ジェフロイタマリン

ジェフロイタマリン
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ジェフロイタマリンの基本情報

ジェフロイタマリン


英名:Geoffroy’s Tamarin
学名:Saguinus geoffroyi
分類:オマキザル科 タマリン属
生息地:コロンビア, パナマ
保全状況:LC〈軽度懸念〉

ジェフロイタマリン

Photo credit: Alastair Rae

性的役割分担

動物の世界では、オスとメスで担う役割が異なります。

ジェフロイタマリンを含めたサルの世界もそうです。

 

まず、あらゆる動物のオスの大きな役割は、群れを守ることです

これは自分の子供と自分の子供を産むメスを、捕食者や群れのメスを得ようとする他のオスから守る行為とも言えます。

ジェフロイタマリンの場合も、オスが他の群れなどの敵に対してより攻撃的です。

 

一方、メスの大きな役割は出産し、子供を育てることです。

多くのサルでは、出産はもちろんのこと、育児もほとんど母親が担います。

母親以外の個体による育児もありますが、その個体もメスであることが多いです。

 

このようにサルの世界では分かりやすい性的役割分担が存在しますが、そんな中、ジェフロイタマリンをふくめてタマリンのなかまは、オスも多くのサルではメスの役割である育児も担います。

父親は、群れの保護をする一方、子供を運搬したり子供に食料を与えたりします。

 

人間の世界でも、父親が働きに出て家族の生活を守り、母親は家に入って育児を担うというような家族の形が長らく支配的でしたが、現在、母親も働きに出ることが多くなっています。

そうなってくると、ジェフロイタマリンのような分担の仕方が理想的なのかもしれません。

ジェフロイタマリン

Photo credit: Brian Gratwicke

ジェフロイタマリンの生態

ジェフロイタマリンは、コロンビア北西部パナマ東部の乾燥林などに生息します。

樹上性が強く、樹上を四足歩行ヴァーティカル・クリンギング・アンド・リーピングで移動します。

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昼行性のジェフロイタマリンは、主に昆虫果実を食べます。

その他、、トカゲなどの小動物も食べます。

 

体長は20~30㎝、体重は350~490g、しっぽの長さは30~40㎝になります。

しっぽには把握性がなく、指にはかぎ爪が生えています。

 

ジェフロイタマリンは、2~19頭からなる複雄複雌の群れを一般的に作ります。

群れはなわばりを持ち、臭腺から出るにおいによってマーキングされます。

群れのオスが全員繁殖できる一方、メスの内繁殖できるのは最も優位の1匹だけです。

 

繁殖には季節性があり、交尾は1月~2月にかけて行われます。

メスは約5カ月の妊娠期間の後、通常双子の赤ちゃんを産みます

赤ちゃんは約40gで、2~3カ月で離乳します。性成熟には生後約2年で達し、メスの性的休止期間は300日前後と言われています。

寿命に関しては、飼育下で約17年です。

ジェフロイタマリンに会える動物園

ジェフロイタマリンは、主に生息地の縮小のために個体数を減らし続けています

パナマでは、ペット目的の狩猟も行われており、その影響は小さくないようです。

しかし、絶滅の危機に関しては今の所、軽度懸念に留まっています。

 

そんなジェフロイタマリンですが、残念ながら日本の動物園では見ることができません

しかし、同じタマリン属のワタボウシタマリンには、茨城県のかみね動物園、東京都の上野動物園、愛知県の日本モンキーセンター、鹿児島県の平川動物公園などで会うことができます。

見た目は全く似ていませんが、その生態には似ているところも多いので、是非観察しに行ってみてください。

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