書籍情報
書名:霊長類図鑑 サルを知ることはヒトを知ること
編者:公益財団法人 日本モンキーセンター
発行年:2018年
価格:1,600円(+税)
ページ数:155ページ
日本モンキーセンター
編者である日本モンキーセンターは、「霊長類に特化した博物館かつ研究施設」です。
所在地は愛知県犬山市で、犬山駅からバスを使っていくことができます。
日本モンキーセンターが運営する動物園(一般的にモンキーセンターというと、この動物園を指すことが多い)は、世界で最も多い種類のサルを飼育しています。
その数およそ60種900頭!
また、霊長類学という分野で世界をリードする京都大学霊長類研究所は、この日本モンキーセンターに隣接されています。
両者の結びつきは深く、運営に京都大学関係者が関わったり、研究の面で連携したりしています。
とまあこの図鑑は、サルに関するプロ中のプロが作った図鑑というわけなのです。
すごくないわけがありません。
豊富な図鑑
現在、サルは世界に約450種いると言われています。
この『霊長類図鑑』は、その3分の1以上である181種ものサルたちを紹介しています。
皆さんはどれくらいのサルを知っていますか?
ここまでくると、ポト、キプンジ、ブラッザグエノン、インドリ、キタタラポアンなど、もはや名前だけではサルだとわからないものまで紹介されます。
こんなサル図鑑他にありません。
これを見るだけでサル博士になれそうです。
サルは写真付きで紹介されます。
写真は基本的に全身が映されているので、特徴が把握しやすいです。
説明は100字前後で、それとは別に食性や保全状況、生息地なども知ることができます。
また、サルは「キツネザルのなかま」とか「ヒヒ、マカクのなかま」というように、グループごとに紹介されるので、グループごとの外見上の特徴がとらえやすくなっています。
そしてそのグループの特徴は別途解説されているので、より知識を深めることができます。
豊富な図解
『霊長類図鑑』には図鑑だけでなくそれと同じページ数ほどの図解もあります。
サルの特徴についてたくさんの写真と共に解説されます。
その項目としては、移動方法や骨、歯の形、色覚、手の形、遺伝子、社会構造などなど多岐にわたります。
これを読めばサル博士になれること間違いなしと言えるほどの詳しさです。
しかもどれも分かりやすく写真付きで解説されているので、大人でも子供でも楽しめちゃいます。
巻末には、日本モンキーセンターについてや、霊長類447種の和名・学名リストがついています。
また、『霊長類図鑑』の途中にでてくる研究者たちによるコラムは必見です。
どうしてテングザルの鼻は大きいのか、テナガザルの歌などなど我々の好奇心をくすぐってくるものばかりです。
さて、ここまでこの図鑑について紹介してきましたが、読みたくなりませんでしたか?
サル好きには必読の一冊、『霊長類図鑑』。是非お手に取って読んでみてください!