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『タヌキ学入門』

タヌキ学入門
目次

書籍情報

書名:タヌキ学入門
著者:高槻成紀(東京大学総合研究博物館教授、麻布大学獣医学部教授を歴任)
発行年:2016年
出版社:誠文堂新光社
価格:2000円(+税)
ページ数:239ページ

■目次 

1 タヌキの基礎知識    

2 タヌキのイメージを考える    

3 タヌキの生態学    

4 東日本大震災とタヌキ    

5 タヌキと私たち

文化的たぬきと動物学的タヌキ

このイメージ(まぬけでお人好し)と現実のタヌキ(たくましく生き延びるタヌキ)の大きな落差を考えながら、私はこの本で、タヌキは動物学的に見てどういう動物であるかを紹介したいと思う。それと同時に、既存のイメージはどこから来ているのだろうかということも考えてみたい。そして、タヌキは「人を化かす」、「ポンポコダヌキ」といわれたりするが、これは何に由来するのか、その背景についても考えてみようと思う。《引用:本書p.5(カッコ内は生き物.com追記)》

『カチカチ山』や『ぶんぶく茶釜』に登場するタヌキ、信楽焼のタヌキ、人を化かすタヌキなどなど、タヌキは日本人に様々なイメージを持たれている動物です

本書は、そんなタヌキのイメージがどこから来ているかを考察します。

特に2章において、なぜタヌキはこのようなイメージを持たれているのかが、タヌキの習性や形態を根拠に論じられます。

私たち日本人の多くは、タヌキを実際に見たことがない、あるいはほとんど見たことがないのにもかかわらず、タヌキに対して何らかのイメージを持っています。

そのイメージは一体どこから来たのでしょう。

文化的たぬきが語られるその一方で、本書では動物学的なタヌキについても語られます

特に1章や3章、4章において、動物としてのタヌキが紹介されます。

これらの章を読むことで、タヌキの骨格や体色、生息地、食性などなど、タヌキの生態が明らかになるでしょう。

4章では、とりわけ東日本大震災で被害に遭った仙台湾にもどってきたタヌキの実態に焦点が当てられます。

地震と津波により破壊されたはずの場所で、タヌキはどのような生活を送っているのでしょうか。

本書の特徴は、豊富な写真やイラスト、平易な文章で、分かりやすく書かれていることです。

オールカラーなので、タヌキやその食べ物の色までもよく分かります。

また、「タヌキのQ&A」と題して繰り広げられる質問とそれへの返答を通して、タヌキを楽しく学ぶことができます。

質問には、例えば「同じ穴のムジナってタヌキのことって本当ですか?」「タヌキはタヌキ寝入りするんですか?」など、興味をそそるものばかりです。

タヌキはかつてほどではないものの、今でも日本人にとって身近な動物です。

個人的な話をすると、私たちが通っていた東京の大学にもタヌキが生息していました。

そんなタヌキに対して、偏ったイメージを持っているだけで、私たちはどれだけ彼らを理解しているでしょうか。

本書は、タヌキの本当の姿を知るための良い入門書となってくれることでしょう。

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