ファイヤールトンの基本情報
英名:Phayre’s Lutung
学名:Trachypithecus phayrei
分類:オナガザル科 ラングール属
生息地:バングラデシュ, 中国, インド, ラオス, ミャンマー, タイ, ベトナム
保全状況:EN〈絶滅危惧ⅠB類〉
草タイプ
このサルの名前のキャラクターがアニメやゲームの世界にいたら、間違いなくそのキャラクターは炎タイプでしょう。
しかし、残念ながら(?)ファイヤールトンは完全なる草タイプです。
ファイヤールトンは主に葉を食べて暮らします。
その葉の種数は80を超えると言われています。
また、ファイヤールトンは葉食に適した体を持っており、繊維質の葉を消化することができます。
このように根っからの草タイプ(正確に言うと草と葉は違いますが、、、)であるファイヤールトンは、英語で“Phayre’s leaf monkey(leaf=葉)”と呼ばれることもあります。
ここで一つ気づくことがあります。
ファイヤールトンの英名は“Phayre’s Lutung”。
そう、今まで草タイプだの炎タイプだの言ってきたのにもかかわらず、このファイヤーは火を意味する“fire”ではなかったのです。
それではこの“Phayre”とは何か。
所有(~の)を表す“~’s”がついているので、これは人物の名前だと推測できます。
ファイヤールトンという名前は、イギリス領ビルマの初代弁務官Arthur Purves Phayre(1812-1885)に由来しています。
彼は役人としてだけでなく、ビルマ史(History of Burma)を残したことでも知られています。
日本語ではフェーヤーと呼ばれるこの人物の名前は、ファイヤールトンだけでなく、リスや鳥の英名や学名にもついています。
彼が発見者であるかは不明ですが、彼は自然好きでもあったのでしょうか。
ファイヤールトンの生態
生息地
ファイヤールトンは、インドシナ半島北西部の常緑林などに生息します。
昼行性で、地上から15~50mのところで暮します。
形態
体長は1.2m前後、体重はオスが約7.5㎏、メスが約6㎏で、しっぽの長さは80㎝にもなります。
行動
ファイヤールトンは、8~22匹からなる群れを作ります。
群れは1匹のオスにより率いられ、群れに生まれたオスは性成熟に達する前に群れから離れます。
群れを離れたオスはオスだけの集団を作ることもあり、群れを乗っ取り、メスを手に入れる機会をうかがいます。
繁殖
ファイヤールトンの繁殖は1年中行われるようですが、赤ちゃんは、3~4月にかけて生まれることが多いようです。
メスの妊娠期間は約7カ月で、1度に1匹の赤ちゃんを産みます。
生まれた赤ちゃんはオレンジ色をしています。
下の動画では、オレンジの赤ちゃんを見られるだけでなく、母親でないメスがその育児をしようとする姿を見ることができます。
赤ちゃんは、1年で離乳し、3~4年で性成熟に達します。
人間とファイヤールトン
絶滅リスク・保全
ファイヤールトンは、木材の切り出しなどによって生息地が縮小したり分断されたりすることで、個体数を減らし続けています。
レッドリストでは絶滅危惧ⅠB類に指定されています。

動物園
そんなファイヤールトンですが、残念ながら日本の動物園では見ることができません。
しかし、近縁で赤ちゃんが同じようにオレンジ色をしているシルバールトンやフランソワルトンには、愛知県の日本モンキーセンター、静岡県の浜松市動物園、愛媛県のとべ動物園、大阪府の天王寺動物園、福岡県の大牟田市動物園などで会うことができます。
機会がある方は是非足を運んでみてください。

