ショウガラゴの基本情報
英名:Senegal Lesser Galago
学名:Galago senegalensis
分類:ガラゴ科 ショウガラゴ属
生息地:ベナン, ブルキナファソ, カメルーン, 中央アフリカ共和国, チャド, コンゴ民主共和国, コートジボワール, エリトリア, エチオピア, ガンビア, ガーナ, ギニア, ギニアビサウ, ケニア, マリ, ニジェール, ナイジェリア, ルワンダ, セネガル, シエラレオネ, ソマリア, スーダン, タンザニア, トーゴ, ウガンダ
保全状況:LC〈軽度懸念〉
小さな忍者
ショウガラゴは、体長約13㎝、体重100~300gと、とても小さなサルの一種です。
一見ひ弱に見えますが、実は強靭な後ろ足を持っています。
その小さな体で3~5mもの大ジャンプをすることができるというので驚きです。
下の動画でもショウガラゴがピョンピョン跳ねる姿を見ることができますが、その姿は、俊敏に動くアニメや漫画の中の忍者を彷彿とさせます。
このジャンプの際に重要なのがしっぽ。
15~40㎝の、体長よりも長いしっぽを、カンガルーのように上手に使うことで、長い距離のジャンプでもバランスをとることができるのです。
ちなみに、ショウガラゴの近縁種にオオガラゴというサルがいます。
そうです。ショウガラゴのショウは小さいという意味です。
名前は措いといて、このオオガラゴもジャンプをします。
ぴょんと枝を蹴り上げた後、後肢で着地します。
その一方でショウガラゴは前肢から着地します。
同じガラゴでも、やはり異種。その生態は異なります。
動物園で見る機会があったら、是非このような所にも着目してみてください。
ショウガラゴの生態
分類
ショウガラゴには、以下の4亜種が知られています。
- Galago senegalensis senegalensis
- G. s. braccatus
- G. s. dunni
- G. s. sotikae.
生息地
ショウガラゴはセネガルやケニア、エチオピアなどアフリカに広く分布します。
ケニアではソマリアガラゴと同所的に生息しています。
また、タンザニアではモホールガラゴと同所的に生息している可能性が指摘されています。
食性
主に樹脂を食べ、昆虫も食べます。特に乾季になると、樹脂への依存が強まります。
形態
夜行性で、目にはタペータムという組織を持ちます。
これが光を増幅させることで、暗闇でも行動することができるのです。
行動
ショウガラゴは基本的に単独で行動します。
しかし、木の洞や鳥の巣などで寝るときは複数が集まることもあります。
オスは厳格ななわばりをつくり、オス同士のなわばりが重なり合うことはありません。
その一方、メスとのなわばりは重なり、そのメスを手に入れるためにオス同士はバチバチに戦います。
ショウガラゴは尿を手足に付けることがありますが、これはグリップ力を高めるという目的の他、なわばりのマーキングも目的としていると考えられています。
コミュニケーションにはにおいの他、グルーミングや音声によるものも見られます。
繁殖
繁殖は雨季に行われ、出産は4月~11月に見られます。
メスは年に二度、約120日の妊娠期間の後、1~2匹の赤ちゃんを産みます。
赤ちゃんは葉で作られた巣で、母親によって育てられます。
生後3.5カ月には離乳し、メスは約240日、オスは300日で性的に成熟します。
同じ大きさのネズミなんかだと1カ月で性成熟するので、サルの成長は非常に遅いことが分かります。
寿命は飼育下で約10年で、こちらも寿命2~3年のマウスと比べて非常に長いです。
人間とショウガラゴ
保全状況
ショウガラゴは生息する地域が広く、個体数も安定しています。
そのため、レッドリストでは、絶滅の危機に関しては軽度懸念にとどまっています。
ショウガラゴはペットとしても飼われ始めているようで、日本でも飼育することができるようです。
とはいえ、サルは基本的にペットとして向いていないので、ぜひとも動物園でかわいがってあげてください。
動物園
そんなショウガラゴですが、全国各地の動物園で会うことができます。
上野動物園、愛知県の豊橋動物園(のんほいパーク)、兵庫県の王子動物園、愛媛県のとべ動物園、鹿児島県の平川動物公園などがショウガラゴを飼育しています。
皆さん、暗い所でこそこそすばしっこく動く、小さな忍者の姿を動物園に見に行きましょう。