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チベットモンキー

2026 5/07
オナガザル科
2026年5月7日
灰白の毛と大きな顔のチベットモンキー
©2008 Aiver Ruukel: clipped from the original
目次

チベットモンキーの基本情報

英名:Tibetan Macaque
学名:Macaca thibetana
分類:オナガザル科 マカク属
生息地:中国
保全状況:NT〈準絶滅危惧〉

チベットモンキー
Photo credit: Jean-Marie Hullot

子は鎹(かすがい)

子は鎹(かすがい)ということわざがあります。

これは子どもが夫婦の中を繋ぎとめる様子を言ったものですが、チベットモンキーの群れにはぴったりのことわざです。

チベットモンキーは、多ければ100頭にもなる複雄複雌の群れを作り、αオスが頂点に立ちます。

これだけ数が多いと潜在的にケンカは多くなります。

特にオス同士の間では、限られたメスを奪い合わないといけないため緊張が高くなります。

このような中で子どもは、ことわざのように大人の間のバッファー(緩衝)としての役割を果たしているのです。

その様子は、ブリッジング行動に見ることができます。

ブリッジング行動とは、大人と大人が子どもを一緒に抱き上げる行動のことで、この時、大人は子どもの性器を触ったり舐めたりします。

ここで登場する子どもは、必ずしも当事者間の個体の子どもであるとは限りません。

また、メスよりもオスの子どもの方が頻繁に抱き上げられます。

このブリッジング行動を通じて、劣位の個体が優位の個体に攻撃されるのが抑制されたり(アゴニスティック・バファリング説)、その後の大人間の友好関係が促進されたりすると考えられています。

つまり、子どもを利用したブリッジング行動は、攻撃性を減少させ、緊張を和らげることで群れの中の社会関係を安定させているのです。

もちろん、性器をなめ合ったり抱き合ったりと大人同士で緊張が緩和されることもありますが、このサルの社会において子どもは、社会を繋ぎとめる重要な役割を果たしているのです。

チベットモンキー
Photo credit: Jean-Marie Hullot

チベットモンキーの生態

生息地

チベットモンキーは中国南部の常緑林などに生息します。

驚くことに、チベットという名前が付けられているのに、チベット地方には生息していません。

食性

昼行性で、地上性が高いこのサルは、果実や葉、昆虫、ヘビや鳥などの小動物を食べます。

チベットモンキーはマカク属のサルの中で最大で、また、体格における性差が顕著です。

形態

オスが体長65㎝前後、体重が30㎏にまでなることもあるのに対し、メスは体長55㎝前後、体重は9-13㎏になります。

しっぽは短く10㎝ほどです。

行動

先ほども説明したように、このサルは10-100頭の複雄複雌の群れを作ります。

この群れは、オスが成長すると群れを出ていき、メスは群れに留まる母系社会です。

群れの中の順位はオスだけでなく、メスにもあり、順位が高いメス程えさや繁殖の機会に恵まれます。

また、前述のブリッジング行動はオスとメスの間でも見られ、この場合抱き上げられる子どもはそのメスの子どもであることが多いようです。

人間とチベットモンキー

絶滅リスク・保全

チベットモンキーは中国南部の広い範囲に生息していますが、生息地の減少や狩猟などにより個体数を減らしています。

レッドリストでは準絶滅危惧種にも指定されています。

 Tibetan Macaque | The IUCN Red List of Threatened Species

動物園

そんなチベットモンキーには、日本では愛知県犬山市の日本モンキーセンターや神奈川県のよこはま動物園ズーラシアで会うことができます。

もしかしたらブリッジング行動が見られるかもしれないので、是非足を運んでみてください。

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