キンイロジリスの基本情報
英名:Golden-mantled Ground Squirrel
学名:Callospermophilus lateralis
分類:齧歯目 リス型亜目 リス科 キンイロジリス属
生息地:カナダ、アメリカ合衆国
保全状況:LC〈軽度懸念〉

参考文献
巣という家
肩周辺の体色が特徴的で、多くの時間を地上で過ごす地上性リス類の一種であるキンイロジリスは、シマリスによく似ていますが、キンイロジリスには顔に縞模様がないこと、キンイロジリスの方が大きいことで両者を区別できます。
そんなキンイロジリスは、森林限界よりも高い標高で見られることがある、高地に暮らす生き物です。
彼らは標高4,000m付近まで分布し、森林だけでなく、岩場や草地などにも生息します。
重要なのは、その環境が彼らの巣を提供できるかどうかです。
キンイロジリスは岩場や木の根元などを利用して地中に巣をつくります。
巣の全長は50㎝ほどで、深さは30㎝ほどになります。
巣は人間にとっての家のようなもので、持って帰ってきたエサを蓄えるだけでなく外敵から身を守るためにも重要です。
彼らはここで普段の休息をとるだけでなく、育児なども行います。
巣は冬眠する場所としても必須です。
冬には極寒となる環境に生息するキンイロジリスは冬眠をします。
それまでにエサを食べ皮下にたっぷり脂肪を蓄えた彼らは、10月頃から始まり翌年の3月〜5月頃まで巣の中で冬眠します。
冬眠は何度かの覚醒を挟み、この覚醒で起きた個体が冬でも地上で見られる場合があるようです。
冬眠から目を覚ますと、冬眠前に巣に蓄えておいたエサを食べ、これからの活動のエネルギーを補います。
冬眠から目覚めた彼らは忙しい生活を送ることになります。
繁殖が始まるからです。
まず、オスが先に冬眠から目覚め、巣を中心とした自らのなわばりを確立するために他のオスたちと競争します。
なわばりを確立できたオスは、その後に目を覚ました、そのなわばり内にいるメスたちと晴れて交尾できます。
ちなみに、繁殖期以外だと、キンイロジリス同士の行動圏の重複は見られません。
繁殖期になると、オスはその行動圏を防衛する行動を見せ、それがなわばりとなります。
繁殖を終えると雌雄は再びバラバラとなり、メスはその後、巣の中で出産、育児を行います。
彼らだけでなく、リス類には巣を作るという習性があり、それゆえその体の大きさが制限されるという特徴がありますが、それはともかくキンイロジリスはそんな中でも巣に依存した生活を送っています。
彼らにとって巣とは、人間にとってのまさに家の役割を果たす重要な存在なのです。
Golden-mantled Ground Squirrels | VERTBEBRATE PEST CONTROL HANDBOOK – MAMMALS

キンイロジリスの生態
生息地
標高1,220〜3,965mまでのマツやトウヒなどの針葉樹林や混交林、丘陵地や岩場などに生息します。
形態
全長は23〜30㎝、体重は120〜394gで、体サイズに性差はあまりありません。
頬袋を持っており、巣にエサを持ち帰る際など一時的なエサの保存に役立っています。
食性
種子や葉、花、果実、根、菌類、昆虫などを食べ、ロードキルなどで死んだ肉も食べます。
捕食者にはコヨーテやボブキャット、シマスカンク、イタチ類、猛禽類などが知られています。



行動・社会
昼行性ですが、夏にはいつでも活動します。
繁殖期や子育て期を除くと単独性で、行動圏は0.5〜1haです。
メスはオスが目覚めた2〜3週間後に冬眠から目覚めます。
危険を感じた際などは音声を使用します。
繁殖
春に繁殖し、出産は5〜6月、標高によっては9月まで見られます。
メスは年に2回繁殖する場合もあります。
メスの妊娠期間は26〜33日で、一度に5匹前後、最大8匹の赤ちゃんを産みます。
未熟な赤ちゃんは生後20日ごろから目が開き、門歯が生え始め、生後6〜8週までには完全に離乳します。
その後独立していきますが、オスの方が遠くへ分散する傾向にあります。
性成熟には1歳までに達し、寿命は飼育下で5年ほどです。

人間とキンイロジリス
絶滅リスク・保全
分布域も広く個体数も安定しているキンイロジリスは、今のところ絶滅は心配されておらず、IUCNのレッドリストでは軽度懸念の評価です。
Callospermophilus lateralis | The IUCN Red List of Threatened Species
動物園
日本でキンイロジリスを見ることはできません。


