キムネオマキザルの基本情報
英名:Yellow-breasted Capuchin
学名:Sapajus xanthosternos
分類:オマキザル科 フサオマキザル属
生息地:ブラジル
保全状況:CR〈絶滅危惧ⅠA類〉
オマキザル
オマキザル科オマキザル亜科のサルは大きくオマキザルのなかま(オマキザル属、フサオマキザル属)とリスザルのなかま(リスザル属)に分類されます。
キムネオマキザルはこのうちオマキザルのなかまに分類されるサルです。
オマキザルのなかまは比較的小型のサルで、その名の通りしっぽが巻いています。
このしっぽは枝などに巻きけて体の支えとすることができますが、クモザルのようにしっぽ1本でぶら下がることはできません。
また、オマキザルのなかまはアメリカ大陸に棲む新世界ザルの中では、体に対する脳の割合が大きいです。
そのためか、このサルたちは非常に賢く、フサオマキザルでは硬い殻を石を使って割るなどの道具使用が観察されています。
キムネオマキザルはその生態が良く解明されていないサルですが、同じフサオマキザル属に属するフサオマキザルのように、道具を用いるほど賢いことは十分予想されます。
キムネオマキザルの生態
生息地
キムネオマキザルは、ブラジル東部のマングローブ林や沿岸林などに生息します。
食性
昼行性で、果実や種子、小動物、昆虫、花など何でも食べます。
形態
体長は35~50㎝、体重は1.5~5㎏、しっぽの長さは約50㎝でオスの方が大きくなります。
行動
キムネオマキザルは、8~30匹から成る複雄複雌の群れを作ります。
群れにはオスメスともに序列があり、1匹のオスが最も優位となります。
コミュニケーションはグルーミングや音声などを使って行われ、尿を手に塗り付けるようなにおいによるコミュニケーションもなされます。
繁殖
先述のようにキムネオマキザルにはよく分かっていないことが多いですが、繁殖に季節性はないと言われています。
メスの妊娠期間は5~6カ月で、1度に1匹の赤ちゃんが生まれます。
赤ちゃんは母親以外の群れのメスによって世話されることもあります。
そうして育った赤ちゃんは2~11カ月で離乳し、4~8年で性的に成熟します。
メスの方が性成熟するのが早く、オスは性成熟に達する前に群れを離れていきます。
人間とキムネオマキザル
絶滅リスク・保全
キムネオマキザルは、生息地の縮小や狩猟の影響を強く受け、個体数を減らし続けています。
レッドリストでは20年以上前から最も絶滅が懸念される、絶滅危惧ⅠA類に指定されています。
動物園
そんなキムネオマキザルですが、残念ながら日本では会うことができません。
しかし、ここにも出てきた近縁種のフサオマキザルには、北海道の円山動物園、神奈川県の野毛山動物園、愛知県豊橋市ののんほいパーク、山口県のときわ動物園、福岡県の海の中道海浜公園など日本各地の動物園で会うことができます。
キムネオマキザルではありませんがよく似た見た目をしているので、興味のある方は是非これらの動物園を訪れてみてください。
賢い一面を見せてくれるかもしれません。