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アカエリマキキツネザル

アカエリマキキツネザル
©2015 Mathias Appel: clipped from the original
目次

アカエリマキキツネザルの基本情報

英名:Red Ruffed Lemur
学名:Varecia rubra
分類:キツネザル科 エリマキキツネザル属
生息地:マダガスカル
保全状況:CR〈絶滅危惧ⅠA類〉

アカエリマキキツネザル
Photo credit: Mathias Appel

参考文献

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果実丸呑み

エリマキキツネザルには黒白と赤の2種類がいます。

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このエリマキキツネザルはどちらも果実食で、食べるものの7割以上を果実が占めます。

エリマキキツネザルはこの果実の食べ方が特徴的です。

通常、サルは手を使って食料を食べます。

実際に枝を引き寄せて果実をもぎ取るサルの姿は容易に想像できます。

しかしエリマキキツネザルは口で直接果実を咥えて枝から引きちぎり食べます。

さらに、彼らは食べた果実を噛むことなく丸呑みします。

エリマキキツネザルの下顎は他のキツネザルより長く、これにより大きく口を開けることができます。

かなり大きい果実でも丸呑みにしますが、その理由は果肉を効率よく消化するためだと考えられています。

果肉を種子からはがすような食べ方だと、どうしても食べ残しができるからです。

ところで、飲み込まれた果実に注目すると、果肉は体内で消化される一方で、種子は消化されることなく排泄されます。

そして排泄された場所で芽吹きます。

種子によってはサルの体内でついた表面の傷により、発芽が促進される者もあるようです。

動くことができない木にとって、種子を遠くに運んでくれるエリマキキツネザルは大切な存在です。

エリマキキツネザルの果実丸呑みという習性は、思わぬところで他者の役に立っているのでした。

アカエリマキキツネザルの生態

生息地

アカエリマキキツネザルは、マダガスカル北東部熱帯湿潤林に生息します。

昼行性で、ほとんどを木の上で過ごします。

食性

食べるもののほとんどを果実が占め、そのほかには、葉っぱも食べます。

形態

キツネザルのなかまの中ではかなり大きい方で、体長は約60㎝、体重は約3.5㎏になります。

しっぽの長さは約50㎝で、メスの方がやや大きくなります

キツネザルのなかまは、くし歯といわれる毛づくろい用の歯を持ちます。

アカエリマキキツネザルも、このくし歯を使ってグルーミングをしあいます。

行動

アカエリマキキツネザルは、5~31頭から成る複雄複雌の群れを作ります。

この群れは離合集散し、そのためか音声によるコミュニケーションが発達しています。

この他、グルーミングやにおいによるコミュニケーションも行われます。

他のキツネザルのように、アカエリマキキツネザルも手首のあたりに臭腺を持っており、そこから出る臭いを枝に付けることでなわばりをアピールします。

繁殖

繁殖には季節性があり、交尾は5~6月の乾季に行われます。

メスは年に数日しか発情せず、性皮の腫脹のような外形的な変化もありません。

妊娠期間は約100日で、2~3匹の赤ちゃんが生まれます。

赤ちゃんは巣で育てられ、群れのなかまからも世話をされるようです。

赤ちゃんは約4カ月で離乳し、約2年で性的に成熟します。

寿命は飼育下で約20年です。

アカエリマキキツネザル
Photo credit: Robert Elsmore

人間とアカエリマキキツネザル

絶滅リスク・保全

アカエリマキキツネザルは、人間による生息地の破壊や肉目的の狩猟などのために個体数を減らし続けています

また、彼らの棲むマソアラという地域にはサイクロンが度々訪れるため、この影響も受けていると考えられます。

その結果レッドリストでは、最も絶滅が危惧される絶滅危惧ⅠA類に指定されています。

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動物園

そんなアカエリマキキツネザルですが、なんと日本でも会うことができます

埼玉県のこども動物自然公園と、神奈川県の野毛山動物園がこのサルを飼育しています。

もしこれらの動物園を訪れる場合は、彼らのごはんの食べ方に注目してみてください。

動物紹介 野毛山動物園
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