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アメリカモモンガ

2026 5/15
リス科
2026年5月15日
木の幹にしがみつくアメリカモモンガ
©2007 LASZLO ILYES : clipped from the original
目次

アメリカモモンガの基本情報

英名:Southern Flying Squirrel
学名:Glaucomys volans
分類:齧歯目 リス型亜目 リス科 アメリカモモンガ属
生息地:カナダ、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、アメリカ合衆国
保全状況:LC〈軽度懸念〉

暗夜の樹幹に逆さに立つアメリカモモンガ
Photo credit: Marie Hale

参考文献

リスの生態学 / 田村典子 【本】
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北米の滑空性リス

リス科には約280種が知られており、大きく樹上性、地上性、滑空性に分けることができます。

このうち、滑空性リスは種数が最も少なく約45種。

東南アジアを中心にユーラシアと北米に生息する滑空性リスは、空を飛ぶのではなく、皮膜を使って滑空することが特徴です。

滑空性リスはすべて単系統で、ニホンリスなども属するリス属を種としたグループの祖先から進化したとされています。

日本の滑空性リスには北海道にタイリクモモンガ(Pteromys volans)、本州、四国、九州にムササビ(Petaurista leucogenys)、そして日本の固有種二ホンモモンガ(Ptetromys momonga)がいます。

北米に存在する2種の滑空性リスのうちの1種、アメリカモモンガ(もう1種はオオアメリカモモンガ)の種小名“volans”がタイリクモモンガのそれと同じですが、これは「飛ぶ」を意味するラテン語に由来します。

ちなみに英語でVolansはトビウオ座のことです。

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滑空性リスはすべて夜行性で、そのために目が大きいです。

アメリカモモンガもまた夜行性ですが、寒いと薄明薄暮時に活動します。

また、あまりにも寒いと巣の中にこもり、トーパーと呼ばれる一時的な休眠状態になります。

アメリカモモンガはキツツキがつついた巣穴や天然の樹洞を巣としますが、特に冬の寒い日には、暖を取るために一つの巣に多いと20匹が集まります。

ここは触れ合ったり音を出したりしてコミュニケーションを互いに取ります。

この時、人間には聞こえない超音波も出しているようです。


一般的なリスとは色々と異なる滑空性リスですが、行動や繁殖様式は樹上性リスと似ているところもあります。

アメリカモモンガも、メス同士の行動圏の重複は見られません。

オスにはなわばり性がない一方、メスはなわばり性が強く、特に産後はその傾向が一段と増します。

繁殖については、1匹の発情メスを複数のオスが追いかけ、優位なオスがほとんどの交尾を独占するという、リス属に多く見られる様式です。

また、冬に向けて種子などのエサを自分の巣に隠す行動も、樹上性リスに見られる貯食行動と似ています。


滑空するという特徴だけで、アメリカモモンガなどの滑空性リスは他の動物と一線を画しているように感じてしまいますが、彼らはリスと言う動物のただの一系統。

リスは南極大陸とオーストラリア大陸以外の大陸に広く分布する、繁栄した動物の一つですが、彼らの多様さと奥深さがわかります。

樹幹を下る茶毛のアメリカモモンガの夜景
Photo credit: Judy Gallagher

アメリカモモンガの生態

生息地

アメリカではグレートプレーンズ以東に、また、メキシコや中米の国々にも分布します。

温帯、亜温帯の落葉樹林や混交林に生息し、ブナ、コナラ、カエデ、ポプラといった樹種が重要になります。

形態

体長は20~28.5㎝、体重は38~90g、尾長は約10㎝です。

滑空のための皮膜は手首から足首にかけて存在し、平べったい尾は空中でかじ取りの役割を果たします。

オスには陰茎骨があります。

木幹で逆さに飛膜を広げるアメリカモモンガ
Photo credit: Cataloging Nature

食性

ドングリなどの種実やマツボックリなどの種子、果実、樹皮、蕾、昆虫、鳥の卵や子供、死肉、菌類などを食べます。

巣を中心に半径160m程度の範囲で採餌します。

捕食者にはボブキャットやアライグマ、イタチ類、猛禽類、ブラックラットスネークなどのヘビ類が知られています。

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行動・社会

夜行性で日中は木の洞に作られた巣で過ごします。

行動圏は5~13haで、メス同士の行動圏の重複はありません。

オスもメスも複数の異性と交尾する場合がありますが、特定の異性と何度も交尾することもあるようです。

滑空は木々の間を6~9mの距離で行われることが多いですが、20m以上の場合もあります。

繁殖

繁殖期は2~3月、5~7月で、メスは年に2回出産します。

隠したエサの量が少ないと繁殖が遅れるようです。

メスは約40日の妊娠期間の後、2~5匹の赤ちゃんを産みます。

夏の繁殖期の方が生まれる子の数が多い傾向にあります。

赤ちゃんは3~5gで目は見えず、耳は聞こえず、毛も生えていない状態で生まれます。

生後4週までには目は開き、耳も聞こえるようになり、毛も生えそろいます。

生後8週までには離乳し、独立していきますが、次の母親の出産まで一緒にいる場合もあります。

オスもメスも翌年の繁殖期から繁殖をはじめ、メスは3歳ごろまで子供を産みます。

寿命は野生で3~5年、飼育下では約10年、長いと15年以上生きる個体もいます。

樹幹で大目を見開くアメリカモモンガの夜景
Photo credit: Kristof & Yulia

人間とアメリカモモンガ

絶滅リスク・保全

アメリカモモンガには大きな脅威はありませんが、地域的に生息環境の破壊やエサとなる木々の減少が脅威になる場合があります。

個体数は安定しているとされ、分布域も広いため、IUCNのレッドリストでは軽度懸念の評価です。

 Glaucomys volans | The IUCN Red List of Threatened Species

動物園

日本でアメリカモモンガを見ることはできません。

リス科
リス科 リス亜科 リス型亜目 リス属 リス族 齧歯目 軽度懸念 北米 アメリカ合衆国 カナダ グアテマラ ホンジュラス メキシコ
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