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アジルテナガザル

アジルテナガザル
©2009 Julielangford: clipped from the original
目次

アジルテナガザルの基本情報

英名:Agile Gibbon
学名:Hylobates agilis
分類:テナガザル科 テナガザル属
生息地:タイ, マレーシア, インドネシア(スマトラ島)
保全状況:EN〈絶滅危惧ⅠB類〉

アジルテナガザル
Photo credit: Thomas Fuhrmann

すばしっこいテナガザル

アジルテナガザルのアジル(agile)とは、英語で「素早い」という意味です。

ソフトウェア開発におけるIT用語に、素早さを重視した「アジャイル(agile)開発」という言葉がありますが、それと同じ単語が使われています。

アジルテナガザルは、その名の通り木々の間をすばしっこく移動します。

木々の移動にはブラキエーションという方法がとられます。

これは、長い腕と体を上手に使う移動方法で、私たち人間が遊具である「うんてい」で遊ぶ時と同じようにして、枝から枝へ、木から木へ移動します

ただ、そのスピードは人間の比ではありません。

テナガザルは人間よりもずっと軽く、腕も長いです。

また、手も細長く、これを枝に引っ掛けるようにして移動します。

つまり、テナガザルは、サルの中でも樹上移動のスペシャリストなのです。

なので、人間世界のうんていならば、ものの2秒で渡りきってしまうでしょう。

しかし、二足歩行となると我々人間の方に分があります。

というのも、テナガザルも地上に降りたときなど二足歩行をしますが、その際、長い腕が邪魔なようでとてもブサイクな歩き方になるのです

生物の体はその移動方法と密接に関係しています。

人間は地上、テナガザルは樹上に適した体の構造になっているんですね。

アジルテナガザル
Photo credit: Carine06

アジルテナガザルの生態

生息地

アジルテナガザルは、タイ南部マレーシア半島北部インドネシアのスマトラ島熱帯常緑林などに生息します。

食性

昼行性のこのサルは、主に果実若葉を食べ、そのほかにも昆虫などを食べます。

形態

体長は50㎝前後で、体重は5.5㎏ほど。

オスの方がやや大きくなります。

アジルテナガザルは体重だけでなく、見た目の上でも性差が存在します。

メスの白い部分が眉毛だけなのに対し、オスは眉毛だけでなく、ほほのひげも白くなります。

そのため、オスかメスか、簡単に見分けることができます。

行動

アジルテナガザルは、他のテナガザルのなかまと同様、1匹ずつのオスメスと、その子供から成るペア型の群れで暮らします。

各群れはなわばりを持ちますが、そのなわばりのアピールの仕方が特徴的です。

テナガザルのなかまは、なわばりのアピールのために歌を歌います

歌というだけあって、オスメスはそれぞれ自分のパートを持ち、歌には前奏やサビがあります。

この歌は朝、10分以上続き、2㎞先まで届くほどの大音量で歌われます。

また、この歌はなわばりのアピールのためだけでなく、家族のきずなを深めるためにも歌われます

愛は歌で作られているのです。

ちなみに下の動画は、オスによる悲しき独唱になります。

繁殖

アジルテナガザルの繁殖には明確な季節性は見られません。

メスは約7カ月の妊娠期間の後、通常1匹の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは母親にも父親にも育てられ、8歳で性成熟に達すると群れを離れます

出産間隔は約40カ月、飼育下での寿命は約30年です。

人間とアジルテナガザル

絶滅リスク・保全

アジルテナガザルは、コーヒー、オイルパームのプランテーションによる森林の破壊や、ペット目的の密猟などの影響で、個体数を減らし続けています

レッドリストでは、絶滅危惧ⅠB類に指定されており、更なる個体数の減少が危ぶまれています。

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そんなアジルテナガザルですが、なんと日本でも会うことができます

宮城県の八木山動物公園、長野県の小諸市動物園、愛知県の日本モンキーセンター、愛媛県のとべ動物園がアジルテナガザルを飼育しています。

運が良ければ彼らの歌声を生で聞けるかもしれませんので、是非足を運んでみてください!

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