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アルプスマーモット

アルプスマーモット
©2016 Dirk-Jan van Roest : clipped from the original
目次

アルプスマーモットの基本情報

英名:Alpine Marmot
学名:Marmota marmota
分類:齧歯目 リス型亜目 リス科 マーモット属
生息地:オーストリア、アンドラ、フランス、ドイツ、イタリア、リヒテンシュタイン、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スイス
保全状況:LC〈軽度懸念〉

アルプスマーモット
Photo credit: Panegyrics of Granovetter

参考文献

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群れでの暮らし

アルプスアイベックスシャモアなどの高地の動物が生息するヨーロッパのアルプス山脈。

このアルプス山脈の開けた環境を中心に分布する、その名もアルプスマーモットは、齧歯類であるリスの仲間です。

リスは大きく樹上性、地上性、滑空性のものに分けられますが、アルプスマーモットは地上で暮らす地上性リスになります。

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地上性リスであるアルプスマーモットは、地中に巣穴を作ります。

2~3mのトンネルの先にある巣穴はまさに家。

彼らは一生のほとんどの時間をこの巣穴で過ごします。

この巣穴には家族群が暮らします。

群れは大人のオスとメスのペアとその子供からなります。

子供は2~3歳で独立していきますが、群れには世代の違う子供が含まれることもあります。

アルプスマーモットの群れは仲良しです。

鼻先を付け合うなどの挨拶やじゃれ合いがよく見られます。

一方、よそから来た侵入者には攻撃的です。

彼らは巣穴近くの岩などに、頬にある臭腺から出る分泌物をこすりつけマーキングします。

それでも他の個体が入ろうものなら攻撃し、追い払います。

捕食者に対しても敏感で、地上にいる際、空や地上に捕食者を見つけると、彼らは特徴的な警戒音声を出し、仲間に知らせます。

音を出すということは反対に捕食者に目を付けられる可能性が高まりますが、それでも彼らはそう行動するのです。


アルプスマーモットは、他の多くのマーモット同様、巣穴で冬眠をします。

冬眠時、巣穴の出入り口は草や藁でふさがれ、家族皆で同じ巣穴で冬眠に入ります。

冬眠時、エネルギーを節約するため、彼らの体温は通常36度から5度まで落ち込みます。

また、心拍数も激減し、呼吸は1分間に2~3回程度にまでなります。

それでも冬眠の消耗は激しいです。

冬眠に入る10月まで、彼らは餌を食べ体重を増やしていき、その体重は4, 5kgになりますが、冬眠後は3kg程度まで落ち込みます。

また、体温が下がりすぎると凍えてしまうため、彼らは10日おきに目覚めます。

ちなみに大人が子供を囲うようにして冬眠するのは、大人の方が体温が高いからです。

地上で見られる期間が少ない彼らは、地中で愛にあふれた生活を営んでいます。

アルプスマーモット
Photo credit: Greg Schechter

アルプスマーモットの生態

生息地

アルプス山脈カルパティア山脈の標高1,600~3,200mの、開けた草地に生息します。

ルーマニア域内のカルパティア山脈では1973年の再導入により、現在も個体群が存在します。

また、スペインやアンドラ、フランス、イタリアには導入個体群が存在します。

形態

体長は45~60㎝、体重は4~8kg、尾長は13~20㎝で、オスの方がやや大きくなります。

頬と肛門に臭腺が存在します。

他のリス同様、犬歯はなく、門歯は一生伸び続けます。

アルプスマーモット
Photo credit: Björn S…

食性

草本類の緑の部分や花、コケ類、地衣類、昆虫などを食べます。

捕食者にはアカギツネユーラシアオオヤマネコオオカミなどの哺乳類や、イヌワシなどの猛禽類が知られています。

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行動・社会

昼行性のアルプスマーモットは、地中の巣穴で暮らします。

15~20匹からなる家族群で暮らし、採餌の際は地上に出てきます。

10月ごろから4月ごろにかけて冬眠に入ります。

冬眠が明けて数日後、繁殖が始まります。

繁殖

メスの妊娠期間は33~34日で、通常2~4匹、最大7匹の未熟な赤ちゃんが生まれます。

体重30g程度の赤ちゃんは生後5日で毛が生え始め、生後23日ごろ目が開きます。

生後40日には離乳し、初めて地上に出るようになり、2~3歳で性成熟に達します。

寿命は、病気にかかったり捕食されたりしなければ野生で15~18年です。

アルプスマーモット
Photo credit: Kārlis Dambrāns

人間とアルプスマーモット

絶滅リスク・保全

かつてアルプスマーモットは、食用や洋服、化粧品、薬のために、その毛皮や肉、脂肪を狙って狩猟されてきましたが、今では主に娯楽的な狩猟に収まっています。

気候変動や、放牧(家畜の採餌がマーモットの生息に適する開けた環境を維持する)の減少による生息環境の悪化が懸念されていますが、分布域が広く、個体数も多いと推測されるため、絶滅の心配はあまりされていません。

IUCNのレッドリストでは軽度懸念の評価です。

Marmota marmota | The IUCN Red List of Threatened Species

動物園

日本の動物園でアルプスマーモットを見ることはできませんが、同じマーモット属のボバクマーモットには伊豆シャボテン動物公園で、ウッドチャックには那須どうぶつ王国で会うことができます。

アルプスマーモット
Photo credit: Teresa Frost
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