モンクサキの基本情報
英名:Monk Saki
学名:Pithecia monachus
分類:サキ科 サキ属
生息地:エクアドル, コロンビア, ブラジル, ペルー
保全状況:LC〈軽度懸念〉
ミステリアスな僧
モンクサキの体はゴワゴワしてそうな毛でびっしり覆われています。
顔に生えた白い毛はほうれい線のようです。
この様子がキリスト教の僧侶に似ていることから、このサルはモンクサキと名付けられました。
学名の“monachus”はギリシア語で、“monk”は英語で「僧侶」とか「修道士」という意味になります。
そんなモンクサキですが、普段高い所で生活していることや、警戒心が強いことなどから、観察が難しく、そのためにこのサルに関するデータはあまりありません。
何を食べているのか、どこに生息しているのか、群れは作るのかなどの基本的な情報はありますが、群れに順位はあるのかなど具体的な情報はいまだに明らかにされていません。
お坊さんや修道士は普段何をしているのか、その実態はミステリアスですが、モンクサキも名前の通り謎に包まれたミステリアスな生き物なのです。
モンクサキの生態
生息地
モンクサキは、ブラジル、コロンビアのアマゾン川上流域に生息しています。
樹上を四足で移動し、時に木々の間をジャンプします。
その様子から、現地では「ボラドール(宙跳ぶサル)」と呼ばれています。
食性
昼行性で、浸水林や沼沢林などで暮らすこのサルは、果実や種子、花や昆虫を食べます。
モンクサキはサルには珍しくアリも食べます。
また、硬い種子をかみ砕くために、犬歯が発達しています。
形態
体長は30~50㎝、体重は1~2㎏、しっぽは体長と同じ長さほどあります。
サルの中には、クモザルのようにしっぽで枝をつかむことができるサルがいますが、同じ南米に住んでいてもモンクサキのしっぽにそのような把握力はありません。
行動
サキのなかまは、これまでペア型(オス、メス1匹ずつ)の社会を形成すると考えられてきましたが、このサルにも見られるように、群れに複数の大人のオスとメスがいることもあるということが分かってきています。
ただ、モンクサキの群れには順位があるのか、母系の群れか父系の群れかなどよくわかっていないことはまだまだ多いです。
モンクサキは音声やグルーミングでコミュニケーションを図っています。
繁殖
繁殖についても分かっていないことが多いですが、メスは約170日の妊娠期間の後、通常1匹の赤ちゃんを産みます。
寿命に関しては、飼育下で約25年生きた例があるようです。
人間とモンクサキ
絶滅リスク・保全
モンクサキは非常にミステリアスなサルなので、どのくらいの個体数が生存しているのかもよくわかっていません。
絶滅の危機に関しては軽度懸念にとどまっていますが、狩猟や生息地である森林に破壊によって、個体数は減少し続けていると推測されています。
動物園
そんなモンクサキには、残念ながら日本で会うことができません。
なんてったってミステリアスですから、そう簡単にお目にかかることはできないようです。
しかし、おなじサキの仲間であるシロガオサキには上野動物園と日本モンキーセンターで会えます。
サキであればなんでもという方は是非行ってみてください。