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ピューマ

2026 5/02
ネコ科
2026年5月2日
草地を歩く茶色の毛のピューマの顔
©2010 Mohd Fazlin Mohd Effendy Ooi: clipped from the original
目次

ピューマの基本情報

英名:Puma /Cougar/ Mountain lion
学名:Puma concolor
分類:ネコ科 ピューマ属
生息地:アルゼンチン、ベリーズ、ボリビア、ブラジル、カナダ、チリ、コスタリカ、エクアドル、エルサルバドル、フランス領ギアナ、グアテマラ、ガイアナ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、スリナム、アメリカ合衆国、ベネズエラ、ボリビア
保全状況:LC〈軽度懸念〉

ピューマPhoto credit: Tony Hisgett
Photo credit: Tony Hisgett

いろいろと大きいネコ

体長はオスが100~150㎝、メスが85~130㎝、体重はオスが50~100㎏、メスが30~60㎏、尾長は60~90㎝。

新世界ではジャガーの次に大きなネコであるピューマですが、ジャガーやライオンなどのいわゆる大型ネコとは系統的に全く異なることが、近年の分子研究により判明しました。

ピューマと最も近縁なのはジャガランディで、その次にチーターが近縁になります。

チーターもピューマと同様大きなネコですが、系統が明らかになった現在、彼らは進化の過程で大型化した小型ネコであるという認識が一般的となっています。

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そんなピューマ、大きいのは体だけではありません。

一つが行動域。

ピューマの行動域は非常に広く、オスで140~760㎢、メスで26~350㎢もあります。

オスの場合は1,000㎢を超えることもあるというので驚きです。

2011年、アメリカ、コネティカット州の高速道路で、轢死した若いオスが発見されました。

コネティカット州での野生ピューマの発見は100年ぶりだということでニュースにもなりましたが、なんとこの個体、DNA調査の結果、サウスダコタ州の個体群出身で、3,200km以上も移動していたことが分かりました。

これは陸生哺乳類の移動距離としては最長と言っていいほどの長さです。

ピューマがどれほどの距離を移動するのか(できるのか)よく分かります。

ピューマは、その分布域の広さも半端ではありません。

ピューマは、カナダ中部から南米チリの南端にかけて、非常に広い範囲に生息します。

かつての分布域は更に広く、北米の東部にまで及んでいましたが、欧州人の入植後、1800年代後半から1900年代前半にかけて人間により排除された結果、現在、北米東部にはフロリダ州の孤立した個体群(フロリダパンサー)しか残っていません。

しかも、フロリダパンサーは100~180頭ほどしか生き残っていません。

ただ、遺伝的多様性を考慮しての他州出身の個体の導入や、野生動物用の地下道の開発の結果として、死因の半分を占めていた交通事故死が減少したことにより、個体数はかつてよりは増えているようです。

北米東部からはほとんど姿を消したピューマですが、それでも彼らの分布域は十分広く、その広さは西半球の地上性哺乳類の中では最大と言われています。

大型化した小型ネコだとしても、ピューマは色々と大きなネコであることに違いはありません。

並んで眠るピューマの兄弟
Photo credit: Tony Hisgett

ピューマの生態

生息地

ピューマは、北米から南米にかけて、標高5,800mまでの様々な環境に生息します。

草原などの開けた場所は避け、植生または岩場がある環境で暮らします。

現在のところ、北米、中米、南米東部、南米北部、南米中部、南米南部と、地域によって6亜種が認められています。

ちなみに、先ほど登場したフロリダパンサーは北米亜種の個体群とされています。

ピューマは、温帯から亜熱帯、熱帯にかけて生息しますが、温帯の個体は色が薄く、熱帯の個体はレンガ色をしている傾向にあります。

北米では、ピューマのメラニズム個体、ブラックパンサーの目撃情報が数千件ありますが、毛皮や標本などは一つもなく、完全に確認されたことはありません。

一方、アルビニズムの個体はごくわずかですが確認されています。

先述のように、ピューマは大きな体をしていますが、赤道から離れるにつれて体はより大きくなる傾向にあります。

これは、体を大きくして体表面積の体重に対する割合を小さくすることで、消費熱量を抑えるためです。

食性

ピューマは夜行性、または薄明性で、夕暮れ、夜間、早朝に狩りを行います。

主な食料はシカやグアナコなど中~大型の有蹄類(ゆうているい)で、特に北米では食料の大半を有蹄類が占めます。

熱帯では大型の有蹄類が少ないため、グアナコなどの他にも、ペッカリーやナマケモノ、霊長類を食べます。

下の動画ではピューマがナマケモノを捕らえる様子を見ることができます。

ピューマは鳥類やカイマンなど大型の爬虫類も食べることもありますが、全体に占める割合はわずかです。

また、肉食動物を食べることもあり、アライグマやボブキャット、コヨーテ、スカンクなど、30種の肉食動物を殺したという記録があります。

一方、オオカミやクマなどの肉食動物はピューマの捕食者になることもあります。

家畜を襲うことは少ないですが、野生動物が少ない場合、重要な食料となります。

人間を襲うことは稀ですが、子供は標的になりやすいようです。

北米において人間がピューマに襲われた記録は1890~2011年の間で158件、そのうち死亡例は22件となっています。

行動

ピューマは単独性で、集団で観察される場合はほとんどが母親とその子供です。

ただ、他の個体の接近を許すこともあり、下の動画では母子と父親がともに時間を過ごす、貴重な映像を見ることができます。

ピューマは縄張り意識が強く、同性からの防衛時に命を落とすこともあります。

また、オスはメスや子どもを襲って殺してしまうこともあります。

ちなみに、縄張りは糞や尿でマーキングされます。

オスの行動圏は1頭以上のメスと重複しており、メスの場合は、血縁関係のあるメス同士と重複している場合が少なくありません。

これは、独立した若いメスは母親の行動圏の近くに留まる傾向にあるためです。

コミュニケーションにはマーキングに使われるにおいによるものの他、甲高い鳴き声など音声がありません。

なお、ピューマは大型ネコのように吠えることはできません。

繁殖

ピューマは、年中繁殖しますが、地域によっては繁殖に季節性がある個体群もあります。

排卵周期は23日、発情期間は約8日で、妊娠期間は90日前後です。

交尾の持続時間は約1分と短いですが、回数は多く、1時間に約9回も行います。

一度に200~450gの赤ちゃんが1~6頭(平均2~3頭)生まれます。

赤ちゃんは生後10日で目を開き、2~3カ月で離乳します。

また、赤ちゃんにははっきりとした斑点がありますが、これは約1年で消えてなくなることがほとんどです。

2歳の時には独り立ちし、母親の行動圏から離れます。

メスが母親の行動圏の近くに定住する傾向にある一方で、オスはより早い時期に遠くまで移動します。

移動距離はメスで9~140km、オスで23~274kmです。

性成熟には1.5~3歳で達し、出産間隔は2~3年です。

寿命は野生下で8~13年、飼育下で長くて20年です。

床で取っ組み合うピューマの幼獣2頭
Photo credit: Charles Barilleaux

人間とピューマ

絶滅リスク・保全

ピューマの生息密度は100㎢に0.3~8頭と非常に小さいですが、その分布域も手伝って、絶滅に関しては懸念されておらず、レッドリストにも軽度懸念と記載されています。

しかし、生息地の減少や分断などの脅威はなくなっていません。

中でも、合法の狩猟や密猟は彼らの生存を脅かす危険性を持っています。

アルゼンチンの一部の地域では、家畜を襲うピューマの狩猟に報奨金が出され、毎年2,000頭が殺されます。

また、北米ではスポーツハンティングの名のもとに、毎年2,500~3,500頭のピューマが合法的に殺されます。

そんな中で、1990年、ピューマの狩猟を州民投票により禁止したカリフォルニア州など、ピューマの保全に前向きな州もあります。

 Puma /Cougar/ Mountain lion | The IUCN Red List of Threatened Species

動物園

そんなピューマですが、日本の動物園でも見ることができます。

岩手県の岩手サファリパーク、静岡県の日本平動物園、兵庫県の神戸どうぶつ王国、徳島県のとくしま動物園、広島県の福山市立動物園などが、ピューマを飼育・展示しています。

動物園に必ずと言っていいほどいる大型ネコたちとピューマの違いを、是非探してみてください。

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