世界のいきものを動画でチェック!YouTube

コビトマングース

コビトマングース
©2013 zoofanatic: clipped from the original
目次

コビトマングースの基本情報

英名:Dwarf Mongoose
学名:Helogale parvula
分類:マングース科 マングース属
生息地:アフリカ, アンゴラ, ボツワナ, コンゴ民主共和国, エスワティニ, エチオピア, ケニア, マラウィ, モザンビーク, ナミビア, ソマリア, 南アフリカ, スーダン, タンザニア, ウガンダ, ザンビア
保全状況:LC〈軽度懸念〉

コビトマングース
Photo credit: smalljude

階級社会

コビトマングースは、2~30頭から成る複雄複雌の群れを作ります。

この群れには厳格な階級があり、高齢のメスが最も優位に立ちます。

そのメスとペアを組むオスが続いて優位で、最も若いメンバーがその次の順位になります。

コビトマングースの社会では、基本的にどの齢階級でもメスの方が優位になります。

面白いのは、最も優位なメスとオスだけが繁殖することです。

他の劣位メスも交尾をしますが、妊娠しなかったり流産したりし、産んだとしてもその子供の生存率は極めて低くなるようです。

このようなメスは母乳を出すことができ、優位メスの子の授乳をすることもあります。

最も優位なペアしか繁殖しないという特徴は、南米のサル、マーモセットタマリンに似ていますね。

あわせて読みたい
ウィードマーモセット 【ウィードマーモセットの基本情報】 英名:Wied’s Marmoset学名:Callithrix kuhlii分類:オマキザル科 コモンマーモセット属生息地:ブラジル保全状況:NT〈準絶滅危...
あわせて読みたい
クチヒゲタマリン 【クチヒゲタマリンの基本情報】 英名:Moustached Tamarin学名:Saguinus mystax分類:オマキザル科 タマリン属生息地:ブラジル, ペルー保全状況:LC〈軽度懸念〉 Pho...

ビビリ

コビトマングースは開けた草原などに生息し、なおかつ体が小さいので、捕食者から狙われやすいです。

そのため、彼らの警戒心は高く、集団を作ることで敵を察知する目を増やしています。

また、ミーアキャットのように見張り番を置くこともあります。

興味深いのは、鳥類のサイチョウとの関係です。サイチョウも、コビトマングースと同じく昆虫を食べます。

そして、コビトマングースと同じく周囲の捕食者を警戒します。

つまり、両者は捕食者を警戒するという点において協力関係にあるのです。

サイチョウは特に空を飛ぶ猛禽類を発見するのが得意で、見つけると警告音を出します。

それを聞くと、コビトマングースたちは素早く逃げます。

コビトマングースはサイチョウがいると見張り役を出すことがないほど、彼らを信頼しています。

彼らの関係は下の動画でも見ることができます。

死んだふりをして気を引こうとするコビトマングースを、サイチョウは面倒くさそうな目で見ているのが笑えてきます。

コビトマングースの生態

生息地

コビトマングースは、エチオピアから南アフリカ北部にかけて、サバンナなどに生息します。

食性

1日のほとんどを採食に費やし、コオロギやバッタ、シロアリ、クモなどの無脊椎動物や、ネズミ、ヘビ、鳥などの脊椎動物を食べます。

採食は日中行われ、夜はシロアリ塚や岩陰などで寝ます。

形態

体長は18~28㎝、肩高は約12㎝、体重は210~350gで、マングース科の中では最小になります

なお、メスの方がわずかにオスよりも大きくなります。

行動

コビトマングースは、母系社会を形成します。

オスが2~3歳で別の群れを探して生まれた群れを離れるのに対し、メスは基本的に群れに留まります。

群れは30~60haのなわばりを持ち、肛門や頬の臭腺から出る分泌物や糞尿でマーキングします。

他の群れとのなわばりの重複はわずかで、群れ同士は敵対的です。

コミュニケーションには、においの他、音声やグルーミングなどが用いられます。

繁殖

繁殖には季節性が見られ、10月~4月にかけて行われます。

妊娠期間は49~56日で、通常3頭、最大6頭の赤ちゃんが一度に生まれます。

赤ちゃんは群れ全体で育てられます。

最初の2~3週の間は、群れが採食に出かけても、赤ちゃんを見守る個体が巣に残ります。

また、生後6~7週で完全に離乳するまでは、群れのメンバーが子どもにえさを与えることもあります。

性成熟には2~3年で達し、寿命は飼育下で最長12年の記録があります。

コビトマングース
Photo credit: zoofanatic

人間とコビトマングース

絶滅リスク・保全

コビトマングースには、もちろん捕食者という脅威はありますが、彼らを絶滅に陥れるような脅威はこれといってありません

そのため、個体数は非常に安定しており、絶滅は危惧されていません。

レッドリストでは軽度懸念の種として登録されています。

IUCN Red List of Threatened Spec...
The IUCN Red List of Threatened Species Established in 1964, the IUCN Red List of Threatened Species has evolved to become the world’s most comprehensive information source on the global conservation ...

動物園

そんなコビトマングースには、日本の動物園でも会うことができます

東京都の上野動物園と大阪府の天王寺動物園が、コビトマングースを飼育・展示しています。

彼らの社会性を垣間見ることができると思うので、是非これらの動物園に足を運んでみてください。

あわせて読みたい
どうぶつ図鑑「コビトマングース」 | 東京ズーネット 動物たちの情報を、フリーワードと分類からすばやく調べられるページです。
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次