南アフリカ共和国, ザンビア, ジンバブエ
保全状況:LC〈軽度懸念〉
小さいけれど…
モホールガラゴは、体長14~17㎝、体重はオスが160~255g、メスが140~230gという小さいサルです。
赤ちゃんに関しては約10gと、我々人間と同じサルの仲間であることが信じられないほどです。
そんなモホールガラゴですが、「小さな割に」という枕詞を付けられるような特徴がいくつもあります。
たとえばその耳。
耳は小さな体の割に非常に大きく、体に対する耳の割合はサルの中でも1番と言われています。
ちなみにこの耳は左右別々に動かすことができ、まるでアンテナのようにして昆虫を探知します。
その他の特徴としては、ジャンプ力が挙げられます。
モホールガラゴを含め、ガラゴのなかまは小さい割に数メートルもジャンプすることができます。
それを可能にするのが長い後肢としっぽです。長い後肢はジャンプ力を生み出し、25㎝ほどのしっぽはジャンプの際、体のバランスをとります。
小さくても侮ってはいけません。
モホールガラゴの生態
生息地
モホールガラゴは、アフリカ南部のサバンナ林などに広く生息します。
食性
夜行性で、カブトムシやガなどの昆虫やガムを食べます。
行動
モホールガラゴは、活動中は基本的に単独で行動します。
しかし、活動を終えると2~7匹が木の洞などに集まり、一緒に眠ります。
また、彼らは1匹ずつなわばりを持ちます。
このなわばりはオスとメスで重複しています。
なわばりはロングコールという音声などによって主張されます。
繁殖
繁殖には季節性が見られ、2年に1度、1月~2月、10月~11月に赤ちゃんが生まれます。
メスの発情期間は1~3日と短く、その間オスは他のオスに対し攻撃的になり、できるだけ多くのメスと交尾をしようとします。
交尾が成功すれば、メスは約4カ月の妊娠期間を終えて1~2匹の赤ちゃんを産みます。
赤ちゃんは数日で歩けるようになり、4週も経てば虫を捕まえ始めます。
そしてさらに成長し、10カ月で性的に成熟します。
下の動画では、まだ小さい子供が鳴いたりお母さんに咥えられたりする様子を見ることができます。
癒しです。
モホールガラゴの寿命は約16年と言われています。
人間とモホールガラゴ
絶滅リスク・保全
モホールガラゴは、今のところ絶滅の危機にはなく、レッドリストでも軽度懸念の種として登録されています。
モホールガラゴは昆虫食ですが、生態系の頂点にいるわけではありません。
猛禽類やジェネット、ヘビ、マングースなど捕食者が多くいます。
モホールガラゴが広い地域に数多く生息していることは、かれらの生存上の戦略なのです。
動物園
そんなモホールガラゴですが、残念ながら日本では会うことができません。
その代わり、近縁のショウガラゴには、東京都の上野動物園、愛知県の日本モンキーセンター、京都府の京都市動物園、広島県の安佐動物公園、愛媛県のとべ動物園、鹿児島県の平川動物公園などで会うことができます。
機会がある方は是非行ってみてください。