キイロマングース

キイロマングース©2016 zoofanatic: clipped from the original
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キイロマングースの基本情報

キイロマングース


英名:Yellow Mongoose
学名:Cynictis penicillata
分類:マングース科 キイロマングース属
生息地:アンゴラ、ボツワナ、ナミビア、南アフリカ、ジンバブエ
保全状況:LC〈軽度懸念〉

キイロマングースPhoto credit: Bernard DUPONT

Photo credit: Bernard DUPONT

シェアハウス

キイロマングースは、他のマングース科の動物たちと同様、巣穴を家として生活します。

巣穴はほとんど永続的で、巣穴をしょっちゅう変える転勤族のようなマングースがいる中、キイロマングースは巣穴の引っ越しをあまりしません。

 

巣穴の間取りはと言うと、いくつかの部屋がトンネルでつながれており、出入り口は複数個あるのが普通です。

また、部屋は非常に簡素で、草などで敷き詰められたベッドのような場所はありません。

 

この巣穴、キイロマングースだけが使ういわば持ち家かと思いきや、実は他の種と共同で使うシェアハウスになることもあります。

齧歯類(げっしるい)のジリスや、同じマングース科のミーアキャットなどがそのメンバーです。

海外の動物園でキイロマングースとミーアキャットを同じ部屋で飼育、展示しているところがあることからも、彼らがシェアハウスメンバーたりえることが分かります。

巣穴をシェアするメリットとしては、巣穴のメンテナンスや新たなトンネル、部屋の掘削を共同で行えることなどがあります。

 

このように巣穴をシェアするキイロマングースたちですが、とはいえ、彼らは巣穴やなわばりをめぐって争うこともあります。

人間の世界にもシェアハウスは絶対無理という人がいますが、動物たちもこのような性格を持っているのでしょうか。

キイロマングースPhoto credit: TonyParkin67

Photo credit: TonyParkin67

キイロマングースの生態

生息地

キイロマングースは、アフリカ南部のナミビアボツワナ南アフリカの、サバンナなど乾燥して開けた場所に生息します。

砂漠や森林、岩場などには生息しません。

 

食性

主に昆虫食ですが、小型齧歯類鳥類爬虫類、種子などの植物質も食べます。

一方、彼らの捕食者にはジャッカル猛禽類ヘビコブラなどがいます。

巣穴の周辺では捕食者がいないか確認するために、ミーアキャットのように両足で立ってあたりを見渡します。

下の動画ではキイロマングースがコブラと戦う様子を見ることができます。

どちらも互いの捕食者になり得る両者、今回はどんな結果になるのでしょう。

 

形態

体長は約30㎝、体重は0.6~1㎏、しっぽの長さは約20㎝で、見た目上の性差は全くありません

肛門付近には臭腺を持ち、危険が見に迫った時や、マーキングの際にここから分泌物を出します。

 

行動

キイロマングースは昼行性で、約20頭から成る家族を中心とした群れを作ります

行動圏は約2㎢で、オスの方がより広い行動圏を持ちます。

個体数密度は1㎢に4~200頭です。マングースは比較的静かな動物ですが、危険が迫った時などは甲高い鳴き声をあげます。

 

繁殖

キイロマングースの繁殖には季節性があり、交尾は7月から始まり、出産は主に8月~11月に見られます。

1回の交尾は30~60秒と非常に短いです。

下の動画では彼らの交尾を見ることができます。

妊娠期間は42~57日で、一度に通常2頭の赤ちゃんが産まれます。

赤ちゃんは母親の3対ある乳首を吸って育ち、約2カ月で離乳します。

1歳の時には群れを離れ、1~2年で性成熟に達します。

出産間隔は約1年、寿命は飼育下で約15年です。

キイロマングースに会える動物園

キイロマングースは、その密度の大きさ、分布域の広さから絶滅は懸念されておらず、レッドリストには軽度懸念として記載されています。

ただ、交通事故や地域的な狩猟は彼らの生存において脅威になり得ます。

また、キイロマングースは狂犬病のホストであることから、家畜や人などへの影響を懸念して駆除されることもあります。

現在のところ、これらの脅威が彼らの個体数に及ぼす影響は限定的で、キイロマングースの個体数は安定しています。

 

そんなキイロマングースですが、残念ながら日本の動物園では見ることができません

ベルギーやスイスの動物園では、ミーアキャットと一緒に見ることができるようなので、機会がある方は是非訪れてみてください。

キイロマングースPhoto credit: Frank Vassen

Photo credit: Frank Vassen

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