シロエリマンガベイの基本情報
英名:White-collared Mangabey
学名:Cercocebus torquatus
分類:オナガザル科 シロエリマンガベイ属
生息地:カメルーン, コンゴ共和国, 赤道ギニア, ガボン, ナイジェリア
保全状況:EN〈絶滅危惧ⅠB類〉
増えるヒト、減るサル
シロエリマンガベイは、近年目に見えて数を減らしています。
レッドリストにおいて、2008年次の評価では絶滅危惧Ⅱ類でしたが、2019年には絶滅危惧ⅠB類に格上げされています。
また、生息地の一つであったベナンでは、このシロエリマンガベイはすでに絶滅してしまったと言われています。
これほどまでこのサルが減少してしまった理由は、生息地の減少と狩猟です。
パームオイル、バナナ、ゴムなどのプランテーションのために、年々森が開拓されています。
また、比較的大きな体、地上付近での生活、大きな鳴き声(下の動画)などの見つけやすさから、肉目的の狩猟の対象にもなっています。
これらシロエリマンガベイにとっての脅威は今後もなくならないだろうと言われています。
彼らの生息する地域の人口は、年2.7%で増加しています。
これは30年で人口が倍になるものすごいペースです。
人口減少の将来を待つ日本にとってはうらやましい限りですが、シロエリマンガベイにとっては悪夢でしかありません。
増加した人口は更なる食料を求めます。
農地の開拓、狩猟はシロエリマンガベイにとって今後も大きな脅威であり続けるでしょう。
シロエリマンガベイの生態
生息地
シロエリマンガベイは、赤道付近のアフリカ大陸西岸の、沼沢林などに生息します。
昼行性で、半地上性の生活をしており、地上を歩くことが多いです。
食性
このサルは強いアゴを持っており、硬い種子でも殻をかみ砕いて食べます。
他には、果実や若葉なども食べます。
形態
体長は45~70㎝、体重はオスが10~11㎏、メスが5~6㎏でオスの方が大きくなります。
シロエリマンガベイは、その名の通り白い襟のような首周りの毛が特徴的です。
また、他のマンガベイ同様、白いまぶたを持っており、これは表情コミュニケーションに用いられています。
この白いまぶたから、昔の図鑑ではこのサルを「シロエリシロマブタザル」と表記するものもあります。
行動
シロエリマンガベイは、14~25頭から成る複雄複雌の群れを作ります。
群れに序列はあるものの、非常に平和的で、示威行動はあまり見られないようです。
繁殖
1頭が繁殖を独占するわけでもなく、下位のものでも繁殖することができます。
繁殖には季節性がないと言われています。
メスは、5~6カ月の妊娠期間を終え、1匹の赤ちゃんを産みます。
そして生まれた子供は、5~7年で性成熟に達します。
寿命は25年前後と言われています。
人間とシロエリマンガベイ
絶滅リスク・保全
シロエリマンガベイは、先述のように絶滅の危機に瀕しています。
しっかりとした保全が行われなければ、人口増加による影響をもろに受け、さらに個体数を減らしていくことになるでしょう。
動物園
そんなシロエリマンガベイですが、残念ながら日本の動物園では見ることができません。
しかし、近縁種であるゴールデンマンガベイであれば愛知県犬山市の日本モンキーセンターにて見ることができます。
マンガベイであればという方は是非こちらに行ってみてください。