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マタコミツオビアルマジロ

マタコミツオビアルマジロ
マタコミツオビアルマジロ
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マタコミツオビアルマジロの基本情報

英名:Southern Three-banded Armadillo
学名:Tolypeutes matacus
分類:被甲目 アルマジロ科 ミツオビアルマジロ属
生息地:アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、パラグアイ
保全状況:NT〈準絶滅危惧〉

ボールになってディフェンス

生存し、自分の遺伝子を持つ子供を残すには、自らが死なないことが重要です。

狩られる側の哺乳類には、自らが死なないような様々な防御のスタイルを見ることができます。


例えば、スカンクは危険を感じるとお尻をあげ、くさいにおいを発するサインを出します。

オーストラリアに生息するウォンバットは、穴に頭を先にして入ることで身を守ります。

彼らのお尻は硬くて頑丈なのです。

他にも中南米に生息するコアリクイは、万歳の態勢でアリ塚を壊す鋭い爪を見せつけることで防衛します。

集団で身を守る動物もいます。

海に生息するマッコウクジラは、群れの子供たちがシャチに襲われそうになった時、子供を中心に置きその周りを大人で囲むマーガレットフォーメーションと呼ばれる陣形を作ります。

これはバイソンなどの草食動物にも見ることができます。

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以上のような防衛行動には、威嚇の要素もあります。

ウォンバットの場合は一見すると穴に逃げただけと思ってしまいますが、彼らはお尻と穴の壁に捕食者であるタスマニアデビルを挟んで殺してしまうこともあります。

威嚇とは、これ以上深追いすると反撃するというメッセージ。

動物たちは上手に威嚇を使って身を守っているのです。


そんな中、防衛一辺倒の哺乳類がアルマジロです。

彼らは骨からなる甲羅で身を守ります。

特にミツオビアルマジロとこのマタコミツオビアルマジロは、20種ほどが知られるアルマジロの中で、唯一完全なボールのように丸くなることができます。

アーマーのような装甲は体と完全に癒合していないため、きれいに丸まることができるのです。

彼らはアーマーのような甲羅を存分に利用し、捕食者が襲うのをあきらめるまで待つ、ディフェンスのスペシャリストと言えるでしょう。


ところで、そんなアルマジロのように、守ることに振り切った哺乳類がいます。

アフリカとアジアに生息するセンザンコウです。

彼らもまた、アルマジロのように背中に搭載した硬い鱗で身を守ります。

アルマジロと違うのは、アルマジロの装甲が皮骨と呼ばれる骨とそれを覆う角質化した皮膚でできているのに対し、センザンコウの鱗はケラチンで固められた角質化した皮膚でできています。

とはいえ、センザンコウも鱗がない腹側を内側に丸めることで身を守ります。

センザンコウの防御は、百獣の王・ライオンの爪をも防ぐことができます。

見た目は異なっても、守り方は同じ。

そんな動物が中南米、アジア、アフリカと別の地域にそれぞれ暮らしているのは、動物の面白いところです。

マタコミツオビアルマジロ
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マタコミツオビアルマジロの生態

生息地

マタコミツオビアルマジロは、グランチャコと呼ばれる地域を中心に、標高800mまでのサバンナや低木地に生息します。

多少人の手が入ったところにも適応することができます。

形態

体長は20~25㎝、体重は1~2㎏で、2~4つの動く帯が甲羅を構成しています。

前肢には4本、後肢には5本の爪が生えており、前肢の爪はアリ塚などを壊す際に使われます。

マタコミツオビアルマジロ

食性

マタコミツオビアルマジロは昆虫食です。

アリなどの昆虫を主食とします。

このほか、果実や種子などと言った植物質も食べます。

捕食者にはジャガータテガミオオカミが知られています。

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行動・社会

単独性のマタコミツオビアルマジロは、主に夜行性ですが寒いと日中活動することもあります。

他のアルマジロと比べると穴は掘りませんが、それでも浅い巣穴をほります。

日中はそうした穴や茂みで休息します。

行動圏は14haほどで、他個体と重複します。

繁殖

妊娠のピークは2月~9月、12月~2月の期間に見られます。

メスは約120日の妊娠期間ののち、1匹の赤ちゃんを年に1度のペースで産みます。

赤ちゃんは甲羅が柔らかいことを除くとほとんど小さい大人の姿をしています。

また、生まれてしばらくすれば歩き、丸まることもできます。

生後3週で目を開き、生後2ヵ月半ごろ離乳します。

性成熟には1歳ごろ達します。

マタコミツオビアルマジロ

人間とマタコミツオビアルマジロ

絶滅リスク・保全

マタコミツオビアルマジロの個体数は目下減少中であると考えられており、IUCNのレッドリストでは絶滅危惧種の一歩手前、準絶滅危惧に指定されています。

肉目的の狩猟、生息地の破壊が主な脅威です。

彼らは穴掘り能力が低いので、ハンターに見つかりやすいとされています。

ペット目的で捕獲されることもあります。

そうした取引での輸送中の致死率が高いと言われています。

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動物園

マタコミツオビアルマジロには本州のいくつかの動物園で見ることができます。

彼らの純粋な防御力をぜひ間近で見てみてください。

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