シロガオサキ

シロガオサキ
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シロガオサキの基本情報

シロガオサキ


英名:White-faced Saki
学名:Pithecia pithecia
分類:サキ科 サキ属
生息地:ブラジル, フランス領ギアナ, ガイアナ, スリナム, ベネズエラ
保全状況:LC〈軽度懸念〉

シロガオサキ

Photo credit: David J. Stang

白い顔

このサルは、名前の通りの白い顔が特徴的です。

体は黒いが顔だけは白。

とっても目立ちますね。

 

しかし、顔が白いのはオスだけです。

メスは灰色の体で顔は黒。

顔には、ほうれい線のような白い毛が生えているだけです。

オスの赤ちゃんは生まれたとき、このメスの外見に似ています。

しかし、3.5~4年をかけて、徐々に大人のオスの色になっていきます。

また、色だけでなく、体格にも差があります

オスもメスも体長は約35㎝とそんなに変わらないのですが、体重はオスが約2.4㎏、メスが約1.8㎏とオスの方が重くなります。

 

突然ですが、そんなシロガオサキの学名に注目してみましょう。

“pithecia”ということばが2つ並んでいます。

この名前は、ギリシア語の“pithekos”という言葉に由来します。

意味はサル。

つまり、シロガオサキはめちゃくちゃサル、ということですね(?)。

 

このように同じ単語が2つ並ぶ学名をもつサルは、ほかに同じサキのなかまであるヒゲサキ(Chiropotes chiropotes)やニシゴリラ(Gorilla gorilla)がおり、さらにその亜種の西ローランドゴリラはGorilla gorilla gorillaと言います。

とんでもないゴリラなんですね。

ゴリラの話になってしまいました。

シロガオサキ

Photo credit: _paVan_

シロガオサキの生態

シロガオサキは、ベネズエラの東部、中央部、南部、そしてギアナブラジルの北部にかけて、熱帯雨林に生息しています。

 

雨期になると地面に浸水するような浸水林に生息しており、ほとんど地上に降りてくることはありません

 

主に種子をたべますが、そのほかには果実昆虫なども食べます。

また、水を飲むとき、手ですくったり、自分の毛を浸したりして飲む行動が見られます。

人間みたいですね。

 

シロガオサキは、顔の他にしっぽが特徴的です。

長くて、太くて、ふさふさしたそのしっぽの長さは体長を超え、35~45㎝にもなります。

このサルはよく木から木へジャンプして移動しますが、しっぽはその際にバランスをとるため重要な役割を果たしています。

このジャンプは10mを超えることもあるようです。

ちなみに、しっぽにはクモザルなどのような把握性はありません

 

シロガオサキは、2~6頭から成るペア型の群れを作りますが、大人のオスとメスが1頭以上いることもあるようです。

群れはなわばりを持っていると考えられており、胸の臭腺から出る分泌物や尿、音声によってなわばりを守ります

行動域は約10haと狭く、一日に1~2㎞を移動します。

 

シロガオサキの繁殖は春に行われます。

メスは約150日の妊娠期間の後、通常1匹の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは母親に世話され、生後約5カ月にもなると完全に一人で移動するようになります。

そして生後約32カ月で性成熟に達します。

妊娠期間は一年に一度で、寿命は飼育下で15~35年です。

シロガオサキに会える動物園

シロガオサキは、森林の縮小や狩猟が原因で個体数を減少させています

しかし、絶滅の危機に関しては高くなく、レッドリストでも軽度懸念とされています。

 

そんなシロガオサキですが、日本ではなかなかお目にかかることができません

現在、上野動物園や、愛知県の日本モンキーセンターでしか会うことができないようです。

これらの動物園でシロガオサキを見つけたら、是非どっちがオスかお連れの人に問題を出してみてください。


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