書籍情報
書名:オオカミと野生のイヌ
監修:菊水健史(麻布大学獣医学部介在動物学研究室教授)
出版社:株式会社エクスナレッジ
発行年:2018年
価格:2,800円(+税)
ページ数:207ページ
■目次
Part1 ハイイロオオカミ
Part2 ホッキョクオオカミ
Part3 オオカミの仲間たち
Part4 南米の野生イヌ
Part5 アカギツネの仲間たち
Part4 ツキノワグマがわかる!Q&A
Part6 ハイイロギツネの仲間たち
イヌ科動物図鑑
イヌ科とネコ科。家畜化されたイエイヌ、イエネコ、どちらが好きかで対立が起こることで私たちにはおなじみの、食肉目を代表する二つの分類群。
本書は、その一方であるイヌ科の動物について、豊富な写真と詳しい解説で紹介した、イヌ科動物の図鑑とも言うべき一冊です。
題名にある通り、オオカミについては特別詳しく解説されます。割かれるページ数は約50ページで、いくつもの美しい写真に、詳しい解説が添えられます。
興味を引くのは、オオカミに近いイエイヌの犬種。
DNA解析を基に、どの犬がオオカミと遺伝的に近いのかが紹介されます。
オオカミに近い14犬種には、私たち日本人にもなじみ深いあの犬たちも登場します。
興味のある方は是非本書を開いてみてください。
題名では「野生のイヌ」と一括りにされてはいるものの、オオカミ以外の野生イヌ科動物についても詳しく紹介されます。
本文では彼らの生態について書かれる一方で、写真にも解説が付きます。
イヌ科動物すべてに写真と解説がつくので、やはり本書はイヌ科動物図鑑と言っていいでしょう。
本書を特徴づけるのは、美しい写真たちです。
狩りをする瞬間、くつろぐ様子、子育ての様子、おそらく彼らにとっては何ともない時間。
イヌ科動物の生活の中の、様々な瞬間を切り取る写真はどれも美しく、見る人を魅了します。
本書は、イヌ科動物の写真集としてだけでも楽しむことができるでしょう。
イヌ科動物と一口に言っても、タヌキやヤブイヌのような原始的な特徴を未だ持つものもいれば、オオカミやリカオンのように走ることに特化したものもいる。
フェネックギツネやオオミミギツネのように砂漠に生息する者もいれば、ホッキョクギツネのように極寒の地に生息する者もいる。
名前も多様です。
オオカミ、ジャッカル、イヌ、キツネ、このように呼ばれる生き物は全てイヌ科動物です。
意外に多様なイヌ科動物。本書を読めばこのことがよく分かると思います。
イヌ科動物を網羅した図鑑『オオカミと野生のイヌ』。
イヌ好きのあなたは彼らについてもっと知るために、ネコ好きのあなたはまだ知らないイヌについて知るために、是非ご一読ください。