アカテタマリン

アカテタマリン
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アカテタマリンの基本情報

アカテタマリン


英名:Red-handed Tamarin
学名:Saguinus midas
分類:オマキザル科 タマリン属
生息地:ブラジル, フランス領ギアナ, ガイアナ, スリナム
保全状況:LC〈軽度懸念〉

アカテタマリン

黄色い手

名前につく「アカテ」とは「赤手」のこと。赤色なんですね。

どれどれ、赤いおててを見せてくださいな。

 

そう言って見てみると、なんと黄色でした

全然赤じゃありませんでした!

 

そんないちゃもんは置いといて、この黄色い毛は、手だけではなく、足にも生えています

手と足だけが黄色でそれ以外は黒。

コントラストがきれいですね。

 

ここで学名に注目してみましょう。

学名は2つの単語で構成されていますが、1つ目の単語の方を属名、2つ目の単語の方は種小名と言います。

属名は同じ種がいくつかいることがありますが、属名に種小名がくっつけば、種は同定されます。

アカテタマリンの属名はSaguinus(タマリン属)、種小名は“midas”となっています。

ここでは種小名を取り上げましょう。

 

アカテタマリンの種小名ミダス(midas)は、ギリシャ神話に出てくるミダス王のことを指しています。

このミダス王、なんと触ったものすべてを黄金に変えるという、最高の能力を持っています。

欲しすぎますその能力。

 

この黄金に変える手を持つミダス王の名前が、黄色の手を持つアカテタマリンにつけられたということなんですねえ(もしかしたらこのサルも黄金の力を持っているかもしれません)。

秀逸なネーミングセンスです。

 

アカテタマリンの生態

アカテタマリンは、ブラジルギアナガイアナスリナム熱帯雨林などに広く生息しています。

 

昼行性で昆虫小動物果実ガムなどを食べます。

 

体長は20~28㎝、体重は400~550g、しっぽの長さは30~45㎝で、体格における性差はほとんどありません。

アカテタマリンは他のマーモセット亜科のサル同様、かぎ爪を持っており、彼らの移動方法であるヴァーティカル・クリンギング・アンド・リーピングに役立っています。

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アカテタマリンは2~6頭から成る単雄複雌複雄複雌の群れを作ります。

群れは縄張りを持ち、胸や生殖器付近の臭腺から出る体液を枝などにこすりつけてマーキングします

下の動画ではその様子が見られるので是非ご覧ください。

 

繁殖には季節性はありません。

群れの中で、最も順位の高いメスだけが繁殖し、群れのすべてのオスと交尾をします。

メスは約140日の妊娠期間の後、通常双子の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは母親だけでなく群れのメンバー全員に育てられます。

離乳は生後2~3カ月、性成熟には生後16~20カ月で達します。

アカテタマリンの寿命は飼育下で約20年です。

アカテタマリンに会える動物園

アカテタマリンは適応力が高く、狩猟の対象にもほとんどならないので、個体数は安定しており絶滅の危機は低いと考えられています。

しかしその一方で、フタイロタマリンの生息地を侵害していることも指摘されています。

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ちなみに、このアカテタマリン、日本でもペットとして売られているようです。

 

そんな野生では広く分布するアカテタマリンですが、日本で会える動物園は限られています

確認出来る限り、千葉県の市川市動植物園、愛知県の日本モンキーセンター、静岡県の伊豆シャボテン動物公園が、アカテタマリンを飼育しています。

ペットとして飼うのではなく、これらの動物園で見ることをオススメします。

 

果たして、アカテタマリンは触れたものを黄金に変えることができるのでしょうか。

ご自分の目でお確かめください。



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