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ブチハイエナ

ブチハイエナ
©2017 zoofanatic : clipped from the original
目次

ブチハイエナの基本情報

英名:Spotted Hyaena
学名:Crocuta crocuta
分類:食肉目 ハイエナ科 ブチハイエナ属
生息地:アンゴラ、ベナン、ボツワナ、ブルキナファソ、ブルンジ、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ、コンゴ民主共和国、コートジボワール、ジブチ、赤道ギニア、エリトリア、エスワティニ、エチオピア、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、ケニア、マラウィ、マリ、モーリタニア、モザンビーク、ナミビア、ニジェール、ナイジェリア、ルワンダ、セネガル、シエラレオネ、ソマリア、南アフリカ、南スーダン、スーダン、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ
保全状況:LC〈軽度懸念〉

ブチハイエナ
Photo credit: Kandukuru Nagarjun

参考文献

女の帝国

ブチハイエナにはスカベンジャー、つまり死肉を食う動物というイメージがありますが、有能なハンターというのが実像です。

彼らは群れを作るため、仲間と協力して狩りに挑みます。

そうして自ら狩った獲物が、彼らが食べるものに占める割合は最大9割以上。

スカベンジャーというイメージがいかに彼らに合っていないものかがわかります。

ただ、ブチハイエナは骨まで食べてしまうため、他の肉食獣の食べ残しを食べる光景が、彼らにそのイメージを付けたのかもしれません。


彼らと言いましたが、ブチハイエナの社会は実は女社会

クランと呼ばれるその群れは、一頭のメスによって率いられ、メスは常にオスよりも優位です。

群れのメンバー間にも序列があり、地位は母親から引き継がれ、年や強さによって変わることはありません。

また、同じ母親から生まれる場合、新しい子ほど地位が高くなります。

こうした社会の構造はヒヒなどの霊長類と似ており、肉食動物の中ではかなり高度な社会を持っているとされています。

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そんなブチハイエナのメスには、他の動物には見られないある特徴があります。

なんと、股の間にペニスのようなものが生えているのです。

この器官は勃起することができ、さらには睾丸のようなものも左右についています。

メスなのになぜと思ってしまいますが、これはもちろんペニスでも睾丸でもありません。

ペニスに見えるものは肥大化したクリトリス、睾丸のようなものは陰唇が結合したもので、中は脂肪組織でできています。


つまり、このペニスのようなものはメスの生殖器官なのですが、それではメスはどのようにオスと交尾をするのかという疑問がわいてきます。

実は交尾の際、メスは偽のペニスを体内に引っ込めます。

こうすることで他の動物と同じような交尾ができるのです。

その一方、交尾の権利は常にメスの側にあります。

オスは許された場合のみメスと交尾ができるのです。

ここにもブチハイエナの女社会の一端を見ることができます。


交尾が終わり、妊娠をしたら次は出産。

メスはもちろんこの偽のペニスから出産しますが、それがどれほど過酷なものかは想像に難くありません。

狭い産道を通るため、赤ちゃんには窒息のリスクがあり、母親にも偽のペニスが裂けてそれが原因で死ぬリスクがあります。

こうまでしてブチハイエナのメスがこのような生殖器官を発達させた理由は謎ですが、女社会と関係していると考えるのが普通でしょう。

ちなみに哺乳類では他に、マダガスカルに生息するフォッサのメスがペニスのような肥大化したクリトリスを持つこともありますが、これは一時的なものです。

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ブチハイエナ
Photo credit: Regina Hart

ブチハイエナの生態

生息地

ブチハイエナは標高4,100mのサハラ砂漠以南の半砂漠やサバンナ、開けた低木林などに生息します。

タンザニアのセレンゲティ国立公園、次いで南アフリカのクルーガー国立公園に最も多く生息しています。

形態

体長は95~150㎝、肩高は75~85㎝、体重はオスが45~60㎏、メスが55~85㎏、尾長は25~35㎝で、メスの方が1割ほど大きくなります。

後肢が短いというハイエナ独特の形態をしています。

噛む力は、その体の割合からすると哺乳類の中でも屈指の強さで、キリンの大腿骨をもかみ砕きます。

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ブチハイエナ
Photo credit: Gary Leavens

食性

獲物の多くはヌーシマウマトムソンガゼルなどの有蹄類です。

毛や蹄、角などは消化できないため、ペレットとして吐き出します。

ブチハイエナは獲物のほとんどすべてを食べてしまうため、感染症を防ぐなど分解者として重要な役割を担っています。

捕食者には餌資源において競合するライオンが知られています。

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行動・社会

ブチハイエナはクランと呼ばれる3~80頭の複雄複雌の群れを作ります。

群れは狩りの際など数頭に分かれる一方、なわばりを守る際や食事の際、休息の際には集まる離合集散性を持ちます

なわばり性が強く、クランが共有する巣を中心に行動します。


音声によるコミュニケーションが多様で、劣位個体がストレスを感じた時に出すギグルと呼ばれる音声は、笑っていると形容されます。

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繁殖

ブチハイエナは年中繁殖します。メスの出産間隔は1~2年で、約4ヵ月の妊娠期間ののち、1~4頭(通常2頭)の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは1~1.6㎏で目が明いた状態で生まれます。

最初の数週間はツチブタなどが掘った穴で母親に育てられながら過ごしますが、その後、クラン共有の巣に移動します。

生後5ヵ月頃から肉を食べ始めますが、完全に離乳するのは1~1歳半ごろです。

ブチハイエナは子育てにかなりの時間をかける動物で、子供は最長3歳ごろまで母親とともに過ごし、頭蓋骨と噛む力の発達を待ちながら狩りを覚えます。

性成熟は2~3歳で、オスはその頃群れを離れ、別の群れに合流します。

寿命は約20年です。

ブチハイエナ
Photo credit: Tambako The Jagua

人間とブチハイエナ

絶滅リスク・保全

ブチハイエナはアフリカの大型肉食動物では最も多いとされており、その数2万7千~4万7千と推測されています。

IUCNのレッドリストでは軽度懸念の評価です。

しかし、個体数は減少傾向にあります

ブチハイエナは人の居住地近くにも生息しており、時に家畜を襲います。

その報復として毒や罠、銃で殺されることがあり、これが主な脅威となっています。

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ブチハイエナ
Photo credit: Regina Hart

動物園

ブチハイエナには日本各地の動物園で会うことができます。

山口県の秋吉台自然動物公園サファリランドや大分県のアフリカンサファリといったサファリでも会うことができるので、彼らの自然状態に近い社会生活をぜひ覗いてみてください。

秋吉台自然動物公園 サファリランド | 動物図鑑

アフリカンサファリ
ブチハイエナ ブチハイエナのページです。- 九州自然動物公園 アフリカンサファリ|大分県
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