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ニホンアナグマ

2026 5/14
イタチ科
2026年5月14日
草地で見つめる茶毛のニホンアナグマ
©2015 Alpsdake: clipped from the original
目次

ニホンアナグマの基本情報

英名:Japanese Badger
学名:Meles anakuma
分類:イタチ科 アナグマ属
生息地:日本
保全状況:LC〈軽度懸念〉

落葉林を歩く白縞顔のニホンアナグマの正面
Photo credit: Alpsdake

参考文献

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日本のアナグマ・狢

日本のことわざに、「同じ穴の狢(むじな)」というものがあります。

これは、一見違うように見えても、同類であることを例えたもので、基本的に悪事を働く者に対して使われます。

この狢という言葉は、主にアナグマを指しますが、アナグマやタヌキの総称である場合もあるようです。

日本において狢は、狸や狐と同じく、人を化かす妖怪として民話や迷信に登場します。

アナグマやタヌキは、見た目は違うけれども、同じ穴に住んで悪事をたくらむ同類、仲間である、これがおそらくこのことわざの由来になったのではないでしょうか。

ところで、アナグマとタヌキは、実際に同じ穴を利用することが知られています。

しかし、タヌキは自分で穴を掘りません。

アナグマがその強靭な前肢で巣穴を掘るのです。

まさに、穴熊です。

アナグマの穴(アナグマ穴)は大きく分けて、深い穴と浅い穴に分けることができます。

深い穴は1m以上あり、巣穴内部は複雑な構造を持ちます。

また、巣穴には独自の巣材が利用されていると考えられており、雨の日が続いた後の晴れの日に、湿った巣材を穴の入り口に出し、乾かす姿が報告されています。

ちなみに、巣穴の出入り口は10カ所以上ある場合もあります。

深い穴には、出入り口が地面に直接掘られているものや、岩の下に掘られているもの、キツネの掘った穴などの種類があり、このようなアナグマ穴が約300m間隔で掘られています。

アナグマは、その掘削能力と引き換えに、歩行スピードを失いました。

つまり、逃げ足が遅いのです。

これをカバーするため、人間などの敵と遭遇しても逃げられるよう、行動圏内にいくつも穴を持っているのです。

また、穴は厳しい環境をしのぐためにも利用されます。

ニホンアナグマは、冬を含む10月半ばから3月下旬にかけて活動をほとんど停止し、穴ごもりに入ります。

体温低下は見られず、危険を感じれば動けることから冬眠ではないものの、冬の厳しい環境を穴の中で耐え抜くのです。

ちなみに、同じ穴の狢であるタヌキは、このような穴ごもりをしたり、活動量を減らしたりすることはありません。

ニホンアナグマの生態

生息地

ニホンアナグマは、本州、四国、九州、小豆島に分布します。

北海道やその他の島嶼には生息しません。

環境としては、標高2,000mまでの落葉樹林、混交林、針葉樹林などに生息します。

ニホンアナグマは、もともとユーラシアアナグマの亜種だと考えられていましたが、2005年より独立種という認識が一般的になっています。

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食性

ニホンアナグマは雑食性で、夏に豊富になるミミズを主に食べます。

その他にも、甲虫や野イチゴなどの果実、そして農作物や人間の残飯などを食べます。

彼らは、エサの現存量によって食性を変化させることができますが、その幅はタヌキほどではないようです。

形態

体長は60~70㎝、体重は3.9~11㎏、尾長は10~15㎝で、オスの方がやや大きくなります。

ニホンアナグマは、他のアナグマと比べると、やや小さくなります。

また、穴ごもり前の秋には、冬のエサを食べない分の脂肪を蓄積するため、体重が1.5倍になります。

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行動

ニホンアナグマは、主に夜行性で、ヨーロッパのアナグマなどよりも単独性の傾向が強いです。

しかし、場合によっては、複数個体が同所的にいることもあるようです。

行動圏は5~400haで、オスの行動圏はメスのよりも広く、複数のメスのものと重複しています。

一方、メス同士の行動圏は排他的で、重複はありません。

行動圏内には複数のため糞があります。

ニホンアナグマのコミュニケーションは、このため糞や、臭腺からの分泌物など、においによるものが主です。

 参考:日の出町のアナグマの行動圏の内部構造

繁殖

繁殖には季節性があり、交尾のピークは4~5月にあります。

7~10カ月の着床遅延が見られ、出産は4月に見られます。

75~90gの赤ちゃんが、一度に1~4頭産まれます。

赤ちゃんは7月末まで受乳し、最初の穴ごもりの後に巣穴から追い出されます。

しかし、若いメスはしばらくの間、母親の元に留まることもるようです。

寿命は飼育下で約13年です。

人間とニホンアナグマ

絶滅リスク・保全

ニホンアナグマは、個体数を減らし続けていると考えられているものの、絶滅は懸念されておらず、レッドリストでも軽度懸念の評価が与えられています。

しかし、近年、その捕獲数が急増していることを懸念する声もあります。

特に、九州地方ではその傾向が顕著で、鹿児島県では、それまで100頭前後で推移していたものが、2010年から急増し、2015年には4,000頭以上、2016年には6,000頭近くが捕獲されています。

その一方、アナグマによる農作物などへの被害も増加しており、鹿児島県の被害額は、2007年度に約370万円だったものが、2016年度には約1,300万円まで増えています。

アナグマと人間の共存は、今後考えるべき喫緊の課題と言えるでしょう。

 参考:鹿児島県のニホンアナグマ Meles anakuma の現状について -交通事故死個体数と捕獲数の年次変化から-

動物園

そんなニホンアナグマには、日本の里山以外でも、様々な動物園で会うことができます。

秋田県の大森山動物園、神奈川県のよこはま動物園ズーラシア、愛知県ののんほいパーク、京都府の京都市動物園、広島県の安佐動物公園、高知県のわんぱーくこうちアニマルランド、鹿児島県の平川動物公園など、多数の動物園がニホンアナグマを飼育・展示しています。

最終氷期後、朝鮮半島経由で日本にやってきたと言われる、日本の固有種・ニホンアナグマに会いに、是非これらの動物園に行ってみてください。

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