オオガラゴの基本情報
英名:Thick-tailed Greater Galago
学名:Otolemur crassicaudatus
分類:ガラゴ科 オオガラゴ属
生息地:アンゴラ, ブルンジ, コンゴ民主共和国, エスワティニ, ケニア, マラウィ, モザンビーク, ルワンダ, 南アフリカ共和国, タンザニア, ザンビア, ジンバブエ
保全状況:LC〈軽度懸念〉
フワフワしたしっぽ
フワフワした生き物って大体かわいいですよね。
この大きくてフワフワしたオオガラゴのしっぽを見てください。
英語では“thick tailed galago”と呼ばれることもありますが、これは彼らの太いしっぽを言い表しています。
このしっぽ、胴体よりも長く、胴体が約30㎝なのに対し、約40㎝にもなります。
ガラゴはすばしっこく、よくジャンプしますが、その際バランスをとるために、このしっぽが必要になります。
ちなみに、ジャンプの際、近縁種のショウガラゴが後ろ肢から着地するのに対し、オオガラゴは前肢から着地します。余談でした。
ところで、オオガラゴは、英語で“bush baby”とも呼ばれます。
bushとは、茂みや低木など意外に、もじゃもじゃしたという意味も持っています。
もじゃもじゃした森の赤ちゃんということなのでしょうか。
それなら納得ですね。
オオガラゴがかわいいのはフワフワしたしっぽだけではありません。
まん丸とした大きな目と耳。これもオオガラゴの特徴です。
オオガラゴは夜行性です。
そのため、その大きな目と耳を使って、獲物を探します。
ちなみに、オオガラゴは夜行性のサルが多く持つ(真猿類のサルは持たない)、タペータムという組織を網膜上に持っています。
これが鏡のように光を反射することで、彼らは暗闇の中でも元気に走り回ることができます。
オオガラゴの生態
生息地
オオガラゴはアフリカ南部の山地林や竹林などに広く分布しています。
生息密度は高く、1㎢内には70~130匹が生息しています。
夜になると活発に活動する夜行性で、一日に最長1㎞を移動します。
樹上性が高く四足で移動します。
また、ジャンプ力が高く、2mもとぶことができます。
食性
オオガラゴは主に虫や果実、樹脂などを食べて暮らします。
形態
体長は30~38㎝、体重は1~2㎏、しっぽの長さは41~48㎝で、オスの方がやや大きくなります。
行動
オオガラゴは、通常単独で行動します。
木の洞などで眠るときは数匹が集まることもありますが、その場合でも1匹のオスと1,2匹のメス、そして子どもという小さな群れしか作りません。
オオガラゴは各個体が縄張りを持ちます。
オスのなわばりはメスのものよりも広く、複数のメスと被っていますが、他のオスとは重なり合うことがありません。
なわばりは胸の部分にある臭腺から出す臭いや、おしっこでマーキングされます。
コミュニケーションには、このにおいの他、表情やジェスチャー、グルーミングなどが用いられます。
繁殖
繁殖には季節性がありますが、その時期は地域によって異なります。
繁殖は年に一度行われ、メスは約130日の妊娠期間の後、1~2匹の赤ちゃんを産みます。
赤ちゃんは母親によって世話され、約2年で性成熟に達します。寿命は飼育下で20年前後です。
人間とオオガラゴ
絶滅リスク・保全
オオガラゴは、アフリカに広く分布しており、適応力も高いので、個体数は安定しています。
今のところ絶滅危惧種にも指定されておらず、絶滅の危機に関しては最も程度の低い軽度懸念とされています。
しかし、他のサル同様、森林の減少などの影響は受けているため、地域によっては安心できないところもあるでしょう。
動物園
そんなオオガラゴですが、残念ながら日本では会うことができません。
フワフワのしっぽをお目にかかることができないなんて、なんと悲しいことでしょう。
なんとしてもみたいという方は、海外に行くしかないようです。
それか、リンク先の動画でお許しください。
その一方、先ほど出てきたショウガラゴには全国各地の動物園で会うことができます。
上野動物園、愛知県の豊橋動物公園(のんほいパーク)、兵庫県の王子動物園、愛媛県のとべ動物園、鹿児島県の平川動物公園などがショウガラゴを飼育しています。
ショウガラゴでもいいかという方はこれらの動物園に行ってみてください。