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キタリス

キタリス
©2021 hedera.baltica : clipped from the original
目次

キタリスの基本情報

英名:Eurasian Red Squirrel
学名:Sciurus vulgaris
分類:齧歯目 リス型亜目 リス科 リス属
生息地:アルバニア、オーストリア、ベラルーシ、ベルギー、ボスニアヘルツェゴビナ、ブルガリア、中国、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、日本、韓国、北朝鮮、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、モンゴル、モンテネグロ、オランダ、北マケドニア、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、セルビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、ウクライナ、イギリス
保全状況:LC〈軽度懸念〉

キタリス
Photo credit: hedera.baltica

参考文献

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国外外来種と国内外来種

ユーラシアに生息するキタリスは、アメリカ大陸とほぼ同じ面積である約4,200万㎢に分布するリスです。

彼らは日本にも生息しており、亜種であるエゾリス(Sciurus vulgaris orientis)が北海道にのみ分布しています。

本州と四国に生息するニホンリスは、520万~400万年前にキタリスから分岐したとされ、染色体数も同じで近縁です。

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そんなキタリスは、日本では外来種としても知られており、特定外来生物に指定されています。

特定外来生物とは、「外来生物(海外起源の外来種)であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定される生物」のことで、飼育や運搬、輸入、野外への放出などが原則禁止されています。

日本では主に、東京都と埼玉県の境界に位置する狭山丘陵で、その存在が確認されています。


キタリスは北海道に生息しているのに、なぜ外来種?という疑問がわきますが、上記の特定外来生物の説明に注目してみると「外来生物(海外起源の外来種)」とあります。

そう、海外起源であれば仮に国内に同種が存在していようと外来種になるのです。

このように国外に起源をもつ外来種を国外外来種と言います。

キタリスが外来種に指定されているということは、そのキタリスはエゾリスではなく国外外来種ということ。

日本に外来種として定着しているキタリスは、20世紀末頃、ユーラシア各地域の系統のキタリスがペットとして持ち込まれ、それらが野生化したものと考えられています。


外来生物法では、本来いない場所に日本の本来の生息地から持ち込まれ定着した種、つまり国内外来種は対象外となります。

例えば、ネズミ駆除のために国内の各島に持ち込まれたニホンイタチなどは、その島からしたら外来種でも外来生物法の対象外です。

北海道のエゾリスも同じく、仮に彼らが本州で猛威を振るっても外来生物法に基づく対処はできないことになります。

輸出入の禁止を主として管理が容易な国外外来種に比べ、国内外来種はその管理運用が難しく、対策が遅れているというのが現状です。


日本では外来種として扱われることもあるキタリスですが、キタリス自身が外来種に苦しめられる場合もあります。

例えばイギリスでは、1876年に北米から持ち込まれ定着したトウブハイイロリスにより、それまで350万匹いたとされるキタリスは激減し、今では約30万匹しか残存していません。

トウブハイイロリスはキタリスより大きく競争力があり、また彼らには耐性があってもキタリスにはないポックスウイルス(squirrelpox virus)の持ち込みと拡散によって、キタリスが激減したのです。

現在イギリスではアイルランドとスコットランドに、ほとんどが生息し、イングランドやウェールズではごく少数が残るのみとなっています。

キタリスは外来種という問題を語る上では、意外に重要な種なのかもしれません。

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エゾリス
エゾリス | Photo credit: H yamaguchi

キタリスの生態

生息地

標高3,100mまでの針葉樹林、落葉樹林、混交林に生息し、公園や庭園などにも住み着きます。

イタリアのカラブリア州にのみ生息する、黒い体色が特徴的なカラブリアキタリスは、かつて亜種とされていましたが、現在では別種とされています。

中央アジアやカリブ海の国に導入されています。

カラブリアキタリス
カラブリアキタリス | Photo credit: Gianluca Gongi

形態

体長は22~27㎝、体重は300~410gで体サイズに性差はありません。

体色が多様で夏は赤、灰、黒など、冬には灰褐色になります。

腹部は年中白いです。

全身白い個体も稀に存在します。

冬になると耳に4~5㎝の長い房毛が生えます。

11月のキタリス
11月のキタリス | Photo credit: hedera.baltica

食性

主食は種子やドングリ、クルミで、それらがないときは花や果実、新芽、昆虫、キノコ類、鳥の卵などを食べます。

冬にはそれまでに地面や木の又などに貯食しておいたエサも食べます。

捕食者にはマツテンなどのイタチ類、キツネ、猛禽類、ヘビ類が知られています。

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行動・社会

日があるうちに活動する昼行性で、単独で生活します

樹冠近くに枝や葉っぱで巣を作ったり、木の洞を巣として利用したりします。

エサ探しのために地上に降りてくることもありますが、樹上性が強く、主に樹上を移動します。

繁殖様式は乱婚制で、複数のオスが発情したメスを追いかけ交尾します。

ただ、交尾の大半は優位なオスによって占められます。

劣位オスは優位オスの隙を狙ったり、いなくなったりするのを狙って、メスと交尾しようとします。

繁殖

出産のピークは2月から4月、5月から8月にかけて見られます。

メスの妊娠期間は38~39日で、一度の出産で1匹から7匹までの赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは10g前後で、毛はなく、目は閉じ、耳は聞こえない状態で生まれてきます。

生後1ヵ月ごろ目を開き、1.5ヵ月頃巣を出ます。

生後8~10週で離乳し独立、1歳までには性成熟に達します。

寿命は野生で2~4年、長くても6~7年、飼育下では15年以上生きる個体もいます。

キタリス
Photo credit: hedera.baltica

人間とキタリス

絶滅リスク・保全

その分布域の広さから、絶滅は懸念されておらず、IUCNのレッドリストでは軽度懸念の評価です。

ただ、特にイギリスやイタリア、フィンランド、アイルランドなどでは更なる減少が懸念されており、生息地の破壊、外来種のトウブハイイロリスとの競合、トウブハイイロリスが持ち込んだ感染症などが脅威とされています。

また、モンゴルでは1900年代中頃、毛皮のために乱獲されていましたが、現在では不明です。

Eurasian Red Squirrel | The IUCN Red List of Threatened Species

キタリス
Photo credit: hedera.baltica

動物園

日本の動物園では、北海道札幌市の円山動物園、帯広市のおびひろ動物園、旭川市の旭山動物園でエゾリスを見ることができます。

野生では捕獲が原則禁止されているため、遠くからそっと観察してください。

また、本州でキタリスを見た場合は、自治体に連絡してください。

札幌市
帯広市ホームページ 十勝
エゾリス| 帯広市ホームページ 十勝 帯広市ホームページ 十勝

エゾリス | 旭山動物園

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