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フィッシャー

2026 5/15
イタチ科
2026年5月15日
雪の上を歩く黒い毛のフィッシャー
©2011 Animal Diversity Web: clipped from the original
目次

フィッシャーの基本情報

英名:Fisher
学名:Martes pennanti
分類:イタチ科 テン属
生息地:カナダ、アメリカ合衆国
保全状況:LC〈軽度懸念〉

博物館のジオラマに展示されたフィッシャーの剥製

利用されるフィッシャー:毛皮とヤマアラシ

フィッシャーはその名前に反して、魚を食べることはありません。

この名前は、ヨーロッパケナガイタチを意味し、オランダ語かフランス語に語源があると思われるフィッチ(fitch)という言葉に由来しています。

おそらくヨーロッパからアメリカに渡った入植者によってその名がつけられたのでしょう。

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このフィッシャーですが、その毛は寒い気候に耐えるため、非常に密に生えています。

夏の終わりごろから12月にかけての換毛期の後の冬毛は特に密で、長らく人間を魅了してきました。

フィッシャーは、その毛皮のために18世紀からすでに狩猟の対象となっていました。

フィッシャーの毛皮は当時価値が高く、1936年には毛皮1枚につき450~750米ドルで売られていたと言います。

しかし、その価値のために過度な狩猟が行われた結果、森林の減少と相まって、フィッシャーはその生息地の南部や東部から姿を消してしまいました。

そこで、1930年代から、フィッシャーの生息地であるアメリカの多くの州が、フィッシャーの狩猟に規制をかけるようになりました。

一方、フィッシャーが姿を消した地域では、商品価値のある木材が次々と被害を受け始めます。

木の皮を剥いで木を傷つけたり枯らしたりするヤマアラシの個体数が増加したのです。

フィッシャーは鋭い棘を持つヤマアラシを獲物とする数少ない肉食動物です。

そのフィッシャーがいなくなったことで、ヤマアラシが勢力を拡大させたのです。

そういった地域では、他の地域出身のフィッシャーの再導入が行われ、結果的にフィッシャーとヤマアラシの個体数バランスが保たれました。

このような状況と、伐採ブームの終焉による森林の回復が重なり、フィッシャーは次第に数を増やし始めます。

その後、狩猟が再開され、再びフィッシャーが少なくなるというサイクルが何度か繰り返されますが、現在のところ、彼らに絶滅の懸念はありません。

フィッシャーの毛皮の価値はかつてより大幅に下がりましたが、フィッシャーの狩猟はいまだ続いているようです。

ただ、州によってはフィッシャーを保護すべき動物としているところもあります。

人間に振り回されてきたフィッシャー。

今後は人間の手から離れて生活できるよう祈るばかりです。

シダ下の倒木に座る茶毛のフィッシャー
Photo credit: Pacific Southwest Region USFWS

フィッシャーの生態

生息地

フィッシャーは、カナダとアメリカ合衆国の森林に生息します。

標高3500mまでの混交林や落葉樹林にも生息しますが、針葉樹林を好みます。

食性

フィッシャーの主食は、ヤマアラシなどの齧歯類や、カンジキウサギです。

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その他、鳥類や果実、昆虫、シカなどの死肉も食べます。

一方、特にこどものフィッシャーを捕食する動物には、猛禽類やカナダオオヤマネコ、ボブキャット、アカギツネなどがいます。

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形態

体長は45~80㎝、体重はオスが3.5~6㎏、メスが2~2.5㎏、尾長は30~40㎝で、オスの方が大きくなります。

爪は出し入れすることができ、足の関節は180度回転させることができます。

そのため、下の動画からも分かるように、彼らは頭を先にして木を降りることができます。

先述のように、毛は特に冬に密になります。

毛はオスの方がより粗く、そのためメスの毛皮はより上質とされます。

行動

フィッシャーは、木登りが上手ですが、普段は地上で暮らします。

薄明性で、明け方と夕暮れに特に活発に活動します。

フィッシャーは単独性の傾向が非常に強い生き物です。

行動域は平均20~25㎢で、オスのものは1頭以上のメスのものと重複しています。

マーキングは、肛門や脇、首などにある臭腺や糞尿により行われます。

フィッシャーは、日常的に巣穴を使います。

木の洞や地面にできた穴を巣穴として使い、同じ巣穴を2,3日以上使うことはほとんどありません。

繁殖

フィッシャーの繁殖には季節性があり、交尾は3~5月にかけて行われます。

受精卵は約10カ月の間着床しないため(遅延着床)、実質50日の妊娠期間は、見かけ上約1年となります。

フィッシャーの毛皮の価値が高かったころ、人々はフィッシャーを飼育しようとしましたが、この遅延着床が当時まだ分かっていなかったため繁殖に難航し、1940年代にはフィッシャーの飼育事業は終わりを告げました。

1度の出産で40gの赤ちゃんが1~6頭生まれ、母親は産後7~10日で早くも発情を再開します。

赤ちゃんはもっぱら母親に育てられ、生後8~10週で離乳し、4カ月で狩りをするようになります。

そしてオスは1年で、メスは5.5年で大人のサイズになり、オスは2年、メスは1年(出産時は2歳)で性成熟に達します。

寿命は野生下で約10年、飼育下で長くて14年です。

人間とフィッシャー

絶滅リスク・保全

フィッシャーは、生息地の減少や狩猟が未だに脅威となっていますが、その分布域の広さから絶滅は懸念されておらず、レッドリストでは軽度懸念の種として登録されています。

ちなみに、彼らの個体数密度は1㎢に2.6~7.5頭です。

 Fisher | The IUCN Red List of Threatened Species

動物園

そんなフィッシャーですが、残念ながら日本の動物園では見ることができません。

長い間人間を魅了し続けてきたフィッシャー。

いつか見てみたいですね。もちろん毛皮を売る店ではなく、動物園や森林で。

イタチ科
食肉目 イヌ型亜目 イタチ科 テン属 軽度懸念 北米 アメリカ合衆国 カナダ
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