ミケリスの基本情報
英名:Prevost’s Squirrel
学名:Callosciurus prevostii
分類:齧歯目 リス型亜目 リス科 タイワンリス属
生息地:ブルネイ、インドネシア、マレーシア、タイ
保全状況: LC〈軽度懸念〉

参考文献
三毛栗鼠
オーストラリアと南極以外のすべての大陸に生息する(外来種を除く)リス科には現在300種近くが知られていますが、彼らは大きくニホンリスなどの樹上性リス類、プレーリードッグなどの地上性リス類、モモンガなどの滑空性リス類に分けることができます。
このうち地上性リス類はリスの分布域では南米に不在、滑空性リス類はアフリカと南米に不在ですが、樹上性リス類はリスの分布域すべての大陸で見られます。
樹上性リス類の種数はリス全体の約半分を占め、彼らの大半が熱帯と亜熱帯に生息します。
中でも東南アジアはリス類の宝庫で、樹上性リス類の約半分が見られます。
ただ、その生息環境へのアクセスの困難さや、その小ささゆえの観察の難しさから、東南アジアのリス類についてはあまりわかっていないのが現状です。


さて、特徴的な体色をしたミケリスも、東南アジアに生息する樹上性リスの一種です。
彼らが属するタイワンリス属は”Callosciurus”と表記されますが、これはラテン語で「カラフルなリス」という意味です。
ミケリスの他にも体色のバリエーションがとんでもないフィンレイソンリスや、日本では外来種として定着しているクリハラリスなどがこの属に分類されています。
ミケリスはその名の通り背中の黒と体側の白、そしておなかの赤やオレンジの3色を基調とした体色が魅力です。
ただ、スマトラ島北部やボルネオ島北東部などには、体側の白が黒をした2色型も存在します。
ちなみに、ミケリスは英語で”Prevost’s Squirrel”と呼ばれます。
所有格の”s”があることから”Prevost”は人名らしいことがわかりますが、この名前はフランスのナチュラリスト、フローレン・プレヴォに因んで付けられたものです。


ところで、三毛猫がメスばかりであるネコと違って、ミケリスは体色に性差がありません。
また、ミケリスは雌雄とも同じようなサイズをしていますが、体色だけでなく体のサイズにも性差がほとんど見られないのは、樹上性リス類の特徴です。
哺乳類では一般的に、有蹄類や鰭脚類などメスをめぐるオス同士の闘争が激しい種では、オスがメスよりも大きくなったり、角や牙などが発達したりする傾向があります。
樹上性リス類の多くは、1匹の発情メスを複数のオスが追いかけ、少数の優位なオスがメスと交尾するというタイプの繁殖、つまり上記にあてはまりそうな繁殖をします。
そのため、雌雄の体に何らかの差があってもおかしくないのですが、そうならないのには例えば劣位のオスもちゃっかり交尾できているなど闘争を軽減する何らかの理由があるのでしょうか。
リスという動物には興味が尽きません。




ミケリスの生態
生息地
ミケリスは生い茂った雨林に生息しますが、二次林や果樹園、プランテーションにも生息します。
スラウェシ島の個体群は導入個体群です。
形態
体長は20~27㎝、体重は300~400g、尾長は体長ほどあり、体サイズに性差はありません。
他のリス同様、犬歯がないことや足を左右に180度回転できること、かぎづめなどが特徴的です。
食性
種子や果実、蕾、花、昆虫、鳥の卵などを食べます。
捕食者にはキエリテンなどの哺乳類やカンムリワシなどの鳥類、ヘビ類が知られています。
行動・社会
ミケリスの生態はあまりわかっていませんが、彼らは昼行性です。
樹上性が強く、あまり地上には降りてきません。
主に単独性ですが、餌場では複数みられることもあります。
木の洞や枝の上などに巣を作ります。
繁殖
繁殖は年中行われますが、6月から8月にかけてピークがあります。
メスの妊娠期間は約40日で、一度に1~3匹の赤ちゃんが生まれます。
生まれた赤ちゃんは無毛で目は閉じ、耳も聞こえませんが、生後6週ごろまでには大人の容姿となり、その後独り立ちしていきます。
寿命は飼育下で17年の記録があります。

人間とミケリス
絶滅リスク・保全
分布域の広いミケリスは、今のところ絶滅は心配されておらず、IUCNのレッドリストでは軽度懸念の評価です。
一部地域ではオイルパームやココナツのプランテーションを荒らすとして害獣とされています。
また、ボルネオ島のサラワクなどでは、ペット目的に捕獲されています。
Prevost’s Squirrel | The IUCN Red List of Threatened Species
動物園
ミケリスは上野動物園で見ることができます。


