タターサルシファカの基本情報
英名:Golden-crowned Sifaka
学名:Propithecus tattersalli
分類:インドリ科 シファカ属
生息地:マダガスカル
保全状況:CR〈絶滅危惧ⅠA類〉
平和なサル
タターサルシファカは、2~13頭から成る複雄複雌の群れを作ります。
群れの中では、メスの方がオスより優位にあり、繁殖や採食において優先権を持ちます。
この群れは非常に平和的で、子供を世話したりグルーミングしあったりと穏やかな暮らしを送っているようです。
オスがメスの尻にしかれる方が平和になるのかもしれません。
タターサルシファカは、20エーカー程のなわばりを持ち、臭腺からでるにおいや尿によるにおいづけでアピールします。
しかし、どれほどなわばりをアピールしても群れ同士が遭遇してしまうことがあります。
タターサルシファカの平和的性格はここにも表れます。
群れ同士の遭遇では、オス同士が鳴き合ったり、においづけしたり、儀式的にとびかかったりするだけで、肉体的な闘争に発展することはあまりありません。
暴力では何も解決しないことを、彼らは分かっているのかもしれません。
タターサルシファカの生態
生息地
タターサルシファカは、マダガスカル北東部の乾燥林などに生息します。
基本的に昼行性ですが、雨季には夕暮れ時や陽が落ちてからも活動することがあるようです。
シファカのなかまは樹上性が強く、ヴァーティカル・クリンギング・アンド・リーピングで木から木へ移動します。
食性
そしてその木の若葉や種子、花、未熟な果実などを食べます。
形態
体長は約50㎝、体重は3㎏、しっぽの長さは約40㎝で、体格における性差はほとんどありません。
シファカのなかまは前肢よりも後肢の方が長く、長い後肢はジャンプ力を生み出します。
繁殖
タターサルシファカは、1年に1度だけ、1月~3月の間に交尾をします。
その後メスは5カ月前後の妊娠期間を終えて、1匹の赤ちゃんを産みます。
赤ちゃんは5~6週間で離乳し、2~3年で性成熟に達します。
寿命は約20年と言われています。
人間とタターサルシファカ
絶滅リスク・保全
タターサルシファカは、焼畑農業や狩猟などの影響を受け、個体数を減らし続けています。
特に近年、金の採掘がタターサルシファカにとって脅威となっていることが指摘されています。
金の採掘者による狩猟も横行しているようです。
タターサルシファカは、レッドリストでは絶滅危惧ⅠA類に指定されており、生存数は6,000~10,000頭と推測されています。
動物園
そんなタターサルシファカですが、残念ながら日本では会うことができません。
タターサルシファカだけでなく、シファカのなかまは日本では飼育されていないようです。