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ニアラ

ニアラ
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ニアラの基本情報

英名:Nyala
学名:Tragelaphus angasii
分類:鯨偶蹄目 ウシ科 ブッシュバック属
生息地:マラウィ、モザンビーク、南アフリカ、ジンバブエ
保全状況:LC〈軽度懸念〉

ニアラ
Photo credit: Bernard DUPONT

群れる利点

ある動物が群れを作ることで得られるメリットはさまざま考えられます。

例えば群れを作ることで、捕食者に対する目を増やすことができます。

自分が気付かなくても、他の誰かが気付いてくれることで、捕食されるリスクが小さくなるのです。

ミーアキャットなどは、捕食者に襲われるリスクが高い採餌中に見張りを置くことで、捕食のリスクを回避しています。

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仮に捕食者に襲われたとしても、群れでいれば自分が狙われる可能性は小さくなります。

また、群れでいれば捕食者に対抗することもできるかもしれません。

ジャコウウシマッコウクジラは、捕食者に襲われた際、狙われやすい子供を中心において大人が円形に陣取り対抗することが知られています。

一方の捕食者にとっても、群れを作れば狩りの効率を上げることができます。

群れを作るイヌ科動物・リカオンの狩りの成功率は90%と言われ、地上最強のハンターです。

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群れを作ることには情報共有の点でも利点があります。

群れの他のメンバーの情報によって、自分では知ることができなかったいい餌場に行き着くことができるでしょう。

特に年長者は経験豊富であるため、重要な情報を持っています。

母系集団を作るシャチでは、おばあちゃんシャチが狩りの効率を上げることが知られています。

また、高度な社会を作る霊長類では、群れを作るがゆえに知能が発達しました。

私たち人間も群れを作る動物の一つです。

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もちろん群れを作ることで、限られた資源をめぐる競争などのデメリットもあります。

しかしそれを超えるメリットがあったからこそ、群れを作る動物が存在します。

遅くなりましたが、アフリカ東南部に生息する、雌雄で体色が異なるアンテロープ、ニアラも群れを作る動物です。

特にメスは社会性が高く、メスは生まれた群れに留まったり、その近くにいたりすることも多いです。


ニアラは群れを作るメリットを、同じニアラからだけでなく、他の動物からも享受しています。

例えば、ニアラはインパラクーズーなど、他の動物が発した警戒音にも反応し、逃げることが知られています。

このように他の種との群れの効果も、同種の群れから得られるものと似ていますが、同種の群れから得られないものもあります。

ニアラは果実も食べますが、ヒヒが落とした果実を食べるためにヒヒについていくことが知られています。

これはニアラだけの群れからは得られないメリットです。

このような関係は他にもヤクザルとヤクシカなどに見られます。

動物たちの社会とは以外にも複雑であり、その種だけを見ても十分ではないことを、ニアラは教えてくれます

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ニアラ
シロサイ、ケープイボイノシシ、オグロヌーとニアラ
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ニアラの生態

生息地

ニアラは濃い茂みや開けた茂み、森林、サバンナウッドランドなどに生息します。

エスワティニでは1950年代に一度絶滅していますが、再導入により復活しています。

ボツワナとナミビアでは牧場に導入されています。

形態

体長は135~195㎝、肩高は0.9~1.1m、体重はオスが98~125㎏、メスが55~68㎏、尾長は40~55㎝でオスの方が大きくなります。

成熟したオスは暗い灰色となりますが、メスや子供は明るい茶色をしています。

角(ホーン)はオスにのみ生え、60~80㎝になります。

ニアラ
Photo credit: Brian Ralphs

食性

ブラウザーでもグレイザーでもあるニアラは、草や葉、果実、種子などを食べます。

水は必須で、あれば毎日飲みます。

捕食者にはライオンブチハイエナチーターヒョウリカオンなどが知られています。

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行動・社会

ニアラは日中活動しますが、暑い日は夕方や夜にも活動します。

オスは単独かオス同士の緩い群れ、メスは2~30頭の群れを作ります。

なわばり性は弱く、行動圏の重複が見られます。

オスは繁殖メスをめぐって闘争しますが、それにより死ぬ場合もあります。

繁殖

繁殖は年中見られますが、ピークが存在します。

メスは約7ヵ月の妊娠期間の後、5㎏ほどの赤ちゃんを1頭産みます。

赤ちゃんは生後2週ほどまで茂みに隠れて育ち、母親はそこを何度か訪れます(ハイダー型)。

その後、子供は母親の群れに合流し、生後7ヵ月までに離乳します。

1歳までに特にオスは群れを離れ、1.5歳ごろ性成熟に達します。

オスが繁殖できるようになるのはそれから数年後となります。

寿命は飼育下で約20年です。

ニアラ
Photo credit: s9-4pr

人間とニアラ

絶滅リスク・保全

生息地の破壊や家畜との競合、肉やトロフィー目的の狩猟、牛疫などの病気などが心配されていますが、大きな脅威はないとされています。

個体数は約36,500頭と推測されており、安定ないし増加しているとされています。

個体の8割以上は保護区で生活しています。

IUCNのレッドリストでは軽度懸念の評価です。

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動物園

ニアラを日本で見ることはできません。

ニアラ
Photo credit: Bernard DUPONT
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