クロカンムリシファカの基本情報
英名:Crowned Sifaka
学名:Propithecus coronatus
分類:インドリ科 シファカ属
生息地:マダガスカル
保全状況:EN〈絶滅危惧ⅠB類〉
“Endangered”
クロカンムリシファカは、その名の通り黒い冠を被ったような頭をしています。
学名に付けられている“coronatus”も「花冠をかぶせられた」とかいう意味のラテン語です。
そんなクロカンムリシファカですが、絶滅の危機にさらされています。
その数は50年前の半分以下になっていると言われており、レッドリストでは絶滅危惧IB類(Endangered)に指定されています。
また、著名な写真家ティム・フラック氏による『ENDANGERED 絶滅の危機にさらされた生き物たち』という、絶滅が危惧されている動物たちの写真集では、良いか悪いかその表紙を飾っています。
体操座りをしてこちらを見るその目には、何か訴えかけてくるものがあります。
このようにクロカンムリシファカは絶滅の危機にさらされているのですが、彼らを保全しようという取り組みもあります。
その一つが「シファカ・コンサベーション(sifaka conservation)」です。
彼らは、保全、教育、研究プログラムを用意し、現地でクロカンムリシファカの保全活動に努めています。
私たちは、動物に危害を加える人間、それに知らず知らず加担してしまっている人間がいる一方で、その動物たちを守ろうとしている人間がいることを忘れてはならないと思います。
クロカンムリシファカの生態
生息地
クロカンムリシファカは、マダガスカル西部の熱帯乾燥林などに生息します。
高い木を特に好み、その林冠部で生活します。
食性
昼行性で、主食は花、その他に草や果実も食べます。
形態
体長は39-45㎝、体重は3.5-4.3㎏で、体長よりも長い50㎝前後のしっぽを持ちます。
クロカンムリシファカは、他のシファカ同様、移動方法が特徴的です。
木にいるときはその幹にしがみつき、あちらの木に行きたいときは強靭な両足を使ってジャンプするのです(ヴァーティカル・クリンギング・アンド・リーピング)。
また、地上を移動するときは、両手を挙げて、両足でピョンピョン飛んで移動します。
下の動画でもその様子を垣間見ることができます。
行動
クロカンムリシファカは、最低1頭のメスと複数のオスからなる2-8頭の群れで生活します。
メスの方が優位にあり、例えばオスが木の上に行こうとしたら、メスの強靭な脚で蹴とばされます。
かわいそうですね。
群れは1.5haほどの狭い範囲で行動し、隣の群れと遭遇したらなわばりをめぐって激しく争います。
このなわばりは、メスの場合は肛門付近から、オスの場合は首のあたりから出る臭いによってマーキングされます。
人間とクロカンムリシファカ
絶滅リスク・保全
クロカンムリシファカは、先ほども紹介したように絶滅の危機が高いサルです。
生息地の減少が最も大きな原因で、このまま森林の破壊が続けば確実に絶滅危惧ⅠA類に格上げされると言われています。
動物園
そんなクロカンムリシファカですが、日本の動物園で会うことはできません。
いつの日か絶滅が危惧されなくなって、日本の動物園でも見れるようになったらいいですね。